『できるビジネスマンの超効率アウトプット速書術』親子の再会問題 [生活]
『できるビジネスマンの超効率アウトプット速書術』(午堂登紀雄著、すばる舎)について3回目です。今日で完結します。今日は、本書の目次構成のご紹介の前に、昨日から今日にかけて、参照数が伸びた「離婚した元夫婦の子供は別れた親と会うべきか」という話題から始めます。
昨日から今日にかけて、以前このブログで書いたこの記事の参照数が伸びていました。
⇒小泉進次郎氏、いとこ報道で思い出した弟との「和解」
急上昇キーワードや、ネットのニュースを確認したのですが、とくに小泉親子が何かして注目されているわけではありません。
どうも、原因はこのニュースらしいのです。
「わが子」に会いたい~離婚と面会交流 (1)裁判勝っても保障なく
@S[アットエス] by 静岡新聞 2月7日(日)12時0分配信
いつも、ヤフーニュースは、すぐにリンク切れするので、リンクを貼らずに、まとめサイトにリンクしていました。
が、このニュースは、まとめサイトでも扱われていないようなので、記事のリードの部分を引用します。
親が離婚した未成年の子は全国で22万人を超える(2014年、厚生労働省調べ)。別居する親子が定期的に会う「面会交流」は11年に改正した民法で初めて明文化され、子の利益を最優先に協議するように促しているが、14年の日本弁護士連合会(日弁連)調査では、子と別居している親の4割が面会できていないことが明らかになった。親子がなぜ会えないのか。課題を追った。
要するに、離婚して子どもと別れた主に父親が、審判(裁判)で面会権を確認しても、それは実現しないことが多い、という話です。
それに対する閲覧者のコメントは、ほぼ2通りで、
1.親権を渡した以上、諦めろ
2.子の福祉のために会わせるべきだ
に大別できました。
一見、2はヒューマニズムあふれた「正解」のように見えます。
しかし、私は、冒頭の小泉純一郎親子を例に出して、「親子は会うべきだ」論について、「一概には言えない」という異論を記事で書きました。
別れた肉親は会わねばならない。
そんなこと、どういう根拠で決まっているのでしょうか。
会いたくたって会えない事情を抱えているケースだってあるでしょう。
審判や調停をされる方は、それだけ切実なのだと思いますが、面会権は、金銭と違い強制執行でカタをつけることではありませんから、そもそも第三者(裁判所)の判断に委ねるということ自体、「正解」ではないのかもしれません。
小泉親子のところでも書きましたが、夫婦は別れた時点で、お互い新しい生活を作らなければならないのですから、子どもを行き来させることについて、デリケートな気持ちになるのは当然だと私は思います。
それは、何も親の都合だけではないのです。
子にとって、親と会うことが本当にいいことか。
会った後、「会わなければよかった」となったとき、どうなるのでしょう。
いや、私もそのような立場になったことはありません。
が、少なくとも、「ねばならない」と紋切り型のヒューマニズムを突きつける強引な主張をするつもりはありません。
みなさんはどう思われますか。
ノーという前提で意見を構築する訓練を
なぜ、午堂登紀雄氏の『できるビジネスマンの超効率アウトプット速書術』の紹介の前置きとして、この話題を持ちだしたかというと、午堂登紀雄氏は本書で、「既存の価値観」だの「常識」だのを否定することを勧めているからです。
皮相的な耳障りの良いヒューマニズムに流されずに、ノーという前提でものを考えてみませんか、というわけです。
午堂登紀雄氏は、「速書術」を構成する要素は5点あるとしています。
1.書くための材料を仕入れる
2.文書構造パターンのストックを増やす
3.表現・語彙を増やす
4.読む相手を思いやる
5.書く量を増やす
そのうち3までご紹介しましたが、4については、「伝えたい相手は誰なのか?」を想定して書くことや、読みやすさを考えて一文を長くしないことなどを指南しています。
そして5は、まさに数稽古ではありませんが、とにかく文章をたくさん書いて自分を鍛えることを求めています。
さらに、本書では、さらなる「速書術」として、ひとつの訓練を提案しています。
それは、あらゆる主張に「ノー」というトレーニングをしましょう、というものです。
たとえば、テレビ番組で、コメンテーターが無難なコメントをしたら、即座に「ノー、なぜならば……」と、自分の反対意見を述べる訓練をしましょう。
それによって、自分で考えて意見を述べる力がつく、というのです。
人の意見を鵜呑みにするよりは、たしかにいいでしょうね。
ただ、これは、私は命題次第だと思います。
冒頭に書いたような、「別れた肉親は再会すべきか」というような「価値観」を問う命題なら、大いに「ノー」の意見を広げることは構わないと思います。
しかし、たとえば昨今、自己愛本を出して話題になっている小保方晴子氏騒動などは、その訓練に適した命題といえるかというと、いささか懐疑的です。
なぜなら、小保方晴子氏の問題はつきつめるところ、STAP細胞に科学的手法で結果を出したのか、という「科学的命題」ですから、主観的意見の数だけ正解がある、というものではないからです。
つまり、「思う」ではなく、「在る(か無いか)」の問題ですから、○か×かで答えを出すことであり、多様でなければならない話題ではないのです。
「1+1」が、「2」という人だけでなく、「3」だの「4」だのという「異論」で「多様」になっても困るでしょう。
ということで、3回に分けてご紹介してしまったことで若干間延びした感もありますが、『できるビジネスマンの超効率アウトプット速書術』は、ブログ記事のライティングにも使えるメソッドだと思います。
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