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『母という病』『父という病』子は親との関係で人生が変わる [社会]



『母という病』と『父という病』(岡田尊司著、ポプラ社)を読みました。前者は「母親」が「子」に対して、過剰な支配をしようとしたり、逆に十分な愛情を与えなかったりして「子」の自立を妨げ、人生を振り回すようなことがあってはならないという話です。



著者の岡田尊司氏は精神科医です。

『真面目な人は長生きする』(岡田尊司著、幻冬舎)という書籍を以前ご紹介したことがあります。

『真面目な人は長生きする』80年間の研究が定説を覆すか!?

本書は、著者ご自身の患者が抱える「心の障害」の根底に、母親との関係があるケースを報告。

母親との関係が正常化することで、障害が改善することから、「毒母との関係」がいかに人生に暗い影響を及ぼしうるかを述べています。

さらに自分の患者だけでなく、ヘッセ、ジョンレノン、ガーシュイン、岡本太郎など、社会的には知られている人々が、いかに親との関係に苦悩していたかも触れられています。

子の人生に暗い影響を及ぼしうるのは、子に対して過剰な支配をしようとしたり、逆に十分な愛情を与えなかったりすることだそうですから、どちらにしても、子供第一に考えていない「自己愛」がその原因ということです。

みなさんの母子関係はいかがですか。

……と書くと、お前は親や先祖を悪く言う人の道を外れた人間だ、と思われますか。

それ、間違ってますよ。

自分が、「子」の立場からの親子関係に、何の疑いも持てないようなお花畑な人は、決して良い「親」にはなれないと私は思います。

自分の「子」としての体験は是々非々で総括して、旧弊なものは自分の子には伝えない、「負の遺産」は冷徹に自分の代で否定する勇気と見識が必要だと本書を読んで思いました。

子は親の奴隷でも分身でもない


著者は『母という病』の後に、『父という病』という本も上梓しています。



子に対して、尊厳と力を示したり、親孝行を忖度させたりして「子」の自立を妨げ、人生を振り回すような父親であってはならない、という内容です。

よくメディアの『身の上相談』では、親子関係について「親」の側からこんな相談があります。

子が、就職や結婚で親である自分の言うことを聞いてくれなくなった

いったい、この「親」は、いつまで自分の影響力を誇示したら気が済むのでしょうか。

「子」は、「親」のふるまいを見て育ちます。

もう、「子」の人格には、めいっぱい「親」が反映しているのです。

つまり、「子」には、好むと好まざるとにかかわらず、「親」が終生ついてまわるのです。

それだけでも十分ではないでしょうか。

ただ、その「親」が、なぜそんなに「子離れ」の往生際が悪いかを考えますと、繰り返しになりますが、その「親」も、実は「親の親」から、そのような親子関係を強いられたことによる影響ではないかと思います。

そういう意味では、「父という病」「母という病」にかかっている「親」は、「子」に対しては毒親であっても、その「親」自身も「親の親」の犠牲者ということができます。

ですから、本書には、「子」に襲いかかる「親」の過ちのパターンが書かれていますが、著者は決して毒親を断罪するわけではなく、読者自身に気づかせようとする優しさをもって紹介されています。

もし、自らの親子関係に、いささかでも釈然としないものがあったら、「親」の方も「子」の方も、本書で他者の親子関係と、精神科医の「診断」をご覧になって参考にしてください。

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甘い根昆布


今日のオヤツは、『寒天根こんぶ』(金城製菓)です。

寒天根こんぶ

日高産根こんぶを、寒天、砂糖、水あめなどで固めています。

寒天根こんぶ

酢昆布でも塩昆布でもなく、甘い昆布。初めて経験しました。

寒天根こんぶ

金城製菓は、愛知の、ゼリー、羊かん、バウムクーヘン、洋菓子などを作っている会社です。

資本金3800万円。

東京、広島、大阪などに営業所があり、これまでご紹介してきた、地方の「知る人ぞ知る」個人商店的企業とは違いますね。

根昆布のお菓子、興味ありませんか。

金城製菓 155g 寒天根こんぶ 155g×10袋 -
金城製菓 155g 寒天根こんぶ 155g×10袋 -
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pn

親の無償の愛なんてもんは無いってーのが俺の出した答えです。
失業中どちらかと言うとこっちが助けて欲しい時にお構いなしに金をせびる親なんざ親とは思えなくなりました。
by pn (2018-01-27 22:55) 

末尾ルコ(アルベール)

