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西成女性医師“さっちゃん先生”再捜査と飛松五男氏の執念 [社会]

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西成のあいりん地区で、路上生活者の医療支援などに取り組んでいた女性医師、矢島祥子さんが亡くなった事件が起こったのは2009年11月。当初の自殺という扱いがこのたびやっとひっくり返り、およそ3年ぶりに「殺人・死体遺棄事件」としての捜査を求める告訴状が警察に受理されました。



ネットでは、ニュースが出た22日午後から関連キーワードの検索数が急上昇しています。

そして、このサイト「戦後史の激動」にも、わずか数時間で以前書いた関連記事に1000uu(pvではない)のアクセスが集まっています。

飛松五男氏が解き明かす「さっちゃん先生事件」
飛松五男氏が警察の初動捜査を批判した「さっちゃん先生事件」

まずは、この事件のあらましから書きます。

「大阪西成女医殺人容疑事件」、いわゆる「さっちゃん先生事件」は、9年前、大阪西成区で女性医師・矢島祥子さん(当時34)が変死体で発見された事件のことです。

矢島祥子医師が勤務していた「くろかわ診療所」は、「あいりん地区」といわれる日本最大のドヤ街があります。

「あいりん地区」というのは、特定の住居表示ではなく、国や自治体などの行政機関、および報道機関が「ドヤ街」をそう呼んでいます。

土地の者は、昔の住居表示から釜ヶ崎という通称を使っているところです。

矢島祥子医師は、沖縄県や大阪市内の病院を経て、07年から大阪西成区の「くろかわ診療所」に内科医として勤務していました。

場所柄、矢島祥子さんの仕事は、「あいりん地区」の特別清掃業務に参加する経済的にも恵まれず無権利状態で生活する労働者の健康診断や、ホームレス支援などの活動でした。

矢島祥子医師は、自分の休日も返上し、自腹を切って路上やテント、簡易宿泊所等を往診していました。

そこから、“西成のマザーテレサ”といわれるようになり、同地区の労働者たちに知らない者がいないほどでした。

そんな矢島祥子さんが、2009年11月14日に姿を消し、2日後に西成を流れる木津川の船着き場で遺体となって発見されたのです。

警察は当初、自殺と断定しましたが、矢島祥子さんの足取りや遺体の外傷状況などに不審な点が多く、何より自殺する理由がなかったので、遺族はとうてい納得できるものではありませんでした。

そこで、矢島祥子さんの母・晶子さんは、元姫路署の刑事で、テレビのコメンテーターとしてもおなじみの飛松五男氏にメールで調査協力を依頼。

飛松五男氏は何十回も現場に赴き、これまで独自の調査を続けてきました。

そして、1年後には警察に「捜査をしなおす」ことを約束させ、さらに1年半たって、正式に告訴状を受理したのです。

警察が、いったん自殺としたものひっくり返し、しかも告訴状を受け取ったということは、おそらくはもう犯人も割り出していて、逮捕のスケジュールを決める段階なのだと思います。

実は、私は、飛松五男氏が、西成女性医師“さっちゃん先生”「殺人事件」について書いた書籍を編集した関係で、この事件についてはとくに関心を持っていました。

遺族の方々のご苦労が報われたことを喜ぶとともに、「飛松五男さん、やっとここまで来たのですね」という気持ちです。

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飛松五男氏は、「大阪西成女医殺人容疑事件」、いわゆる「さっちゃん先生事件」について、その書籍の中でこう述べています。

「犯罪は人の仕業である。犯罪発生は犯人の警察、国民に対する挑戦である。警察、検察は正義のため真正面から対決して、必ず解決しなければならない。被害者遺族から依頼を受けた私は当然元刑事としての経験と正義のため犯人逮捕の助力をし、被害者の無念を晴らしたい。そのためには、現場に身を置き、真実追及のため現場を嘗めるようにして見分に次ぐ見分をする。関係ある者、新たな者に対して何回となく聞き、そしてさらに胸襟を開き、聞く。その結果、本当の真実を知ることができる。これが事件解決の道筋である。

