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『特命係長 只野仁』ドラマが原作に先行!?高橋克典、梅宮辰夫 [懐かし映画・ドラマ]

特命係長 只野仁

『特命係長 只野仁』(2003年7月4日~9月19日、テレビ朝日)の第1話、第2話(いずれもDVD第1巻)を観ました。12月15日は、『只野仁』を演じた高橋克典の誕生日です。本作は原作漫画のドラマ化ですが、ドラマが原作の設定に先行する設定もあるめずらしいパターンの作品です。(画像は劇中より)



柳沢きみおによる『特命係長 只野仁』の連載が、『週刊現代』で始まったのは1998年。

連載当初は大学新卒だった只野仁も、2015年、遅くとも2016年には40歳を迎えることになります。

就職するアテもなかった只野仁は、社員の不祥事で恐喝されていた電王堂の黒川社長(後に会長)を偶然助けたことで、電王堂に就職することになります。

電王堂とは、電通プラス博報堂のもじりである、就職最難関の広告代理店。

体育大学でケンカの強い只野仁が採用されたのは、大企業ならではの、表沙汰にできない事件を、時には体を張って解決するための事件特命社員としてです。

ただし、社内では、決して自分の役目を明かしてはなりません。

担当部署は、一番目立たず、早退や中抜け、欠勤しても影響のない総務二課に配属されます。

そして、仕事が発生した時のみ、社長(後に会長)から連絡があります。

昼の顔はダメ社員、

特命係長 只野仁

夜の顔はできる特命社員と、

特命係長 只野仁

2つの顔を持つ男というわけです。

事件解決のために、かぎを握る女性との御伽シーンは原作、漫画ともお約束です。

何しろ原作では、特命の研修として、ついた女性の師匠に、実地で女性のイカせ方を教わるシーンも何度も出てきます。

最初は、只野仁一人で動いていましたが、ドラマで、社内メールボーイの森脇(永井大)が“もうひとりの特命社員”として働くことに設定されており、原作ではそれを採り入れ、2007年以来現在も連載中である『日刊ゲンダイ』中の『特命係長 只野仁 ファイナル』において、森脇が登場します。

漫画は以前から観ていたのですが、ドラマの高橋克典は、原作のキャラクターを忠実に演じていますね。

事件を解決する、さっそうとした夜の只野仁と、昼間、猫背で気が弱そうにふるまう只野仁の使い分け、メリハリがあって巧いです。

会長役の梅宮辰夫は高橋克典の親類だそうですが、けだし、顎の形や輪郭など、高橋克典はよく見ると梅宮アンナに似てますね。

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「昼の顔」の中で、時々見せる「夜の顔」


第1話は、経理課長・浦木(団時朗)の羽振りが良いので、カネの出所を突き止めてくれという特命です。

浦木は金に困った専務のために、部下・篠崎(尾美としのり)を使って会社の会計を不正に操作。

専務からは引き換えに会社の機密事項をもらい、総会屋に流していました。

原作では、社内の人間には決して自分が特命社員であることを知られてはならないことになっていましたが、篠崎(尾美としのり)には知られてしまいます。

第2話は、原作でもしばしば登場する女子アナ・新水真由子(三浦理恵子)のボディーカードが特命。

広告代理店にとって、テレビ局は株主でもあり、クライアントでもあるので、社内のトラブルだけでなく、取引先の事件も引き受けることがあるわけです。

先輩女子アナの嫉妬で、新水真由子(三浦理恵子)に変質者が差し向けられましたが、只野仁がやっつけて、以来新水真由子(三浦理恵子)との関係が続くという話です。

原作では、新水真由子は「昼の只野仁」を知りませんが、ドラマでは、夜も昼も親しくしています。

第1・2話ともに、「昼の顔」と「夜の顔」をはっきり分けている原作に比べると、ドラマのほうがその境目が緩いのです。

漫画と違い、実写では、全くの別人として描くのは難しいのかもしれませんね。

それでも、原作のイメージを壊す、というほどでもありませんし、メールボーイなど、逆にドラマが原作に先行している面もあります。

原作のファンの方も、ぜひご覧になることをおすすめします。

『特命係長 只野仁』は、ネットのU-NEXTでも視聴できます。

新・特命係長 只野仁 コミック 全20巻完結セット (ぶんか社コミックス)

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  • 作者: 柳沢 きみお
  • 出版社/メーカー: ぶんか社
  • 発売日: 2007/10/25
  • メディア: コミック


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