『母という病』『父という病』子は親との関係で人生が変わる・・・「親子関係」というのは人間にとって永遠のテーマであると言えますね。思えば、ギリシャ神話、ギリシャ悲劇、旧約聖書、シェイクスピアらも、「親子関係」の探求が巨大なテーマとなっています。だからこそ、「日本の伝統だから」とかの思考停止的な見方は慎みたいものですね。まして「家を守るため」とか、そんな考えに囚われていたら、まともな人間性の発露などありえません。
わたしの場合、現在は母の友人たちも羨むほどの親孝行ぶりを発揮しています(笑)。しかし10代、20代の頃のわたしであれば、今の状態はまったく考えられませんでした。現在の「母親孝行」は完全に「わたし自身の選択」です。その選択は、わたし自身が辿ってきた人生、両親や祖父母、親戚などとの関係性の中から育ってきたもので、誰から強制されたものでもなければ、当然ながら、旧弊とは一斉関係ありません。いわば、人生を送っている中で、「母に孝行することは、母の幸福でもあるけれど、自分の幸福の一部でもある」と実感する瞬間があったのです。そしてそれは正しく「わたしの個人的な感覚」であり、誰か他の人たちに、「わたしのようにやるべきだ」と言う気はまったくありません。
「親子関係」について大事なことは、子どもは物心つくまで親を客観的に評価できないわけですから、余程親は「分別」と「柔軟な思考」を持って子育てをしなければなりませんね。歪んだ考えや出鱈目な知識を子どもに植え付けてしまうのは、子どもに大変な重荷を強いるのと同じことです。しかし今の日本の状況を見ると、とても「いい状態」とは言えないのが大きな懸念です。

『寒天根こんぶ』・・・これ、けっこう定番にしてます。お味が濃厚で、一粒食べるだけでも満足感があるんですよね。

「ヤフコメ民」だけでなく、「ネットに氾濫する言葉」は大きなテーマですね。実生活の中では絶対口に出せないようなこともネットでは平気で書き込んでしまう。まあわたしはいずれ近いうちに、「人間同士が直に会話あるいは対話することに対する渇望」が押し寄せてくると見ています。その大事な点を見据えた上で、いろいろ活動していきたいと思っています。
それにしてもヤフコメの「同意・非同意」ボタンもクセモノですね。最近でも、「朝番組の女性司会者が結婚」というニュースに対して、「おめでとうございます」という書き込みがあったんですが、それに対する「同意」が1万回以上も押されていました。(何を考えてるんだ?)って感じですが、何も考えてないのでしょうね(笑)。

>それが従来の価値観や既知を新たなステージに進める突破口になり得るともいえるので

確かにそうですね。思えば文学などでも、「いい人」ばかり登場する小説なんて普通はぜんぜんおもしろくない。「いい」も「悪い」も併せ持っているのが人間であり、それを踏まえた上での人生なのですよね。わたしのモットーの一つに、「真の美は醜をも呑み込んだものだ」という考えがありますが。愚劣な言語に対する正当な怒りは持っていたいけれど、同時に冷静に観察する眼差しも必要ですよね。

「体格」の話題に戻って恐縮ですが(笑)、確かに肉体的コンプレックスは人間の行動に大きな影響を与える場合が多いようですね。実はそのコンプレックス自体が正しい認識かどうかは常に微妙なものなのですが。わたしの観察の範囲だけのことかもしれませんが、(でっかい車だな~)と思ったら、妙に小さい人が乗っていたり、ピカピカのスーパーカーからやたらとダサいおじさんが出てきたりとかいう光景はけっこうしょっちゅう見かけます。

全豪オープンテニス女子決勝のお話で恐縮ですが(笑)、応援してたルーマニアのハレプ、負けちゃいました~。これでグランドスラム3回決勝進出で、すべて準優勝。力を入れて応援していただけに、どっと疲れが・・・(笑)。RUKO

by 末尾ルコ(アルベール) (2018-01-28 00:03) 

ゆりあ

私の母は、祖父母にかなり過保護に育てられたようで兄にも同じ扱いでしたが、私にはあまり関心がなく自由に過ごせてたと思います。
しかしながら、息子には自由にさせられてたかは疑問です^^;
最近は、侍女のような扱いを受けてるなって思いますが^^;
根昆布のお菓子って珍しいですね。
体に良さそうです^^
by ゆりあ (2018-01-28 00:04) 

nikki

親の性格がよければ子供もそれなりの性格にということですかね。

根昆布寒天珍しいです。
金城というと名古屋を連想しますが豊橋なんですね。
by nikki (2018-01-28 00:15) 