人の仕業は人の力で必ず解明できる。姫路二女性バラバラ殺人事件、加西女教師殺人死体遺棄事件とも警察は当初「事件ではない」「犯人は生きている」「正直者である」「被害者は逃げている」と説明していたが、私と遺族は根気よく、一つひとつを解明、犯人逮捕の裏付けを取って全面解決した。さっちゃん事件も近い将来、必ず解決するよう、今日も釜ケ崎の現場に向かっている。」(『飛松五男の熱血事件簿』より)

同書には、元刑事である飛松五男氏の、カンと実践が具体的に書かれています。

「大阪西成女医殺人容疑事件」、いわゆる「さっちゃん先生事件」。
事件の真相と真犯人に関心のある方は、飛松五男氏の書籍をお読みいただけたら幸甚です。

飛松五男の熱血事件簿―私だけが知っている不可解事件の裏側と真相

飛松五男の熱血事件簿―私だけが知っている不可解事件の裏側と真相

  • 作者: 飛松 五男
  • 出版社/メーカー: 鹿砦社
  • 発売日: 2011/06
  • メディア: 単行本


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なつかえで

いっぷくさん、初めまして。
ご訪問&nice!、ありがとうございます!

by なつかえで (2012-08-23 12:07) 

Mitch

ご訪問とnice!、ありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。
by Mitch (2012-08-23 19:06) 

uryyyyyy

いっぷく さん、こんばんは。

あいりん地区って直接は全然知りませんけど
かなり悪名高い場所ですよね。
by uryyyyyy (2012-08-23 19:32) 

プースケ

こんばんは。
矢島さんが亡くなられたニュースは覚えています。
早く事件が解決するように祈っています。
by プースケ (2012-08-23 21:40) 

カリメロ

遺族の方々のご苦労が報われた事、本当によかったと思います。
が、と同時に、被害者やそのご遺族・関係者の方々が努力しなくても済む世の中になって貰いたいと思いますね。
by カリメロ (2012-08-23 22:47) 

hatumi30331

ここまで着た事は・・・・どれだけの努力を
積み重ねたことでしょう。
多くのご苦労があったことでしょうね。
by hatumi30331 (2012-08-23 23:43) 

いっぷく

なつかえでさん、コメントありがとうございます。
今度ともよろしくお願いします。

by いっぷく (2012-08-25 04:43) 

いっぷく

Mitchさん、コメントありがとうございます。
こちらこそ、よろしくお願いします。
by いっぷく (2012-08-25 04:44) 

いっぷく

uryyyyyyさん、コメントありがとうございます。
そうですね。独特の雰囲気といわれますよね
by いっぷく (2012-08-25 04:45) 

いっぷく

プースケさん、コメントありがとうございます。
そうですね、これまでにも捜査をしていた警察が
告訴状を受け取ったということは、おそらくその先(逮捕)が
見えてきたのでしょうね。
by いっぷく (2012-08-25 04:46) 

いっぷく

hatumi30331さん、コメントありがとうございます。
ご家族としては、せめて真相を明らかにすることが
供養だと思って頑張ってこられたのでしょうね。
by いっぷく (2012-08-25 04:49) 

いっぷく

カリメロさん、コメントありがとうございます。
そうですね。何かの間違いで、明日はわが身に
なるかもしれませんしね。
by いっぷく (2012-08-25 22:05) 

完全犯罪  証拠隠滅

これで終わりです
福島からくる
烈火ウラン
セシウム 甲状腺がん  ベンゼン ストロンチウム90
放射線 水素 癌病気誘発酸素 雲で
東京人 短命  証拠隠滅
マスごみは犯罪者 市民を守らない
放射線 マスごみは網走刑務所に
by 完全犯罪  証拠隠滅 (2012-12-30 01:21) 

sinnzyuku

大久保 歌舞伎町 錦糸町
都内にも死刑首たくさん
歩いてます
浅草  足立は網走刑務所受刑者だらけです

by sinnzyuku (2012-12-30 01:24) 

yokomi

今頃見ていました。
by yokomi (2023-06-03 18:20) 

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