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長嶋茂雄解任、川上哲治黒幕の定説がひっくり返った!? [スポーツ]

プロ野球のドラフト会議がありましたね。

ということで、今日はプロ野球の話。といっても、ブログのタイトルが「戦後史の激動」ということで、今回はもう少し古い話を蒸し返します。

長嶋茂雄巨人終身名誉監督が30年前に「辞任」したときの話です。
そのときの「定説」が、もしかしたら違っていたかも、という話です。

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長嶋茂雄巨人終身名誉監督が、最初に巨人の監督をつとめたのが1975年。ファンはご存知のようにこの年は最下位に沈み、以後、1位、1位、2位、5位、3位と続いて80年に「辞任」するわけですが、このときは事実上の解任といわれました。

マスコミというのはいい加減なもので、長嶋茂雄監督の采配に対しては当時から批判も多く、監督としての資質を疑うような論評も少なくありませんでした。

ところが、「辞任」させられると今度は一転して「なぜやめさせた」の大合唱。読売新聞不買運動まで発展し、後任の藤田元司監督はずいぶん悪く言われました。

その際、長嶋茂雄監督を辞めさせた黒幕として、前監督の川上哲治氏がクローズアップ。

長嶋茂雄監督が「辞任」した年の夏に、「週刊文春」で、藤田元司氏や国松彰氏や滝安治氏ら「川上派」の巨人OBが集まった座談会記事が掲載され、その中で川上哲治氏が、次の監督は藤田元司氏だと言ったことが問題視されたのです。

マスコミは、当時、川上黒幕説を前提として、徹底的に川上哲治氏を叩いていました。

一説には、長嶋茂雄氏までもが、「(世田谷区)野沢のおっさん」と言ったとされます。(でも実際には個人的な付き合いはあったと川上哲治氏は当時の「サンデー毎日」で答えています)

それが、数年後、川上哲治氏が入院したときに長嶋茂雄氏がお見舞いに来たことで、マスコミは「和解」と書きたて、自分たちが作った確執がそこで終わったように描いてつじつまを合わせました。

この件について、最近になって「日刊SPA!」でスポーツライターの玉木正之氏が、清武英利氏との対談の中で当時の「解任の真相」をちらりと述べているのです。
玉木:昔、青田昇さんと一緒にテレビに出た時、長嶋監督が解任された後だったんですが、解任の理由を青田さんは、「長嶋が『巨人を独立させる』と言い出したから」と生放送で言ったんです。「巨人は独立してもやっていける。でも、読売は面白くないだろう」と。発言の裏を取ろうと長嶋さんに会うたびにそれを確認したけど「そんなこと言ったかな~」って(笑)。でも「読売巨人軍」が「東京ジャイアンツ」になったら今の間違った常識が崩れると思いますよ。メディアのスポーツ支配の不合理も、企業と日本人の“社畜”という関係も変わってくるはずです。

親会社読売の逆鱗に触れれば、“一介の”球史に残るスター監督など簡単にクビにできる、ということです。

青田昇氏といえば、長嶋茂雄氏が「辞任」するシーズン、ヘッドコーチをつとめながら舌禍事件で開幕を待たずに退団したのですが、ブロックサインの中身をテレビで暴露するなど、虚実ない交ぜの裏話が好きな人でした。

本当の話と太鼓判は押せなくても、根拠のない話でもなさそうだ、という気にさせられます。

しかし、だとすると、川上哲治氏黒幕説というのは、いったいなんだったのでしょう

私は当時、「週刊ベースボール」を毎週読んでいた一野球ファンに過ぎませんでしたが、マスコミの川上犯人説はおかしいだろうと思っていました。

川上哲治氏といえば、9年連続日本一という大偉業を成し遂げた大監督ですが、当時の正力享オーナーとの関係がよくなかったため、退任後は1年間、読売グループの野球教室に駆り出された後、さびしく退団しています。

