食のフェイク、自然のものは毒性物質を含むという食の科学の常識 [(擬似)科学]
食のフェイクニュースが目に入ったのでご紹介します。「添加物が悪い。無添加がよい」という論法はわかりやすく、マスメディアが好んで取り上げますが、「自然のものは体によい」という固定観念はもたないほうがいい、という話です。
さる2月13日、プロが指摘する「食べてはいけない」ものとして、即席めんは「ゆでた湯を捨てる」と記事に記され、ツイッターで多くの人に叩かれています。
https://dot.asahi.com/wa/2018020900048.html?page=1
即席めんは「ゆでた湯を捨てる」 プロが指摘する「食べてはいけない」もの https://t.co/GIn3MctOQu
— いはなん (@i_ha_na) 2018年2月23日
茹でた湯を捨てるなら食べるなよって思うし、こんなの載せる朝日もやっぱどうにかしてるよね
もとの記事には、即席めんを作るとき、「麺をゆでた湯を捨てる。そうすると油の7割ぐらいはカットできます」と書かれています。
即席麺は、油であげて水分を飛ばしていますが、その油が体にわるいというのです。
しかし、「なら最初から食べなければいいのでは?」とツッコミが入っています。
開発者側は、当然その油分も含めてスープの味を設計しているからです。
私もよく、このブログで、即席麺も菓子パンも、その他おやつもご紹介していますが、油の量で言うなら、カレーライス、クロワッサン、あげパンなどの方が即席麺よりも多いのです。
こうした「食の安全」には、危機を煽る側に、往々にして科学的根拠が怪しいものがあるので、「批判の批判」が必ずフォロー役に登場するパターンが常となっています。
たとえば、この記事がそうです。
食のフェイクニュースに惑わされるな?週刊朝日の記事をじっくり検証してみた https://t.co/yLz5SJe7tj @waki1711さんから
— たたら一踏 (@mrjambal) 2018年2月24日
この著者、松永和紀氏が指摘している「食のフェイクニュース」の内容について、主なものを抜粋します。
電子レンジで、たんぱく質は変性する……変性は煮ても焼いても同じ。電子レンジだから特別の変性をするわけではない
食べ物は精製するとよくない……逆に黒砂糖は精製しないことで、不純物を取りきれなかったり、甘い美味しさが劣ったりする。精製しないから「ミネラル豊富」といわれるが、野菜や牛乳、肉等から摂れる量に比べれば、ごくごくわずか←「不純物」には、アクリルアミドのような発がん物質も含まれる
原形が見えるのがよい(練り物等加工食品はダメ)……加工度が低いと今度は食中毒のリスクがある
トランス脂肪酸は問題……日本人のトランス脂肪酸摂取率はアメリカ人の7分の1。トランス脂肪酸を減らそうとすると飽和脂肪酸の含有量が多くなり、日本人はむしろそちらが問題視されている。
添加物は単品調査の安全性ばかりで複合的な影響が検討されていない……虚偽。検討されている
いずれにしても、こうしたフェイクニュースに共通している思想は、「添加物は悪。自然最高」という思想です。
しかし、本当にそうでしょうか。
自然のものだから逆に怖いという場合もある
簡単に言えば、分析・研究が行われてリスクの少ない適量が決められている「化学で作ったもの」と、得体の知れない「自然のもの」では、実は後者の方がずっとリスキーだ、ということがあります。
たとえば、以前もご紹介した木酢液です。
木酢液というのは、木炭や竹炭を製造する際に発生する、煙の成分を冷却して得られた水溶液です。
約200種類に及ぶ有機成分が含まれているといわれます。
これは、「自然由来」のため、「農薬」と認定されず、つまり農薬のような厳しい規制を一切受けず、一部では卵を生むためのニワトリに使われています。
⇒“自然の農薬”は安全か~木酢液入り鶏卵を調べて~
木酢液は、採卵鶏の飼料に混ぜて使うことで、魚粉など動物性たんぱくの飼料にある臭みを消せることと、ビタミンの多い卵を生むという報告があります。
