『まいっちんぐマチコ先生』の、アニメ版と最初の実写版の両方を観てしまいました。原作は『少年チャレンジ』や『中二コース』に連載されていた『まいっちんぐマチコ先生』(えびはら武司・作)。単行本を280万部売り上げ、アニメ化もされた1980年代の人気マンガです。同作はテレビ東京でアニメ化されたほか、実写化も何度もされたので、その最初の作品を観ることにしました。(画像はアニメ版から)
一昨日の『
青春喜劇 ハレンチ学園』について、Facebookのあるグループに夜の0時頃投稿したところ、朝起きたら一晩で100以上の「
いいね!」がついたのですが、昼見たら削除されていました。
基準はわからないのですが、『
ハレンチ学園』という題材自体がよくない、とみなされたのかもしれません。
その意味では、『
まいっちんぐマチコ先生』も同じ結果になるでしょうね。
どちらも、ナンセンスでエッチな「学園モノ」ですから。
1980年代を代表するマンガなんですけどね。
まいっちんぐマチコ先生など、80年代マンガ&アニメヒロインランキング
『アサヒ芸能』(5月2-9日号)より
ストーリーは、私立あらま学園の女性教師、
麻衣マチコと、生徒の池上ケン太、亀山タマ夫、同僚男性教師の山形国男らが騒動を繰り広げます。
原作マンガのジャンルは、「
お色気学園コメディー」ということになっています。
が、学園生活のドラマで定番のテーマである、友情とか、恋愛とか、受験勉強とか、そういったドラマツルギーは一切出てきません。
あるのは、もっぱら、
マチコ先生に対するエッチなオチばかり。
アニメは、一話完結で、生徒の仕掛けや、マチコ先生の不用意な行動でマチコ先生の乳房が見えて、マチコ先生が「
まいっちんぐ!」というのが“お約束”になっています。
現在、BANDAICHANNELで
見放題です。
http://www.b-ch.com/ttl/index.php?ttl_c=2210&xm=20&xr=9
『まいっちんぐマチコ先生』の場合も、例によって、PTAの苦情で制約があったようですが、『ハレンチ学園』が、PTAや教育委員会のバッシングを受けて凄惨なストーリーに変質していったのに比べて、『まいっちんぐマチコ先生』は、一貫して「
他愛ない」エロギャグまんがを貫きました。
スポンサードリンク↓
「くだらない」と「つまらない」の違い
最初の実写版(2003年)は、現役C.Aでありながら、社札をつけたままヌード写真を撮らせ、懲戒解雇された
仲谷かおりが抜擢されました。
パッケージや作中に、原作の漫画が使われている原作者公認の実写版作品なので、一応鑑賞してみました。
ストーリーは、ライバルの学園が、私立あらま学園に女教師・コマッチング先生を送り込み、生徒を骨抜きにして有名高校への進学状況を低下させようとしましたが、マチコ先生がコマッチング先生との「戦い」に勝利して学園を守るという話です。
「戦い」というのは、どっちがエロを感じさせるかというような「
くだらない」内容です。
実際に、Amazonのレビューを見ると、同作は「くだらない」のオンパレードです。
ただ、それは決して、同作に対する「酷評」ではないと思います。
なぜなら、飽くまでも「くだらない」であり、「つまらない」ではないからです。
作品鑑賞のレビューでは、「
くだらない」と「
つまらない」は、意味も評価も全く違います。
「くだらない」というのは、芸術祭参加作品のような尊厳さもなければ、ストーリーの精緻さなどもないという意味で、「駄作」という評価ではあるかもしれませんが、「
駄作」だから存在価値がないわけではありません。
観る者は、あえてそれを求めているかもしれない場合があるからです。
「お色気学園コメディー」が、手に汗握る迫真のストーリーでは、逆に困るわけです。
「お色気学園コメディー」へのニーズは、やはり、肩のこらない「
バカバカしさ」なのです。
その点で、同作を「くだらない」とするレビューは、実は積極的な評価ともいえます。
一方、「
つまらない」というのは、ニーズ自体に沿えていないという意味が込められ、要するに「
失敗作」です。
こういう「
俗悪」なものに対しては、必ず批判的に反応する人達がいますが、私は、
「俗悪」なものがあってこそ、立派なものも存在する、世の中はそんなふうに成り立っていると思うので、こうした作品のニーズはわかるような気がします。
Facebook コメント