『新幹線物語'93夏』小林稔侍、宮崎ますみ、丹波哲郎、岡田奈々 [懐かし映画・ドラマ]
『新幹線物語'93夏』(1993年7月6日~9月21日、TBS)を観ました。12話連続ドラマとして放送されたもののうち、1話と2話がひとつのDVDに収録されています。ドラマは、東海道新幹線のパーサーと車掌が、乗務中にあうトラブルを2話、ないしは3話でまとめています。(画像は劇中より)
『新幹線物語'93夏』は、放送枠は違うのですが、やはりTBSで放送された『スチュワーデス物語』(1983年10月18日~1984年3月27日、大映テレビ/TBS)が、先駆的なものとして意識されているのかもしれません。
ドラマの終わりのエンドロールで、新幹線の横でホームを5人のパーサーが歩くシーンが出てくるのですが、『スチュワーデス物語』も、飛行機の横を制服で歩いていました。
『スチュワーデス物語』より
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主人公は、新人パーサーが宮崎ますみ、東京駅JR東海駅長が丹波哲郎、車掌長が小林稔侍。
小林稔侍はナレーションもつとめています。
要するに、車掌長の視点で出来事が語られています。
別編成の車掌長が、丹波哲郎の実息の丹波義隆、小林稔侍と組んでいる車掌が哀川翔です。
東海道新幹線のパーサーというのは、JR東海の連結子会社である、ジェイアール東海パッセンジャース(当時はパッセンジャーズ・サービス)の所属ですが、その東京クルーセンター所長という最高責任者が池上季実子。
チーフパーサーが岡田奈々。
シニアパーサーが水島かおり。
宮崎ますみと同期のパーサーが鈴木奈穂と鮎ゆうき。
アシスタントパーサーが島崎和歌子。
今はおばさんの域に入りつつある島崎和歌子が、最年少で「アシスタント」というところが時代を感じさせます。
それでも、放送されたのが平成に入った93年ですから、20世紀は遠くなりにけり 、ですね。
JR東海が全面協力
『スチュワーデス物語』によって、「パーサー」という仕事が知られるようになりましたが、旅客機だけでなく、新幹線にもパーサーはいます。
考えてみると、新幹線で車内販売などを利用していても、販売者の正式な身分や仕事内容などは、あまり考えたことがありませんでした。
このドラマは、それを知るきっかけになりました。
劇中には、東京駅にはJR東日本と、JR東海の2人の駅長がいることや、朝早い勤務は前日から泊りで待機するなど、職務上の話も出てきます。
JR東海が全面協力しているので、本物の車両から小林稔侍が顔を出すシーンもあります。
やはり小林稔侍が、かつて千葉真一とともに運転士を演じた『新幹線大爆破』(1975年、東映)は、当時の国鉄の協力を得られなかったそうで、すべてをセットと模型で撮影していました。
それにくらべるとリアリティがあるのですが、ただ、全面協力ということは、協力できる範囲のストーリーしか作れないということになりますから、意地悪な見方をすると、たんなるJR東海のパブリシティドラマになってしまった可能性もあります。
まあ、職務ドラマですから、致命的な制約もなかったと思いますが。
第1話と2話は、保線区作業員(ハナ肇)定年後の仕事に、新幹線の車両を1000万円で買い取って居酒屋にしようと、自称新幹線運転士(船越英一郎)が話を持ちかけます。
パーサーの研修から脱落して休職扱いだった娘(鮎ゆうき)も、“運転士との結婚”を夢見たものの、船越英一郎は、実はたんなる鉄道マニアの売れないカメラマン。
船越英一郎が、タバコの吸い殻を線路に捨てた、“鉄道人にあるまじき行為”を見たハナ肇は、怪しいと感じ、新大阪まで彼の後を追い、パーサーたちの協力もあって、お金と娘を取り戻すという話です。
この騒動で、宮崎ますみは、初日から往復欠乗するのですが、どんな理由があっても、初日からそれでは、本当ならタダでは済まないと思うのですが、まあそこはドラマなので、「ズッコケ主人公」を強調しているのでしょうね。
新幹線の車掌&パーサーの職務内容や、新幹線についての雑多な知識を得ながら、ストーリーもそれほど深刻ではなく、肩の力を抜いて楽しめるドラマだと思います。
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