マンガの実写化映画・ドラマを批判的に見る『マンガの実写化ガッカリポイントTOP10』というのが話題になっています。今年のGWに、『アイアムアヒーロー』『ちはやふる』『テラフォーマーズ』など、マンガのビッグタイトルの映画化が封切られることから、またぞろ「マンガの実写化」の是非が議論されているようです。
今回は、『R25』(4月14日7時1分配信)の発表をもとに、今現在も盛り上がっています。
まとめサイトをリンクしておきます。
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マンガの実写化「これはNG」ランキング
20~30代の社会人男性200人に、「マンガが実写化される際にガッカリしがちなポイント」を調査したそうです。
その結果を引用します。
〈マンガの実写化ガッカリポイントTOP10〉
1位 設定やストーリーが変えられている 197pt
2位 ストーリーが端折られすぎている 181pt
3位 役者がキャライメージと異なる 168pt
4位 声のイメージがあわない 147pt
5位 CGを使ったシーンが安っぽい 84pt
6位 話題性で選ばれたとしか思えない配役 74pt
7位 マンガならではの髪型、色の再現に無理がある 69pt
8位 アクションシーンに迫力がない 53pt
9位 原作に無いキャラが追加されている 48pt
10位 原作で大事だったキャラが登場しない 46pt
1人あたりの持ちポイントがどれぐらいかは書かれていないのですが、ベスト3を見ていると、いかにもありがちな理由ですね。
私は、このブログで何度か、漫画の実写化作品である映画やドラマをご紹介してきました。
その際、いつも書いているのは、
原作(漫画)と翻案作品(映画やドラマ)は、設定が同じでも狙いが違う別作品ということです。
ですから、まあ、1~10位は、鑑賞していて気がつく事実かもしれないけれど、少なくとも私としては、作品のマイナス評価になりません。
それは、実写だけでなくアニメ化もそうですし、原作が漫画ではなく小説の場合も同様です。
私は子供の頃、原作の『
巨人の星』や『
タイガーマスク』の熱心な読者でした。
アニメ化された時は、期待をしましたが、がっかりもしました。
理由は、上記の1~10位の多くが当てはまったからです。
川崎のぼる、辻なおきの両氏とも、かなり精緻な絵を描いていたので、テレビアニメとの差が気になりましたし、原作に登場しない人物が出てくると、何か原作を否定されたような気にもなったものです。
そして、どちらも、原作の結末とは異なる「最終回」でした。
しかし、アニメ番組としての評価が低かったかというとそんなことはありません。
どちらも、アニメ番組は独自の価値を観る者に与え、作品としての独自性を評価されているのだと思います。
実写であっても、そうした独自性の創出は当然可能だと思います。
もしないのなら、それは漫画の実写化自体が悪いのではなく、人気マンガだから実写化すればなんとかなるだろう、という製作者の安易さが現れてしまったからではないかと思います。
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マンガを超える実写もあった!?
それで、ネット掲示板の書き込みで面白かったのは、
「
マンガを超える実写なんて一作でも存在したか?」
という問いに対して、いくつか作品が上がり、いずれも「なるほど」と思えたことです。
具体的に出てきたタイトルを挙げます。
ゆうひが丘の総理大臣
釣りバカ日誌
子連れ狼
美味しんぼ(唐沢寿明版)
東京ラブストーリー
仮面ライダー
ビーバップハイスクール
あしたのジョー(山下智久主演)
特命係長 只野仁
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『特命係長 只野仁』ドラマが原作に先行!?高橋克典、梅宮辰夫
『ゆうひが丘の総理大臣』は、タイトルと登場人物の名前だけが原作から使用され、ストーリーも設定も登場人物のキャラクターも全く別物でしたが、中村雅俊ワールドが成熟した独自の学園ドラマとして、いまだにBSやCSで放送されています。
『あしたのジョー』は、まだ引退したわけではありませんが、山下智久の代表作といってもいいでしょう。
『特命係長 只野仁』は、ドラマで登場させた人物が、原作でも登場するという“逆転現象”がありました。
漫画の実写化を否定する趣旨のスレッドのわりには、結構出てきているところが皮肉ですね。
ただ、2010年以降の作品は『あしたのジョー』だけです。
多くは20世紀中に制作されています。
その意味では、
最近は実写化が好評だった作品がない
という意味で、冒頭のようなアンケート調査が登場するのでしょう。
結論。漫画を実写化したから絶対ダメだということではなく、要は、制作者に志があるかどうか、ということだと思います。
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