藤並 香衣

以前にも書きましたが
姑は「息子は自分の老後を見てもらうために産んだ」と
豪語しています
自分さえよければ良いの典型的な人なので
家族全員のちょうどいい反面教師状態です
by 藤並 香衣 (2018-01-28 00:31) 

ナベちはる

「子供は親の背中を見て育つ」という言葉は、本当なのですね…
親がやることを「当たり前」と思うようになるなら、気を付けないといけないですね。
by ナベちはる (2018-01-28 00:33) 

ヤマカゼ

昆布のお菓子というと、真っ先に浮かぶのが
都こんぶですか。
昆布もずいぶんバリエーションがあるんですね。
by ヤマカゼ (2018-01-28 07:45) 

タンタン

おはようございます。
オブラートに包まれてる所が懐かしく感じました。
by タンタン (2018-01-28 08:51) 

チャー

親子関係 何が正しのかは分かりませんが
私の母親は 真面目で厳しい人でした もちろん愛情があればこそなのですが
でも 甘えることは出来なかった 私が長女だったという事もありますが
ですから 自分が親になったら良い親子関係を築きたいと思っていました 甘やかすのではなく 子供でも ひとりの人として 見るように心がけていました 小さい時から 色々なことを話していましたよ 大人になった今でも 同じような感じで話せています 今はお互いのテリトリーは邪魔せずかなー?

寒天根昆布
美味しそう〜 熱く渋いお茶が飲みたくなりました
by チャー (2018-01-28 09:48) 

JUNKO

参考になりそうなお話ですね。もう母を終わってから読んでも遅いかもしれませんが、興味がわきます。
by JUNKO (2018-01-28 12:02) 

アールグレイ

自分では、子どもの個性や、やりたいことなど優先してあげて、必要以上に干渉しないようにと、心がけていますが、
子供たちがどう思っているかは、わからないですね。
支配的になって、子どもが委縮するのは、つらいことですよね。
根昆布、長いこと食べてないので、久しぶりに食べたくなりました^^
by アールグレイ (2018-01-28 13:18) 

kiki

子供と共に育つという意識が大切かと思っています。
親も全てが初めてのことですから。

by kiki (2018-01-28 13:25) 

marine

いっぷくさん、寒いですね。私の親子関係から思うのは、『母』とは親であり、女性でもあります。其の二面性を若い頃の私は理解できず今思えば反抗の日々、しかし同じ女性としてみれば努力努力の人でした。若い頃美しく装うのは収入の為、平手で娘の頬を叩いたのは、父なき子を夫に代わって。愛の無知でした。現代の暮らしの中で親の自我で苦しめられる子供が多いのはとても辛い事ですね。
by marine (2018-01-28 13:44) 

Take-Zee

こんにちは!
”金城”
記事に直接関係ないですが、友人に
”かねしろさん”と”きんじょうさん”がいます。
読みがむずかしいですね!

by Take-Zee (2018-01-28 14:17) 

hana2018

それは特別な事ではないかもしれないけど、外面だけ良くて、その後褒めていた人の悪口を言う母を、私は子供心に嫌で仕方がなかった。
決して自分はそうはならないと思ってきました。だからこれまでも合わないと思う人間には、極力関わらないようにしてきました。そう出来たのは、主婦であったからかも。
今間もなく85になる母との関係は良好です。しかしそれも同居をしていない。
親子でも一日中一緒に過ごしていたら、時にはイラつきます。
母が倒れるなどいざとなったら弟に任せられる。そんな逃げ道があるから。そうした意味では私って無責任、ズルイんでしょうね。
by hana2018 (2018-01-28 14:50) 

ヨッシーパパ

昆布に黒糖、想像できない組み合わせです。
by ヨッシーパパ (2018-01-28 17:41) 

こじろう

どこかで見かけたようなお菓子・・・と思ったら金城製菓のか。
ローカルオンリーかと思ってたけど,全国展開してたんだな。
by こじろう (2018-01-28 20:09) 

マーヤ

この本、興味深いです。
ぜひ、読んでみたいと思います^^
私の心の中で、母とどう折り合いをつけるかは
多分死ぬまで抱えてる感情だと思います。
もちろん表面上は、フツーの母娘ですけどね^^
by マーヤ (2018-01-28 20:37) 

makkun

私の両親はマジメ一筋で生涯を閉じました・・・
もう少し長生きしてくれれば
私もそれなりに稼ぎも多くなり
「親孝行」をする事が出来たのですが・・・。
現在の自分の生き方を思うと
「親父の背中を見て」育って来たようなに思います。

by makkun (2018-01-29 14:32) 

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