名誉監督だの非常勤取締役だのといった肩書きももらっていないし、その後、こんにちまで読売とは一切かかわりがありません。

読売が、そんな人に影響力を持たせるはずがないし、また本当にそうなら、週刊誌で自分の発言としてそんなことを言うはずもないでしょう。

マスコミのやり方は30年前も同じ。いったん悪役を仕立てたら、あることないこと書き連ねて、「嘘も百回言えば……」と白も黒に丸め込もうとする。

しかし、川上哲治氏は、自分が悪役になっても、こんにちまでそのことで積極的に発言していません。

もし、凡人の私だったら、真犯人であってもなくても、見苦しく「私は関係ない~」と弁明したことでしょう。

真実の暴露や裏話は、30年もたってから「実はこうだった」というのではなく、なぜその時にいえないのかな、というもどかしさも感じます。

いずれにしても、メディアの一方的な叩き記事は、一歩立ち止まってみることですね。叩けば叩くほど、逆に「なぜそんなにムキになって叩くの?」と疑ったほうがいい、というのは、もう私の持論になりつつあります。

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コメント 10

1stdmain

それでも巨人に復帰した長嶋さん。王さんは新天地で大きな仕事をしました。
人生いろいろですな。
by 1stdmain (2012-10-26 02:20) 

pandan

野球の世界、今までにもいろいろありますね、
今回のドラフトでは1年留年までして巨人に〜
事情があるのでしょうか。
by pandan (2012-10-26 04:46) 

rtfk

大手新聞社などマスコミが親会社の球団職員も選手も
今でも必要以上に親会社の顔色を伺うのでしょうね。。。
by rtfk (2012-10-26 05:53) 

tooshiba

結果を出そうとも、オーナーというか親会社のえらいひとに逆らえばクビ。
という図式は、どこの球団でもあると思います。

某金融屋も某ITベンチャーも某私鉄も某犬のお父さんも。って、どれもパリーグですね。(^_^;

もっとも、日本球界は「読売と、それ以外」という図式で進んでいます。昨今のプロ野球界に対する冷やかな視線(一般人の)は、それが顕著に露呈し、是正されるどころかますます悪化していることに対する答えではないかとも思います。
by tooshiba (2012-10-26 12:40) 

リキマルコ

野球の世界もいろいろ裏がありますね~!
でも野球少年の夢だけは壊さないでいただきたいものです。
by リキマルコ (2012-10-26 14:20) 

銀狼

当時は私も子供だったもので、
マスコミの報道を鵜呑みにしてしまった事もありました。
しかし、それでも第一次長嶋政権の時の終わり方には
ずっと疑問を抱いておりまして・・・
あんだけ采配がどうのと叩いてた連中が一斉に長嶋さんを
何故辞めさせるんだ!と言いだしたのは子供心にも
滑稽に写っておりましたね。
読売は長嶋さんを裏切りながらも、
今ではその長嶋さんを活用し続けております。
その姿勢には呆れてしまうばかりです。。。
by 銀狼 (2012-10-26 23:27) 

koume

ご訪問&nice!ありがとうございました♪
by koume (2012-10-26 23:51) 

uryyyyyy

いっぷく さん、こんばんは。

読売が絡むとスポーツがつまらなくなります。
読売というよりナベツネなのかな?
by uryyyyyy (2012-10-27 02:36) 

はる

スポーツに限りませんが、叩き出したら、徹底的に叩く、しかも叩く側が安全であることが確定している場合に限り…。

例えば、スマップが事件を起こしても、容疑者ではなくメンバーなんてわけのわからない「称号」を使うのがメディアだということがあの事件で良く判りました。

ところで、マスメディアもそうですが、「一般ピープル」はもっと怖いとも思います。ネットでの叩き方はもっと辛辣な気がしますので…。

by はる (2012-10-27 02:44) 

上のひと

巨人の人気はまだまだ健在です
銀座パレードに38万人来てくれて、
シリーズの視聴率も良かったです。
by 上のひと (2012-12-01 09:54) 

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