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「謎の治療師」に関わった美空ひばり、高峰三枝子 [芸能]

「謎の治療師」に関わったことで、芸能界を代表する二大スターが結果的に命を失った。「二大スター」とは、演技のできる歌手・美空ひばりと、歌える女優・高峰三枝子である。昭和の芸能史を語る上で欠くべからざるビッグネームだが、その人達が関わった「謎の治療師」とはいったい誰なのかを明らかにしよう。


戦後史上、心霊治療や代替療法など、通常の病院における治療以外の治療によってしばしばトラブルが生じるが、この事件もその関連といっていいだろう。美空ひばり、高峰三枝子という戦後芸能誌に残る大スターの「死」に関わる事件である。

1991年5月31日、「毎日新聞」東京夕刊に、「芳村真理さん、慰謝料求め文書を訴える『謎の治療師』の記事で名誉毀損」という記事が出た。

週刊文春の「謎の治療師」の記事で名誉を傷つけられたと、芳村真理が文芸春秋に1億円の慰謝料などを求める訴えを東京地裁に起こしたという内容だ。

訴状によると、「週刊文春」(5月23日号)で、「謎の治療師」を取り上げたテレビ番組の担当者らに、芳村真理が「番組を中止するよう圧力をかけた」と掲載したことが事実に反するとした。

「謎の治療師」とは、かつて美空ひばり、高峰三枝子を「治療」し、その死期を早めたのではないかと疑問視されたハワード・ヤングである。

まずは、このハワード・ヤングが、なぜ「謎の治療師」といわれるようになったか、その簡単な経緯を書こう。

ハワード・ヤングの治療内容は、玄米おにぎりプラス特製茶による食事療法と腸のマッサージだった。おにぎりといってもその大きさはゴルフボール大で、1日に食べる量は1個か2個である。さらに特製茶には下剤として用いられるセンナが使用されており、飲むと数時間後には下痢を起こすというものだ。(『週刊文春』1990年8月16、23日合併号)

1987年に両側大腿骨骨頭壊死と慢性肝炎で入院、退院後自宅療養を続けていた美空ひばりは、「どんな病気でも完全に治せる」というハワード・ヤングの言葉に、半信半疑ながらもこの絶食療法とも言える治療を取り入れる。

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ところが、いったん60パーセントまで回復した肝臓の機能が10パーセント以下にまで悪化、再入院し医師団の治療を受けるが、89年6月24日に死去している。

90年5月27日、脳こうそくで急逝した高峰三枝子も、ハワード・ヤングの治療を受けていた1人だ。外出する時でも必ず再製茶をポットに入れて持ち歩いていたと言われる。

美空ひばり、高峰三枝子の死からまもなく、ハワード・ヤングは 「謎の治療師」としてワイドショーなどで取り上げられるようになる。

『週刊文春』でも「謎の治療師ハワード・ヤングの正体」追及キャンペーンを90年8月にスタート。ハワード・ヤングの無資格治療、無許可でのセンナの輸入・販売という薬事法違反、経歴詐称などを明らかにしていった。

世間も、美空ひばり、高峰三枝子の死から、がぜん、この問題に関心を持ち始めた。(明日に続く)
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すもも

大病すると正常な判断が出来なくなるということですよね。
by すもも (2012-05-21 19:57) 

いっぷく

そうですね
by いっぷく (2015-11-24 00:01) 

引用・利用は御自由に

性善説というお花畑である日本に朝鮮人が入り込んで、日本人を騙し放題という事ですな
by 引用・利用は御自由に (2016-03-21 23:44) 

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