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『白い牙』藤岡弘、主演の孤独で孤高のドラマがDVDに [懐かし映画・ドラマ]

藤岡弘、

『白い牙』(1974年4月6日~9月28日、大映テレビ/日本テレビ)というドラマを、DVDで久しぶりに鑑賞しました。2月19日は主演の藤岡弘、の誕生日です。エリート刑事が事件屋になって復讐を決行するという重いストーリーですが、70~80年代に一世を風靡した大映ドラマ作品として見どころのある大人のドラマです。(上画像はGoogle検索画面より)




藤岡弘、といえば65年、松竹にニューフェイスで入社して映画に登場以来、これまでたくさんの作品に出演しています。

このブログでも、『消えた巨人軍』(1978年9月1日~9月29日、東映/日本テレビ)と、『コント55号と水前寺清子の神様の恋人』(1968年、松竹)をご紹介したことがあります。

それ以外にも、『仮面ライダー』(1971年4月3日~1973年2月10日、毎日放送/NET)『特捜最前線』(1977年4月6日~1987年3月26日、東映/テレビ朝日)『藤岡弘、探検シリーズ』(2002年12月25日~2005年3月19日、テレビ朝日)などがおなじみですが、私が今回の藤岡弘、の誕生日に合わせて改めて鑑賞しなおしたのは、冒頭に書いた『白い牙』です。

本郷直樹の主題歌と、メインタイトル画面がYoutubeにアップされています。

著作権者がアップしたものではなさそうなのでURLは埋め込みませんが、関心のある方は検索してみてください。

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あらすじネタバレ御免



白い牙
『白い牙』より

藤岡弘、の演じた役は、警視庁捜査一課のエリート刑事・有光洋介。

暗黒街のドン(河津清三郎)が仕組んだ罠にハマり、その仲間に入った同僚刑事を正当防衛で射殺してしまいます。

有光は、仲間を撃った暗黒街と関わりを持つ悪徳刑事、という汚名を着せられて警察をやめただけでなく、婚約中だった同僚刑事の妹(鳥居恵子)とも別れます。

が、有光を個人的には信じているかつての上司(佐藤慶)が、警察が追い切れない事件の解決を依頼。

かつて有光に世話になった週刊誌記者(川津祐介)や元ボクサー(藤巻潤)、その元トレーナーで喫茶店店主(ジェリー藤尾)らとともに、有光は事件屋として仕事を始めます。

これが26話中8話まで。

ここまでなら、『必殺仕事人』の現代版といったところですが、終盤3話で物語は急展開します。

有光を陥れたドンの存在が明らかになり、有光はドンに復讐を決行したため、最終回で佐藤慶に逮捕されます。

しかも、仲間は、妻(島かおり)が身ごもって自重した藤巻潤以外はみんな殺られてしまいます。

何とも悲惨な最終回になってしまいました。

事件屋などという非合法な仕事は、ハッピーエンドに終わらせることはできないということだったのでしょうか。

ちなみに、鳥居恵子は藤岡弘、の前夫人で、この仕事で知り合ったといわれています。

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大映ドラマの基礎を作った監督


以下はかなりマニアっぽい話になります。

今回『白い牙』を選んだのは、帯盛迪彦監督作品というのも大きな理由です。

『白い牙』は大映テレビ株式会社の製作です。

同社の製作したドラマは、「大映ドラマ」と呼ばれて、テレビ・ドラマ史に残る作品が幾つもあります。

たとえば、宇津井健、山口百恵の『赤い』シリーズや、堀ちえみの『スチュワーデス物語』や、山下真司の『スクールウォーズ』や、小泉今日子の『少女に何が起ったか』など、80年代の同社の作品は、いずれも漫画チックで大仰なストーリー展開をイメージします。

しかし、いきなりそうした作品ができたわけではありません。

その源流として、このブログでもご紹介したことがありますが、岡崎友紀主演の『18歳』シリーズや、石立鉄男・大場久美子主演の『秘密のデカちゃん』のような、秘密をもてあそぶライトコメディシリーズや、宇津井健主演の『ザ・ガードマン』『赤い迷路』など、真面目な“熱血”ドラマなどがあります。

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本来、軽妙でわかりやすいオーバージェスチャーの「ライトコメディ」と、真面目で深刻な「熱血(いわゆるクサいドラマ)」は別ベクトルであるはずです。

にもかかわらず、それが見事に合体した妙が、80年代の『スチュワーデス物語』や、『少女に何が起ったか』などの成功につながったと私は思うのです。

帯盛迪彦監督は、その「源流」にあたる両方の作品のメガホンを撮っています。

たとえば、岡崎友紀主演のライトコメディシリーズ

『おくさまは18歳』(1970年9月29日~1971年9月28日)
『なんたって18歳!』(1971年10月5日~1972年9月26日)
『ママはライバル』(1972年10月4日~1973年9月26日)
『ラブラブ・ライバル』(1973年10月2日~1974年3月26日)
『ニセモノご両親』(1974年4月2日~8月27日)

や、
『美人はいかが?』(1971年10月24日~1972年4月16日)

真面目・熱血ドラマは
『まごころ』(1973年4月6日~9月28日)
『赤い迷路』(1974年10月4日~1975年3月28日)

などが帯盛迪彦監督作品です。

『白い牙』は後者にあたります。

ドラマ中盤の1話完結のストーリーには、伊東四朗や愛川欽也などがゲスト出演している見どころの多い話もあり、大人のドラマとしてじっくり鑑賞しがいのある作品だと思います。

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