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発達障害などで通級指導の子ども過去最多の現実 [発達障害]

発達障害などで通級指導

発達障害などで、通級指導の子どもの数が過去最多になった、ということが話題です。発達障害児が増えたという受け止め方だと思いますが、それは医学の発達と社会の認知に伴い、障がい児の認定が増えたということではないでしょうか。

今日のお題のもととなるまとめサイトです。

発達障害などで通級指導の子ども過去最多

まず「通級指導」ってご存じですか。

通常の学級に在籍しながら、個別的な特別支援教育を別の教室で受けるものです。

文部科学省の調べでは、通級指導を受けている子どもは去年5月1日の時点で9万270人。

前の年度より6520人増え、これまでで最も多くなったという報道です。

少子化なのに発達障害児が増えるんだな」と不思議がる書き込みもありました。

ひとつは、それだけ発達障害の診断が細かくなされるようになってきたのだと思います。

もうひとつは、私の見解ですが、学校現場にも効率主義があると思います。

要するに、はみ出している生徒の選別と受け皿です。

以前はただ落ちこぼしたり問題児扱いしたりして持て余してきたのが、今はそういう医学的なお墨付きを得た受け皿が出来たということでしょう。

障がいに応じた指導を受けること自体は否定するものではありませんが、その数が多くなることで、きめ細かい指導ができなくなる問題はあると思います。

そもそも発達障害児は、「通級」ではなく、「特別支援学級」(私の世代では特殊学級といいました)の在籍自体が増えています。

以前書きましたが、私の長男の出身小学校は、通常学級が2クラスで、特別支援学級が4クラスありました。

もちろん、1クラスの児童数は違いますけどね。

そして、特別支援学級以外に特別支援学校(昔は養護学校と言っていました)もあります。

特別支援学級から通常学級(+通級指導)への移行、あるいはその逆はあり得ますが、特別支援学校になってしまうと、通常学級への移行はほぼ不可能といわれます。

特別支援学校の高等部は、高等学校の卒業資格を認められていません。

つまり、いったん特別支援学校に入ってしまうと、高校卒業の資格のないまま、障害児枠の就職だけを頼りにした限られた選択肢の人生を歩まされます。

でも、私はそれはおかしいだろうと思います。

だって、小学校に入るときに、ちょこちょこっと考査して決めるだけなんですよ。

特別支援学校というと、支援学級のさらに「深刻」なものだから、さぞ「深刻」な生徒児童なんだろうと思われるでしょうが、必ずしもそんなことはないんです。

たんなる、あえて単なると書きましたが、発達の凸凹があるというだけですから、たとえば高等部の生徒は、普通の高校の生徒と普段の生活ではそうかわるところはありません

たとえば、普通の高校と同じように、アベックの男女生徒が下校する姿を目撃することがあります。

その校門から出てきたところを見なければ、普通の高校の生徒だと思うでしょう。

男子校出身の私は、自分の青春時代を思い出して、羨ましいなあと思います。

にもかかわらず、その将来には雲泥の差がある。

そういう根本的な矛盾というか、仕組みをもっと自由にすべきだと思います。

つまり、通常学級、特別支援学級、特別支援学校間の移行を、もっと開かれたものにすべきだ、ということです。

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支援学級のない学校はベストなのか


現在も各地で公開されている『みんなの学校』の予告編がYoutubeにアップされています。

「平成25年度文化庁芸術祭賞大賞」をはじめ、受賞歴も数多い感動の作品ということです。



2014/12/28 に公開
不登校も特別支援学級もない、同じ教室で一緒に学ぶ。ふつうの公立小学校のみんなが笑顔になる挑戦。2月21日(土)よりユーロスペースにて公開、ほか全国順次公開。

ネットの掲示板などを見ると、感動の涙、涙なんですが、失礼ながら、感動が少し安いような気がします。私は少し苦労し過ぎなのかな。

なぜなら、まず、発達障害の本当に深刻な人は、ここには含まれていないから。

発達障害児で本当に深刻なのは、支援学級ではなく、支援学校の生徒・児童なのです。

それと、この映画について、Youtubeでは「キレイ事」と唾棄するコメントがついています。

そのコメント、全く評価に値しない中傷なのでしょうか。

この映画が感動されたからといって、では「支援学級廃止」「全員普通学級」ということにはならないと思いますが、支援学級の昨今の「ニーズ」を考えると、伊達や酔狂で支援学級があるわけではないと思うので、「みんな一緒」がベストといえるのかどうか……。

「一緒」ではなく、通常級と支援級と支援学校の連携ができる方が合理的であると私は考えます。

日本人は熱しやすくて冷めやすいから、すぐ感動して、またすぐ忘れる(笑)のだけれど、私は感動よりもその点が気がかりでなりません。

映画作品としての感動に留めるのではなくて、この学校について、教育関係者とか、発達障害の親権者の意見をもっと聞いてみたい気がしました。

「みんなの学校」が教えてくれたこと: 学び合いと育ち合いを見届けた3290日 (教育単行本)

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  • 作者: 木村 泰子
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  • メディア: 単行本


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