また、鶏に限らず生き物を飼っている所は、糞尿などあり衛生的ではないので、強い殺菌性をもつ木酢液で消毒するのです。
ところが、その強い殺菌性であるがゆえに、DNAや染色体に損傷を与え突然変異を起こす細胞の変異原性が認められたという報告が、本山直樹(農薬毒性学)千葉大学教授らが発表した、各種市販および自家製木酢液・竹酢液7種類についての変異原性試験などよって行われました。
「自然のもの」というと健康に良さそうですが、そもそも自然は、いつも人間に都合の良いものとは限りません。
現在の私たちの食卓にのぼる“自然の”食材は、長い歴史の風雪を経て、淘汰され工夫されてきたものばかりです。
毒キノコの例を取るまでもなく、自然信仰にはリスクがあること、そして、ことさら添加物の危険を煽る言説には注意が必要です。
もうダマされないための「科学」講義 (光文社新書) -
口に入れるものすべてが安全とは言い難いですが、少なくとも自分で食べるものは安全であると信じたいです。
by ゆりあ (2018-02-25 00:08)
うーん、インスタントラーメンぐらい好きにさせてという感じです。
by うつ夫 (2018-02-25 00:31)
よく無農薬より低農薬といいますね。
その意味がやっとわかりました。
by 犬眉母 (2018-02-25 00:39)
この手の物は気にしすぎると
なにも食べられなくなってしまいますね・・・・
そうやって気にするストレスが
一番体に悪いのではないかと考える今日この頃です。
by 式条 梨々子 (2018-02-25 01:04)
この筆者は、普段どういうものを食べているのかが。
油がいけないというなら、何を食べているのだろう。
油会社の1単位株主としては気になるところです。
by nikki (2018-02-25 01:04)
食のフェイク、自然のものは毒性物質を含むという食の科学の常識・・・わたしもよく感じているのですが、「自然食品、無添加食品ファナティック」な人たちというのはなかなか度し難いと言いますか、会話が成り立たないことが多いですね。けっこう欧米の女性に多いんです、やたらと「自然」にこだわる人。日本でもよく女性芸能人がいきなりオーガニックライフを始めたりして、その手の発言をし始めることがありますね。そしてちょいちょいわたしのブログでも取り上げておりますが、「食育」の人たち。食べ物に関しては、洒落も何も通じなくなってるんですよね。どのような話題でも、「冗談が通じない」人というのは困ったものだと思っております。狂信に近い精神状態の人が多いです。
そもそも「なぜ自然食品・無添加なのか?」という根本がお粗末だと感じています。彼らは間違いなく、「健康のため」と言うのでしょうが、「自然食品・無添加」を続けることで、そうでない人たちよりも平均で50年以上健康長寿であるとかいう証明でもされればわたしも考えますが、絶対そんなことあり得ませんよね。そして今後もそんな状況にはなりそうにありません。もちろん添加物だらけの食品ばかり食べるのはいただけませんが、要はバランスの問題だと思います。極端に添加物食品を避ける必要はまったくないと思いますね。
わたしもにとっても、天地真理や小柳ルミ子は馴染み深い歌手でした。逆に黛ジュンや小川知子の記憶はほとんどありません。小川知子はてっきり女優一筋の人かと思っていたんですが、もともとはアイドル歌手だったんですね。知りませんでした。テレビドラマなどで観ているころは、いい感じの大人の女優という印象になっていました。この人、幸福の科学へ行っちゃってるんですね。
その意味では小柳ルミ子はいろいろありながらも長持ちしているのがすごいし、高橋真梨子もずっと一線の歌手であるのも凄いことです。
>見栄えのいい女が、対外的な目くらまし
