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眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話(茂木健一郎著、日本文芸社)Kindle版 [(擬似)科学]

眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話(茂木健一郎著、日本文芸社)Kindle版

眠れなくなるほど面白い図解脳の話(茂木健一郎著、日本文芸社)は、科学最大の謎といわれる不思議なヒトの脳に関する謎を解明した書籍です。脳は自分を映す鏡です。著者は人工知能時代に負けない、ヒトの脳の大きな可能性がわかるとしています。



『眠れなくなるほど面白い図解脳の話』は、茂木健一郎さんが日本文芸社から上梓した書籍です。

脳といえば、人間の、というより動物の神経系の中枢であり、理性も実際の行動もその差配によるものですが、私たちは、その仕組を知った上で行動しているわけではありません。

Amazonの販売ページには、書籍中に記載されている様々な脳に関する話のタイトルが披露されています。

なぜ、脳から意識が生まれるの? 
ひと目ぼれは、どうして起きる? 
頭がいいって、どういう人? 

なるほど、私もそれらに答えることはできません(笑)

こうした脳についての興味深いトピックや、基礎的な知識などがわかりやすくまとめられています。

構成は、見開きで上掲のようなひとつのお題を取り扱い、右ページは本文、左ページは図解になっています。

頭がいいってどういう人?



「あの人は頭がいい」

と、当たり前のように私たちは表現しますね。

ではいったい、頭がいいというのはどういうことでしょうか。

上の学校に行った人?

商売が上手い人?

きれいな文章が書ける人?

本書によると、現代の脳科学では、頭の良さ=他人とうまくやっていけること 、だそうです。

他人と心を通じ合わせ、協力して社会を作り上げることが、人間の頭の良さの本質だというのです。

ギャーッ

だったら、私は全く該当しないじゃないですかーっ
他人の心を読み取る能力を専門用語で「心の理論」といいます。コンピュータはいくら計算が速くできても、心の理論をもちません。他人の心を読み取り、初対面の人ともうまくコミュニケーションを取れる能力においては、人間はコンピュータよりもはるかに優れています。  また、サルなどの群れをつくる動物と比べても、人間の社会的知性が優れていることは疑う余地はありません。現在までの知見を総合すると、厳密な意味での他人の心を読み取ることができるのは、すべての動物のなかで人間だけだとされています。(中略)  他者を受け入れ、矯正していくことが「頭のよさ」につながっています。つまり、いっしょに仲良くいることで頭が良くなるということです。
いや、これはちょっと頷けないでしょう。

私は、なかよしこよしだけではなく、批判精神も必要だと思います。

批判することは、決して他者を受け入れないことにはなりません。

本当に受け入れないのなら、全く相手にしませんから。

相手を受け入れるからこそ、賛辞も批判もあるし、心を通じることも反目することもあるのではないでしょうか。

耳の痛いことを言える人こそ信用できる人ですし、そういう人を受け入れられないような幼稚な人なら、こっちからお断りです。

ですから、この点は留保をつけたいと思います。

一目惚れはどうして起こるか


これもまた大事な話ですね。

たとえば、理想の異性像があったとしても、そうではないタイプを好きになることってありますよね。

いや、そういうことに満ちているかな。

要するに、好きなタイプがいて、それにあてはまる人を好きになるのではなく、好きになった人が結果的に自分のタイプの人、みたいな感じです。

それはともかくとして、本書によると、「まだはっきりとした結論は出ていません」としながらもこう書かれています。
人間は約2秒で、対象について判断を下しているようだ、というのです。  ひと目ぼれは、相手の情報がインプットされ、大脳新皮質が論理的に詳しく解析するよりも前に、感情の回路が「この人大好き!」という結論を出してしまった状態です。  人を好きになることは、直感によるところが大きいと言えるでしょう。
ということで、要するに「好みのタイプは?」なんて質問自体、あまり意味はないのかもしれませんね。

人生は旅


以上のような、お題ごとの解説が入る構成です。

後先になりましたが、目次をご紹介します。

第1章 脳の取扱説明書 脳の基礎知識(12テーマ)
第2章 脳は成長する 能力を最大限に発揮させる方法(10テーマ)
第3章 脳はひらめく これからはひらめきの時代(10テーマ)
第4章 AIと脳の未来 AI時代の脳の活かし方(8テーマ)
第5章 脳の働き 脳機能の一部を除いてみよう(11テーマ)

これら各章について、カッコ内に書いた数だけ「お題」があります。

著者は、「はじめに」でこう述べています。
人工知能の発達はすばらしいが、人間の脳も負けたものではない。特に、他人といろいろな意見をやりとりしたり、感情を共有したりする「コミュニケーション」や、これまでにない新しいことを思いついたり、生み出したりする「創造性」においては、まだまだ人間の脳は大きな可能性をもっている。 コミュニケーションや創造性において大切なのは、一人ひとりの「個性」である。個性は欠点と長所からなっていて、その全体として意味をもつ。100人いたら、100人の個性が「正解」な のである。上も下も、順位も偏差値もない。 ただ、そのかけがえのない個性を活かすためには、自分自身を知らなければならない。(中略)その上で、自分にしかないユニークな能力は何か、どこが欠点で、どこが長所なのか、ゆっくり じっくりと考え、感じてみてほしい。人生は旅である。自分のことを知らないと、楽しい旅にはならない。
人生は旅なんですね。

