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『たんとんとん』放送開始、CSもBSも昭和ドラマ編成が活発に [懐かし映画・ドラマ]

たんとんとん

『たんとんとん』(1971年6月1日~1971年11月30日、TBS)という昭和のドラマが、来る14日からホームドラマチャンネルで放送されます。当時、高視聴率が約束された「木下恵介アワー」というi人気ホームドラマの枠です。BS12で放送されている昭和のドラマも好評といいますし、各局とも積極的に昔の名作を放送することが期待されます。(上の画像はホームドラマチャンネルから)



『たんとんとん』は、高校生の息子(森田健作)と、母親(ミヤコ蝶々)との暮らしと周囲の人との関わりが、26回(半年間)にわたって描かれています。

大工だった父親が亡くなったため、森田健作は進学を諦め、父親の弟子だった杉浦直樹に仕事を教わり、大工として成長していく設定です。

「木下恵介アワー」という、松竹が制作していた放送枠で、30分ドラマです。

この時間帯は、第一弾で『おやじ太鼓』という、カミナリ親父を演じた進藤英太郎主演のドラマがヒット。

以後も、あおい輝彦が歌と芝居を両立させるきっかけとなった『二人の世界』や、子どもを取り違えた『わが子は他人』など、人気ドラマが作られてきました。

是枝裕和監督の『そして父になる』(2013年)が注目されていましたが、木下恵介アワーの『わが子は他人』は、もっとずっと前に映像化されているのです。

そして、その松竹で当時売出中だった俳優が、森田健作です。

森田健作が、『おれは男だ!』という青春学園ドラマの放送とともに人気者になったのが1971年2月。

田坂都さん一周忌に『おれは男だ!』を思い出す

おれは男だ!.jpg

『おれは男だ!』は、1年間続きましたから、この『たんとんとん』は時期的に放送期間が重なっています。

つまり、森田健作は、『おれは男だ!』と『たんとんとん』の撮影を掛け持ちで行っていたことになります。

ロケが多く拘束時間の長いテレビ映画の主役を演じながら、別のレギュラードラマで重要な役を掛け持ちするのはスケジュール的に大変ではないかと思います。

専属契約していた松竹は映画にも出演し、その他に歌も歌っていたのだから、『おれは男だ!』による“小林くん人気”がそれほど凄まじかったのでしょうね。

森田健作は、大田区矢口の出身。

政治的には別に支持はしていませんでしたが(笑)、「正義が勝つのは時間がかかる」という名言だけは心にストンと落ちました。

一言にホームドラマと言っても、当時はいろいろなドラマがありましたが、木下恵介監督による松竹ホームドラマは、親子・家族・近所の人々とのつながり方から、昭和の暮らしを思い出させてくれると思います。

14日からの放送を楽しみにしています。

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昭和のドラマがなぜ「再評価」されているのか


映画ジャーナリストの大高宏雄氏が、『日刊ゲンダイ』で連載している「エンタメ最前線」(3月7日付)に、BSの名作テレビドラマの放送が人気になっていることが書かれています。

『日刊ゲンダイ』で連載している「エンタメ最前線」(3月7日付)

とくに好評だったのが、BS12で放送している渥美清主演の『泣いてたまるか』で、

『泣いてたまるか』渥美清演じる不器用な男の泣き笑い人情ドラマ

放送が終了した『女と味噌汁』や、放送中の『ありがとう』も話題になっていると書かれています。

私のブログで、『ありがとう』について書いた記事の閲覧数が最近伸びているので、どうしたのかなと思っていましたが、原因はこれだったんですね。

『ありがとう』第2シリーズ、3部のうち視聴率が最も高かった理由

大高宏雄氏は、昭和ドラマの「再評価」について、「今では見かけることもなくなった、過ぎ去った日々の温かくも人情味あふれる人間模様が、逆に新鮮ということもあるかもしれない」と分析しています。

私は、先日、『あばれはっちゃく』のときにも書きましたが、

『俺は男だ!あばれはっちゃく』と『男三人!あばれはっちゃく』

今のドラマは、テンポが早すぎて、メリハリもなく、じっくり堪能もできないのです。

昭和の、半年や1年かけたドラマは、ときにはダレ場といって、ストーリーの進展もない、箸休めのような話が入ります。

しかし、視聴者は、ストーリーの流れからいったん離れることで、あらためて、そのドラマのストーリーやキャラクターが、じわっと心に染み込む時となるのです。

当時を知っている人だけでなく、初めて「昭和のドラマ」を観る人にとっても、その心地よさは意識・無意識にかかわらず感じられているのではないかと思います。

BS12は無料ですし、CSも、たくさんのチャンネルのパックで安価なサービスとなっていますので、ぜひ多くの方に観ていただきたいですね。

テレビ・トラベラー: 昭和・平成テレビドラマ批評大全

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  • 作者: 樋口尚文
  • 出版社/メーカー: 国書刊行会
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