スポーツといえば、通常は健康増進のために行うもの。ところが、スポーツが貧血の原因になるかもしれないという話が、『日刊ゲンダイ』(2016年3月18日付)に掲載されています。貧血と一口に言っても大きく分けて5種類ありますが、さて、何のスポーツでどんな貧血になると書かれているのでしょうか。
貧血というのは、ヘモグロビンの濃度が低下することで、全身の酸素供給がうまくいかなくなってしまう状態をいいます。
そもそも貧血というのは、原因によって大きく何種類かに分かれているため、その症状に合わせた適切な対処をする必要があります。
出血性貧血
読んで字のごとくです。
「失血性貧血」ともいわれます。
大けがや手術により、体内から大量の出血が起こることです。短時間でそれが起こる「急性失血性貧血」と、胃潰瘍や痔、過多月経など出血症状によって少しずつ長時間にわたって出血が続く「慢性失血性貧血」があります。
原因がはっきりしているので、止血、輸血などで解決しますが、いうまでもなく大量に失血すると命を脅かすことになるので、早急な対応が必要です。
再生不良性貧血
造血幹細胞の減少で、血液を作る骨髄機能が低下して起こる貧血です。
血液中の白血球(とくに好中球)、赤血球、血小板のすべてが減少します。
先天性と後天性があり、その経過中に発作性夜間血色素尿症、骨髄異形成症候群などに移行することもあるそうです。
鉄欠乏性貧血
鉄不足が原因で起こる貧血です。
とくに女性などは食事などで鉄の摂取が充分でない場合もありますが、多くは血液そのものの病というよりも、胃や腸のがんや悪性リンパ腫による出血が原因であることが多いようです。
要するに、それらを治療すれば解決する貧血です。
悪性貧血
名称だけ聞くと絶望的な感じですが、原因がわからなかった頃は確かにそう思われていたらしいのです。
現在ではビタミンB12欠乏で起こると原因も解明され、治療も確立しているそうです。
これも鉄欠乏性貧血同様、原因を治療すれば完治する貧血です。
溶血性貧血
「溶」という文字で想像できますが、赤血球が破壊されることによって起こる貧血だそうです。
先天性の場合は、赤血球そのものの異常が溶血の原因で、後天性の場合は、赤血球以外の異常によって起こるそうです。
それで、『日刊ゲンダイ』(2016年3月18日付)には、「ホウレンソウ好きでも避けられない 健康な人がかかる貧血」という見出しの記事が掲載されているのですが、溶血性貧血がそれにあたるというのです。
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溶血性貧血とスポーツの気になる関係
溶血性貧血は、先天的なものが7割、後天的なものが3割で、その原因には足の裏に衝撃がかかるスポーツも原因になると書かれています。
健康を害しているわけでもないのに、妙にだるい、という人は溶血性貧血になっている場合があるとか。
引用します。
「赤血球の大部分はヘモグロビンでできていて、その多くは鉄分で構成されています。スポーツで体内の鉄分が汗として体外に出ると、血液中の赤血球の数が減り、鉄欠乏性貧血が起こります。このため、スポーツ選手は鉄分の補給が重要です。ところが、鉄分補給では治らない貧血がある。それが溶血性貧血です。マラソンやサッカー、バレー、バスケットボール、剣道など足の裏に衝撃がかかるスポーツをしている人がかかります。赤血球が足の裏の衝撃などで変化して、壊れやすくなって起こるのです」(同紙で弘邦医院の林雅之院長)
ということです。
そうなりますと、たとえば健康法の一つである、竹踏みとか、リラクゼーションサロンで行われている足裏刺激なんて言うのもまずいことになりますね。
あと、一説には、「血液をサラサラにする」食酢の摂り過ぎが溶血性貧血になるなんていう話もありますが、でもそれを言ったら、ビタミンKが含まれる納豆も禁忌ということになってしまいますね。
まあ、食べ物の場合は、「ばっかり食べ」にならないよう、適量を心がければ問題ないと思いますが。
林雅之医師の話によると、いずれも、ぐっと踏み込むことに加えて、休みなく動く競技が「足の裏に衝撃がかかるスポーツ」の例に挙げられていますね。
たとえば、野球とか陸上などは、いくら踏み込みシーンがあっても一瞬なので、マラソンやサッカーなどとは分けて考えてもいいでしょうか。
いずれにしても、スポーツで貧血とは気になる話です。
医師など専門家の方々に、異論反論があればお伺いしたいことですね。
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