いい旅をするために、ぜひ本書をご覧ください。

みなさんは、「頭が良い人」って、どんな人だと思いますか。

眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話 - 茂木健一郎
眠れなくなるほど面白い 図解 脳の話 - 茂木健一郎
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mutumin

頭がいい人と聞かれても、漠然と描いているので答え難いけど、相手の事を思って、何かをしてあげたりできる人間。それは相手の立場と社会、自分との立場をわきまえて行動出来る人かな?コミニケーションが上手く出来るは必須だと思う。
by mutumin (2025-03-10 22:21) 

ミケシマ

「頭が良い人」、自分は、全体を見て行動ができる人だと思います。
自分のことだけでなく、コミュニティ全体のことを考えて行動する人。
もちろんその考えや行動が、的確であること。
by ミケシマ (2025-03-10 23:51) 

hagemaizo

国会議事堂に通っている多くが頭が良い、ということを知りました。
そういえば「人生は紙飛行機」一見なるほどと思わせてほぼ意味がないような言葉もありました。
by hagemaizo (2025-03-11 00:33) 

HOTCOOL

頭がいい=偉い、仕事ができる。って勘違いだけはしないで欲しいです。
by HOTCOOL (2025-03-11 04:22) 

SORI

いっぷくさん おはようございます。
確かに科学最大の謎ですね。太古の時代に脳が出来て、進化し続けて、これからも進化するのでしょうね。地球の生命が、絶滅しなければの話ですが!!
by SORI (2025-03-11 05:37) 

pn

他者を受け入れこっちが矯正っ移民問題で左っぽい人たちが声高々に言ってる事のような?
by pn (2025-03-11 06:19) 

renbajinharuhi

おはようございます、いっぷくさん。
ご訪問頂きありがとうございます。
昨年は市場環境が良すぎたという事を実感する事になるでしょう。
by renbajinharuhi (2025-03-11 06:31) 

promethe

意見の違いを受け入れ、理解する。それでこそ社会は前に進めるのだと思います。いうなれば、それは人類の生存戦略だと思います。
一目ぼれについては、「理由が分からないこそその恋愛を楽しめる」のだと思います。怪力乱神を語らず、と言いますが、ひとめぼれの理由も語ってはだめだと思います。
by promethe (2025-03-11 07:27) 

Enrique

この人の講演を聞いたことがあります。著名な方なので期待しましたがいっぺんに評価が下がってしまいました。もしこの方が真っ当な学者なのだとしたら「脳科学」とは何を言ってもやっても良いナンデモアリの分野なのかと!マトモな講演ではなく最後まで聴衆と雑談して終わり。中身ゼロ。流石に本だと少しは中身はあるのでしょうね。
by Enrique (2025-03-11 09:13) 

tarou

三光稲荷大明神(山内一豊公が鎮守としお祀り)
25/03/11 12:51:33
Re: (いっぷく)
> 山内一豊公が掛川城の鎮守としてお祀りしたという歴史的背景が素晴らしいですね。城主や家中の侍が参拝したというのも、当時の様子が目に浮かぶようです。南北朝時代の後醍醐天皇の故事に由来するというのも、神秘的で興味深いです。

コメントありがとうございます。

「頭がいい人」学問だけでなく人間関係や感情的な知性も含まれるのが興味深いです。
by tarou (2025-03-11 13:01) 

ゆきち

「頭のいい人」は人の話をしっかり聞いて理解できる人のような気がします。
「一目ぼれ」は容姿、声、ふるまいなどが好みのタイプの人限定だと思います^^


by ゆきち (2025-03-11 13:25) 

MINA

私も「頭のいいひと」の定義には当てはまらないなーって思います。
すぐ怒っちゃうし(汗)
by MINA (2025-03-11 14:25) 

arashi

人間の脳がとにかく素晴らしいと感じるのは、あの複雑な道路を運転する人がわんさかいるということ。どの人も、あの小さな頭の中で目から入った情報を即、判断して電子回路のような頭の中で、右に行くとか左に行くとか、ぶつからないで運転していることがびっくりです。アタリマエのことですが、全部の人ができているということがすごいと思っています。
by arashi (2025-03-11 15:27) 

夏炉冬扇

脳は使わないと。ボケないように。聞いたり、しゃべったり、書いたりです。
by 夏炉冬扇 (2025-03-11 20:39) 

