「老害の人」にならないコツ(平松類著、アスコム)いやそれ以前に…… [社会]

「老害の人」にならないコツ(平松類著、アスコム)は、「老害」と称する「心の癖」を解決するための方法を提案している書籍です。しかし、そもそも「老害」ってなんでしょうか。若ければ無問題なのでしょうか。この記事ではそのへんも考えていきます。

Amazon販売ページから、本書の概要を引用します。
以下が、「老害」の特徴だそうです。
◎ついつい「いや」と答えることがある
→ とにかく否定から入ってしまいがち
◎気がつくと自分の話をしている。人の話を聞くのが苦手
→ 自分自身のことや自慢話が好き
◎いつの間にか大声になっていることがある。なんでもないことにイラつく
→ 性格的にカッとしやすい
◎人からほめられるとうれしくなる
→ 自己肯定感が低く心をこじらせぎみ
どれかに心当たりがあれば、いまは老害でなかったとしても、いずれ「老害の人」になる可能性が大きいです。
老害だと思っていないあなたが、すでに老害かもしれません!
でも、ちょっとした「コツ」で「幸せな老人」になることはできます。
ぜひ、本書を読んでください。
とのことです。
「老害」というのは、その人元来の性格がもたらす「心の癖」だそうです。
「心の癖」とは、怒りやすい人とか神経質な人とか、そういう生まれつき備わっている行動特性のことだといいます。
そう書いてはあるのですが、うーん、私は本書のこの説明について、素直に心に落ちなかったです。
書かれていることは、確かに好ましくないことかもしれませんが、「元来の性格」や「心の癖」というのは、何も高齢者でなくてもあり得ることですよね。
すぐ怒るとか、「いや」と否定して話に水を差すとか、自己愛の強いやつとか、心をこじらせたやつとか、そういうイタイ奴は、20代でも30代でもいますよね。
にもかかわらず、「若害」とはいわないですよね。
高齢者のそれだけを「老害」というのはどうなんでしょう。
それは、高齢者を邪魔者とするための、口実的なレッテルになっていないでしょうか。
「年寄は老害だから嫌われても仕方ないんだよな」とかね。
本書に書かれていることは、年齢を問わず人として気をつけましょう、ということで、むしろ安易に「老害」という言葉を独り歩きさせることに対して、私は強い懸念を示しています。
他者の「害」と向き合うから自分が変われる
なぜ、今回この話題にしたかというと、あるサイトで、「老害」を取り沙汰しておられたんです。
その記事自体は、「自分がそうならないようにしよう」という決意表明であり、それについては何ひとつ留保をつけることはありませんでした。
ところが、そのコメントのひとつに、(老害の人は)「いなくなってほしい」という旨のことが書かれていたので、それが大変気になりました。
まさに、自分に都合の悪い年寄は消えてくれ、または消えるべきだという発想です。
私はさっき「イタい人」と書いたけど、「(老害の人が)いなくなってほしい」とは思わないし、少なくとも公然と言ったり書いたりはしません。
人格疑われるし。
だったら、そういう「老害」の人に全部「いなくなって」もらったとして、その人はいったいどういう人に囲まれて暮らしたいのか。
自分にとって、都合の良い人ばかりに囲まれて暮らしたいと思ってるなら、そりゃちょっと気持ち悪いでしょう。
「老害」と呼ぶべき欠点かどうかはともかく、人間なんて、みんな何かしら欠点があったり、相性が悪かったりするもんです。
お互いがそう思ってるんですよ。
でもね、他人は変えられない。
さすれば、自分が変わるしかない。
何を言いたいかというと、世の中いろいろな人がいますが、その人たちと関わることによって、自分自身の人間的な「学習」とか「成長」などがあるのではないでしょうか。
つまり、性格が合わないとか、足を引っ張りたがるとか、そういう一見自分の前に立ちふさがって、生きづらくさせている人たちこそが、実は自分を成長させてくれているんですよ。
それをさ、「老害は4んでくれ」「アタシに優しい人だけがいてくれればいい」なんて考えて、もし本当にそうなったら、その人は何も成長しないでしょう。
「老害」呼ばわりは他責思考ではないのか
以前もご紹介しましたが、和田秀樹チャンネルでは、今回のフジテレビの問題でも「老害」を原因とすることを批判しています。
日枝相談役は50代から権力を握っており、別に80代になってから突然変わったわけではない。
なのに、なんで「老害」なのか。
高齢なことが問題なのではなく、歳はいくつだろうが、問題ある人に長く権力を握らせ、適切に処遇(更迭)できないことが問題ではないのか。
つまり、「老害」と、他者をなじるだけで、その体制を変えようと何も努力しない奴が本当の問題だと言っています。
他者への「老害」呼ばわりは、他責思考のそしりを免れない、という話です。
ま、それはそれとして、ご自身の「老害」が気になり、それを直したいと思われる方は、ぜひ本書をご覧ください。
「老害」。気になりますか。

