鈴木宗男元衆院議員(受託収賄などの罪で実刑判決を受けて服役)の仮釈放が話題になっている。鈴木宗男元衆院議員は、新党大地代として9日夕、衆院議員会館で民主党の小沢一郎元代表と約30分間会談。消費税引き上げを目指す野田佳彦首相の政権運営などについて意見交換したというが、ご本人は5年間選挙に出ることはできない。
鈴木宗男元衆院議員の逮捕については、「冤罪」の声も出ているが、真相はどうあれ、とにかく実刑判決を受けて、服役したことは事実である。
大臣級の政治家の服役といえば、田中角栄元総理の実刑判決を思い出す。
鈴木宗男氏も、また政治資金規正法の記ズレだけで検察審査会まで使って抹殺されようとしている
小沢一郎氏もかつての田中派だった。
そういえば、もうひとつの服役経験者、かつては参議院のドンといわれた村上正邦氏もまた田中派だった。
一方で、タカ派でありながらアメリカ追従のねじれた右翼的立場である清和政策研究会からは誰も逮捕者が出ていない。
けだし、
抹殺説も出るわけだ。
田中角栄元総理についても、ロシア外交を重視した鈴木宗男氏や、小沢一郎氏同様、アメリカ一辺倒でない日本の自主外交を主張してアメリカから抹殺されたなどといわれた。
真相はともかくとして、1983年10月12日、東京地裁が「ロッキード事件」の田中角栄被告に懲役4年、追徴金5億円の実刑判決をくだした。
この量刑については「軽い」とする者や、実刑判決に衝撃を感じる者など反応は様々だった。
当の田中角栄は判決直後に「議員辞職はない。名誉と権威を守り抜くために、今後とも不退転の決意で戦う」という「所感」を表明。
野党は田中角栄に対して議員辞職勧告決議案の上程、採決を強硬に主張。もちろん、国会審議は空転した。
福田一衆議院議長と木村睦男参議院議長は、法案審議を衆議院解散を条件に促進することを提案。与野党がそれを受け入れ、中曽根康弘内閣は法案成立後に解散することになった。
安部譲二の著作によれば、田中角栄は最初、例の調子で威勢良く“塀の中”にやってきたが、中では一人の受刑者として差別なく扱われた。
つまり、収監後にまず行う儀式、刑務官に尻のアナに棒を突っ込まれる儀式をさせられてから、すっかり大人しくなってしまったという。
その後、田中角栄は脳梗塞を患い、結局臥薪嘗胆を結実させることはできなかった。
では、今回の鈴木宗男氏はどうなるだろうか。
正義が勝つのは時間がかかる、とは森田健作氏の唯一の名言だが、残念ながら人間には寿命があり、時間は永遠ではない。「時間がかかる」ことは深刻である。
すでにがんをふたつ経験した鈴木宗男氏だが、5年後にチャンスがあれば、がんの完治と二重の喜びになるだろう。
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