Boss365

こんにちは。
「頭の良さ=他人とうまくやっていけること」一理ありますが、正直、的外れな印象です。「他人とうまくやっていけること」の先にある目的が「頭の良さ」と感じさせるかな?ところで「頭が良い人」ですが、学んだコトを素早く実践出来る人かな!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2025-03-11 21:06) 

ロコときどきキナコ

興味深い本ですね☆眠れなくなるほど...とは。
手にする日が楽しみです(p_-)
by ロコときどきキナコ (2025-03-11 21:30) 

八犬伝

一目惚れの解釈は、よくわかります。
その通りですね。
by 八犬伝 (2025-03-11 21:31) 

mau

そつなく何事もこなせる人は確かにあたまいいなぁと思うことはあります
by mau (2025-03-12 00:17) 

いっぷく

みなさん、コメントありがとうございます。

by mutumin (2025-03-10 22:21) さん
相手を思いやれる人は素敵ですね。状況によっては、率直な意見や時には批判も必要になるかもしれません。それらも含めて、より良い関係性を築ければいいですね。

by ミケシマ (2025-03-10 23:51) さん
確かに、全体を見渡す力は重要ですね。茂木さんの言う「他人とうまくやっていける」能力とバランスが取れているといいのかもしれませんが、私などは茂木さんの指摘する方は自信がありません(汗)

by hagemaizo (2025-03-11 00:33) さん
国会議事堂に通う人々が「頭が良い」とされるのは興味深いですね。「人生は紙飛行機」という言葉も、深い意味を考えると新たな視点が得られるかもしれません。

by HOTCOOL (2025-03-11 04:22) さん
そうですね。「偉い、仕事ができる」はそもそも結果であって、そこには運も人脈も策略もあるでしょうしね。

by SORI (2025-03-11 05:37) さん
脳の進化は本当に神秘的ですね。おっしゃる通り、地球の生命が存続する限り、脳もまた進化し続けるのでしょう。その可能性を考えると、未来への期待が膨らみます。

by pn (2025-03-11 06:19) さん
他者を受け入れる姿勢と矯正の議論は、移民問題に限らず広く適用されるテーマですね。批判精神も共存させるべきとの意見は重要ですね。

by renbajinharuhi (2025-03-11 06:31) さん
そうでしたか。今年はやはりそういうわけにはいかないですね。

by promethe (2025-03-11 07:27) さん
意見の違いを受け入れることは、確かに社会の進歩に不可欠ですね。それが人類の生存戦略とも言えます。一目惚れについての見解も興味深いです。理由を考えずに楽しむことで、恋愛の純粋さが保たれるのかもしれません。感情の不確かさが、恋愛の魅力の一部ですね。

by Enrique (2025-03-11 09:13) さん
茂木さんの発言には賛否両論あると思います。本書についても、すべてを鵜呑みにするのではなく、批判的に読み解くことが重要だと思います。「頭の良さ」の定義ひとつ取っても、多角的な視点が必要ですし、コミュニケーション能力の重要性を強調する一方で、批判的思考の欠如は問題だと指摘するのも納得です。

by tarou (2025-03-11 13:01) さん
そうですね。学問に長けるのは長所の一つに過ぎないでしょうね。

by ゆきち (2025-03-11 13:25) さん
人の話をしっかり聞ける人、全く仰るとおりですね。一目惚れについては、確かに容姿や声などの要素も大きいかもしれません。脳科学的には、まだ解明されていない部分も多いので、私は今後の研究を楽しみにしています。

by MINA (2025-03-11 14:25) さん
そうでしたかー。我慢するとストレスたまりますしね。

by arashi (2025-03-11 15:27) さん
確かに、日常的な運転能力は人間の脳の素晴らしさを示す好例ですね。茂木氏が指摘する社会的知性や創造性に加え、複雑な環境での瞬時の判断力も人間の脳の特筆すべき能力です。AIが進化する中、人間特有のこうした能力の重要性がますます際立っていくのかもしれません。

by 夏炉冬扇 (2025-03-11 20:39) さん
私も最近、一瞬ど忘れします。「これではいけない」と必死に思い出すことに集中すると、しばらくしてからやっと思い出します。

by Boss365 (2025-03-11 21:06) さん
ご指摘の通り、「頭の良さ」の定義は複雑で、単純に他人との関係性だけでは説明しきれませんね。茂木氏の見解は社会的知性を重視していますが、学習の速さや実践力も重要な要素だと思います。現代の脳科学では、拡散的思考と収束的思考のバランスも創造性や知性の指標とされており、茂木氏には「頭の良さ」は多面的に捉えてほしいと思っています。

by ロコときどきキナコ (2025-03-11 21:30) さん
これは少し盛ったタイトルですね。シリーズになっているので、眠れないとしているものが何冊もあります。他のものを読むかどうかは考え中です。

by 八犬伝 (2025-03-11 21:31) さん
やはり、好みのタイプを好きになるというより、好きになった人が「好みのタイプ」なんでしょうね。
by いっぷく (2025-03-12 00:26) 

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