「老害の人」にならないコツ - 平松 類
これは僕のための本に違いない。
今は買えないので、表紙をデスクトップに残して、図書館かブックオフで買いましょう。
by hagemaizo (2025-02-25 22:12)
湯西川温泉(かまくら祭り)日本夜景遺産 栃木
25/02/25 22:32:30
Re:(いっぷく)
> 美しい画像と簡潔な文章で、幻想的な雰囲気を体感することができます。 アクセス方法や周辺の観光情報などはいかがでしょうか。
コメントありがとうございます。
詳細は、リンクのパンフレットが良く分かるかと思ってます。
「老害」特定の年齢層を一括りにすることで、不必要な偏見や差別を招くことがあります。むしろ、年齢に関わらず、お互いを尊重し、思いやりを持って接することが大切です。
by tarou (2025-02-25 22:43)
老害ですか。最近耳にしますが、何のことやらって感じですね。
当てはまるのは、[→ 性格的にカッとしやすい]かな。
性格は、老いて備わったものではなくて、子供の頃から備わってるものですね。ですから、そう大して変わりはないです。
人にどう思われようと気にしません。友人は少ないですが、竹馬の友と刎頚の友が5人居れば、充分です。
by 風神 (2025-02-25 23:20)
老害という言葉自体はもちろん知っていますが、具体的にどういうことなのか、説明はできません。
ですから、自分で使うこともないですし、いま「rougai」とキーを打ったら「ロウがい」と変換されるほど、文字でも使ったことがありません。
和田秀樹さんの解説、面白いですね。
この方の、脳を老いさせないという内容の本を読みました。
今でも意識して実践しています(*^^*)
高齢者の交通事故の原因が、高齢のせいばかりではなかった(薬物の影響もおおいにある)、という解説には驚きました。
老害という言葉はいつ生まれたんだろう。
メディアが自分たちに都合のいいように作った言葉なのかな。
by ミケシマ (2025-02-26 00:22)
老害と言われないように、気をつけますね。
by たいちさん (2025-02-26 00:25)
こういうのを読む人は多分周りからは老害って言われない
by mau (2025-02-26 01:06)
老害が大嫌いでしたが、気がつけば自分が老害の元凶になってました。
by とし@黒猫 (2025-02-26 01:38)
知らず知らずのうちに老害になってそう。
by HOTCOOL (2025-02-26 06:22)
五十肩を四十肩と言うように歳関係無く特徴四点に当てはまる人を老害と呼ぶようにすればいいんだよ、雑すぎるカテゴライズかそりゃf^_^;
by pn (2025-02-26 06:23)
いっぷくさん おはようございます。
老害の人になりたくないものです。でも気にしすぎて委縮してしまわないことも大切なような気がします。
by SORI (2025-02-26 07:50)
私も老害の部分をどこかに持っている気はします。だけど、老害にならないために若者に媚びるのは嫌ですね。きちんとお互いに認め合える世の中になって欲しいですよね。
by mutumin (2025-02-26 10:20)
褒められると素直に嬉しいですけれどダメなのかな^^;
年齢にかかわらず、人の話を聞かずスグに声を荒らげる、ではコミュニケーションをとるのが難しそうです。
by ゆきち (2025-02-26 11:55)
高齢になると、それまでの性格に捻りがかかったようになる、事が多いのは、長い介護経験で実感してます。
でも、年取って丸くなったり、他に意外な変化が起きる面も、相当歳いっても、ありますよ~。
自戒する人はいいけれど、世代対立みたいな方向へ行くのはちょっと、と思いますね。
by sana (2025-02-26 15:40)
「老害」の特徴はまだ大丈夫ですがこれから先が心配です
気が付かないうちに自分が変わっていくと言う事はあるのかな?
若い人が犯した罪、事故はサラッ流し、老人のものは追及する。
全年齢を対象とした全体的なデータが欲しいです
頑固になり自分は正しいので変えようとしないのが老人でしょう
by ムサシママ (2025-02-26 15:41)
自分が高齢者なので「老害」って言うのは凄く気になります。
「ならないコツ」? コツって...逆に疑問。
「老害」=「迷惑は最小限」 出来たらいいですが。
by 馬場 (2025-02-26 15:53)
>人たちと関わることによって、自分自身の人間的な「学習」とか「成長」などがあるのではないでしょうか。
仰る通りです。
性格を変えるのは難しいですが、私も人の悪口は言わないように気を付けています。
by tochimochi (2025-02-26 16:27)
三つ子の魂百までといいますから。
by 夏炉冬扇 (2025-02-26 18:57)
身体の鋭敏さが無くなり鈍くなっては来ていますが、心持ちは穏やかなばぁさんやってますね今のところは、ははは...
by ロコときどきキナコ (2025-02-26 20:26)
老害ですか。
あまり人にレッテルを張ることは好きではありませんので、普段考えることはないですね。「害」というからには何らかの実害がなくてはいけませんが、実際にどのような害があったのか?
ただ、個人的に「老害」と思った人はいます。T原S一郎さん。害を受けたというより、哀れに感じました。かつては朝生で多くの論者を仕切っておられたのに、「うるさい!バカヤロー!」じゃあね…。若い時の功績が吹っ飛んでしまいます。きっと彼は引くべき時を知らなかったのだと思います。
昔は「隠居」というものがあり、また、「好々爺」という言葉もあったんですが、最近トンと聞かない言葉です。
by promethe (2025-02-26 20:53)
仰る通り「人は変えられないけれど自分は変えられる。」ですね、自らの意見や思想を押し付けるのではなく自分と違った考えの方も居ると許容出来ないといけませんね。
あとは会社と言う小さな世界でしか通用しない「役職」がプライドを上げているのも要因でしょうか…確かに苦労して獲得されたものかもしれませんが会社以外では通用しないものと認識すべきなのかもしれませんね。
by アコモ (2025-02-27 05:53)
いっぷく さまの解説に共感しました
by ねこさん (2025-03-01 19:19)