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『ザ・ハングマン』林隆三、黒沢年男、植木等、あべ静江、山村聰 [懐かし映画・ドラマ]

ザ・ハングマンタイトル

『ザ・ハングマン 燃える事件簿』(1980年11月14日~1981年11月6日、松竹芸能/朝日放送)の第1巻を観ました。『ザ・ハングマン2』(全28話)が、現在チャンネルNECOで放送中ですが、本作は全部で7シリーズ続いたハングマンシリーズの第1弾です。このシリーズだけ「燃える事件簿」とサブタイトルがついています。



朝日放送といえば、藤田まこと演じる中村主水でお馴染みの“必殺シリーズ”がありますが、その現代劇が、この『ザ・ハングマン』シリーズです。

ただし、“必殺シリーズ”の場合には依頼者が明らかですが、『ザ・ハングマン』は依頼者も金主も出てきません。

それから、現代劇だけに、どんな凶悪事件でも殺しは厳禁

法の網の目を逃れ暗躍する悪人連中に、公然と自白させることをゴールとしています。

たとえば、ハングマンたちはマイクとスピーカーを仕掛けた車に悪人たち詰め込み、車には時限爆弾が仕掛けられているかのようにほのめかし、事件の真相を話すよう求めます。

最初は知らんぷりしている悪人たちも、カチカチという音で焦り、仲間割れを起こして事件についてぶちまけ合います。

スピーカーを通して話は表に筒抜けのため、そこを通ったパトカーにお縄になるという結末です。

自白だけで大丈夫かね(証拠は?)などというツッコミをいちいちする必要はありません。

殺しを一切行わない勧善懲悪を楽しむドラマなのです。

ただ、7シリーズ続けただけに、飽きられないように、回数を重ねるごとにコミカルなキャラクターや設定が増えてきた感があり、私個人は、やはり本作の最初の『ザ・ハングマン』が、シリアスでよかったかなと思います。

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ハングマンの手続きは戸籍の抹消と「美容整形」


ハングマン

ハングマンたちをスカウトし、事件を伝えて指揮をとるのがゴッド(山村聰)。

第1回は、ハングマンのメンバーをスカウトするところから始まります。

報酬は年俸3000万円。ただし、命の保証はなし

初期のハングマンたちは、元警察関係者(主に刑事)ですが、腕は良いのに、事情があって職場に居づらかったり、お金に困っていたりする人々です。

いずれも戸籍から消える、すなわち偽装の死亡をしてから、指紋を消し、整形手術を施します。

といっても、整形の方は、傷やアザを消すだけなので、よく考えるとたんなる美容整形なのがくすっと笑えます。

死亡は殉職という形を取ります。

本当にやられたら本当に死んでしまうので、刺したり撃ったりする側は先輩ハングマンです。

ハングマン第1号は、ドラゴンこと竜清康(ディオン・ラム)。

香港の警察でしくじりをした設定です。

彼が、バイクこと堂門吾郎(加瀬慎一)を撃ち、殉職したことにします。

ベニーこと浅見令子(あべ静江)は、婦人警官でしたが、手形詐欺で追われて自殺した恋人(本郷直樹)の後を追うつもりが、ゴッド(山村聰)から直接スカウトされます。

パンこと辻雄太郎(植木等)は、人情派で落としが巧い刑事でしたが、自腹で服役者の家族を援助して借金が膨れ上がり、借金返済と残された家族がパン屋を開く資金を、提供してもらうことを条件に「殉職」します。

マイトこと日下部孝介(黒沢年男)は、妻と息子を殺されたために悪に対する憎しみが強すぎて、刑事が勤まらなくなりハングマンへ。

そして、しんがりはブラックこと都築俊也(林隆三)。妹が交通事故で植物症になったため、治療費を出してもらうことを条件にハングマン入りします。

初期は、この林隆三が主人公のような作り方でした。

ところが、シリーズ途中で亡くなってしまいます(後任は名高達郎)。

中心人物が亡くなってしまったら、普通は物語を続行出来ないはずですが、それだけヤバくてはかない仕事なのだ、ということを表現するために、最初から林隆三は途中で消える予定だったのかもしれません。

放送当時(毎週金曜21時)は、シリアスさと、多少のユーモアがある本作を観て、やっと週末が来たなあと実感していたことを思い出しました。

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