緑茶とコーヒーの健康効果がまた話題になっています。『Mocosuku Woman』(9月13日8時10分配信)は、国立がん研究センターなどが実施している多目的コホート研究「JPHC研究」で、「1日何杯以上飲んでいるか?」について調査を行い、より多く飲んでいる群が、脳卒中や循環器系疾患などのリスクを低くしているといいます。
今日更新された記事はこれです。
お茶&コーヒー、健康効果が出るのは何杯目?
Mocosuku Woman 9月13日(日)8時10分配信
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1990年または1993年から2011年までの追跡調査を含め、40~69歳の男女約9万人を対象に行われた、国立がん研究センターなどが実施している多目的コホート研究「JPHC研究」だそうです。
今回の研究は、よく話題になる「緑茶とがん」ではなく、循環器系疾患、脳卒中などで調べていることです。
死因が、がんだろうが、虚血性心疾患だろうが、脳卒中だろうが、亡くなることについて違いはありませんから、たとえば、がんが減っても脳卒中が増えるような「効果」だとしたら、それは健康効果とはいえないわけです。
記事は、緑茶・コーヒー摂取と脳卒中発症との関連について(
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3278.html)の報告をもとに考察しています。
結論から書くと、一部の疾患では、緑茶をより多く飲んだ群のリスクが減っているといいます。
こう書かれています。
緑茶の先行研究では、日に1杯未満の緑茶を基準にして、日に5杯以上緑茶を摂取する群において全死亡と循環器疾患死亡のリスクがそれぞれ15%と26%低いことが報告されています。また、緑茶をよく摂取する群で脳卒中、脳梗塞、脳出血発症のリスクが低いこという報告もあります。緑茶と虚血性心疾患発症については、これまでの研究でも関連を認めませんでした。今回の研究は、脳卒中発症との関連をこれだけ大勢の対象者で検討した初めてのものであり、これまでの研究と同様の結果が得られています。
循環器系疾患、脳卒中、脳梗塞、脳出血、虚血性心疾患について調べていますが、発症リスクの棒グラフが、きれいに「右肩下がり」、つまり飲めば飲むほどリスクが減っているのは脳出血です。
脳卒中というのは、くも膜下出血や脳梗塞や脳出血の総称ですが、脳出血よりもグラフが綺麗な右肩下がりにならないということは、クモ膜下出血と緑茶の関連も認めにくいのでしょうか。
一方、コーヒーですが、1日1杯以上飲む群は、飲まない、もしくはたまにしか飲まない群に比べて、脳卒中、脳梗塞、脳出血で有意に減っていますが、循環器系疾患と虚血性心疾患ではその関連はないようです。
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コーヒーも飲み過ぎに注意
こういった疫学調査には、いつも気になるのですが、「1日何杯以上飲んでいるか?」で調べること自体、正確な結果が出るのかどうか疑問です。
なぜなら、緑茶の銘柄や1杯あたりにつかう茶葉の量などが違えば、「1日何杯」の数字が同じでも、緑茶成分の体内への取り込みは変わってくるはずだからです。
やはり、血中濃度まで見なければ、「緑茶の健康効果」としてのより精緻な考察はできないように思います。
コーヒーの健康効果もしばしば話題になります。
よくいわれるのは、クロロゲン酸をはじめ、抗酸化成分が肝臓がんを防いでいる、大腸がんに有効だ、といった話です。
ではいくら飲んでもいいのかというと、少なくともコーヒーの場合、一方で飲み過ぎは逆に健康を損ねるとも言われています。
たとえば、コーヒーに含まれるカフェインは、アルコールと同じように膵液の分泌を促すことで膵炎、さらにはすい臓がんのリスクがあるといわれます。
これについては、異なる説もあるので断定はできませんが、カフェインが刺激物である以上、摂り過ぎはよくないだろうというのは何となくわかります。
こうした報道では、これを飲む(食べる)ことで、どんな健康効果があるか、とともに、逆にどんなリスクが有るか、ということも一言入れておいたほうがいいのではないかと思います。
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