これはどうしてもありますね(笑)。そういう写真や映像が出ると、つい目が行ってしまいます。そこにも人間の弱さがあって、その人たちやグループがやっていることはさて置いて、「見た目のカッコよさ」はなかなか否定し難いものがあります。だから、「カッコいい」ものを「こんなのカッコいいはずがない」と無理に否定するのではなく、「外見のカッコよさ」と「その中身」をしっかり線引きできればいいのかなとも思ってます。日本赤軍と同時期にヨーロッパで極めて暴力的な活動をしていたドイツの左翼過激派バーダー・マインホフも美女のメンバーを擁していました。しかしこれは女性だけでなく、「男のカッコいい姿」も大いに宣伝になりますね。キューバ革命が最たるもので、フィデル・カストロとチェ・ゲバラのカッコよさが、国際的には大いに宣伝として役立ちました。
>1969年で時間が止まっている
日教組の方たちもしっかり止まっております(笑)。でも昭和史や、昭和芸能誌、昭和プロレスなどを客観的に検証するのは「止まっている」のではなく、「凄いもの・素晴らしいもの」を現代の視点で再検討し、未来へと伝えるという行為であり、とてもいいことではないでしょうか。プロレスだけ取ってみても、現代に力道山、馬場、猪木が創ったような凄い世界は存在しませんから。現在、プロレスだけでなく、あらゆるジャンルを概観しても、力道山、馬場、猪木のような凄い存在は日本でなかなか見つかりませんよね。歌の世界にしても、阿久悠のような秀でた存在はありませんし、ユーミンや中島みゆきのような存在も、三島由紀夫や寺山修司、そして小津安二郎、溝口健二、黒澤明、成瀬巳喜男のような存在もありません・・・と、こうして自分でささっと名前を挙げただけでも、(ああ、やはり昭和と現在ではぜんぜん違うな)と再認識してしまうくらいです。
大木金太郎のお話、とても興味深く拝読しました。ありがとうございます。結局大木金太郎の場合、「金の切れ目」でどんどんショボくなっていったということですが、それにしてもブイブイ言わせていた頃のスケールは凄かったのですね。もちろん時代背景があるとは言え、「地域おこしで各地にインディプロレス団体」とかいう現在とはえらい違いです。
(メールの返信、させていただきました。少しでも良い方向へと念じるばかりです) RUKO
by 末尾ルコ(アルベール) (2018-02-25 01:16)
安全では無く安心したいんですよきっと。
by pn (2018-02-25 06:12)
おはようございます!
地元横須賀産、”岩沢牧場”の卵を買っています。
LLで1個35円です、とっても美味いです!!
by Take-Zee (2018-02-25 07:30)
おはよーございます
うーん難しい問題ですね
提供されているものを選んで食べている
身にとって何が本当なのか
考えてしまいます
昔の常識がそれは間違いとか
やってたりテレビで
するので困惑混乱してしまいます
毎日口にするものなので安心安全
が第一です
by みうさぎ (2018-02-25 09:27)
豆も生で食べると良くないといいますね。
by ヤマカゼ (2018-02-25 19:41)
自然信仰は危ういって事ですね。
「自然が一番」って思ってしまいます(*´∇`*)
by johncomeback (2018-02-25 19:58)
自然のものでも人が食べられないものはたくさんありますよね。即席めんを1日3食ずっと食べ続けるなら話は別ですが、たまに食べるのにそこまで油を気にしなくても・・・。今の時代農薬や添加物全くなしで暮らすのは難しいでしょうし、即席めんを1いろんなものをバランスよく、が一番のリスク回避になる気がします。
by ゆきち (2018-02-25 22:12)
私の持論ですが・・・・
70歳を過ぎてるので命が1週間も10日も
短くなっても構わないから
好きなモノを食べたい。
健康志向になってる昨今ですので
食品製造会社でも「アノ食べ物で死んだ!」なんて
ネタにされたくないでしょう(笑)
by makkun (2018-02-26 15:13)
同じ物を食べても、人によっては違うので、一概には
言えないと思います、自然食品などは安全?
by クッキー (2018-02-27 14:55)