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『家政婦は見た!エリート家庭の浮気の秘密 みだれて…』市原悦子 [懐かし映画・ドラマ]

家政婦は見た・タイトル

『家政婦は見た!エリート家庭の浮気の秘密 みだれて…』(1984年10月13日、大映テレビ/テレビ朝日)を観ました。8月4日は、その原案となった『熱い空気』の作者である松本清張の祥月命日です。本作は、『熱い空気』を原作として作られた『松本清張の熱い空気 家政婦は見た!夫婦の秘密「焦げた」』(1983年、テレビ朝日)をもとに作られたオリジナルストーリーのドラマです。(画像は劇中より)



本作は、「土曜ワイド劇場」の歴代視聴率記録第1位(30.9%)を記録したそうですね。(テレビドラマデータベースより)

石崎秋子(市原悦子)の今回の派遣先は門倉家。

英明(高橋悦史)は財務省主計局勤務のキャリア官僚。母親・千代(荒木道子)や妻・道子(梶芽衣子)は、調度品を厳重に管理しているので、秋子(市原悦子)は不思議に思います。

道子(梶芽衣子)の父親は、財界にも影響力のある実業家・野村壮之助(山形勲)。

英明(高橋悦史)は大学を首席で卒業しましたが、官僚として出世するにはそれだけではだめで、壮之助(山形勲)のような後ろ盾が必要。また壮之助(山形勲)にとっても、キャリア官僚と姻戚であることはメリットがあるため、打算の結婚です。

門倉家では、長男の光彦(蔵下輝美)が時々家庭内暴力を起こし、その都度、カウンセラーの若松あかね(金沢碧)が駆けつけます。調度品を厳重に片付けるのは、これが原因でした。

秋子(市原悦子)は、受験勉強のプレッシャーに苦しむ光彦(蔵下輝美)に同情し、ローラースケートを買って駒沢公園で一緒にすべったり、家政婦紹介所の自分の部屋に招き入れたりします。

秋子(市原悦子)が最初に疑いを抱いたのは、英明(高橋悦史)とあかね(金沢碧)の関係でした。

しかし、その現場を見たと思われる道子(梶芽衣子)に動揺がなく、そればかりか、壮之助(山形勲)の秘書・田沢宏也(中島久之)を家に呼んで逢瀬を重ねているため、お互いに浮気をし合っている仮面夫婦と家庭内暴力の息子の家庭だと秋子(市原悦子)は解釈しました。

しかし、英明(高橋悦史)とあかね(金沢碧)は不倫関係ではなく、家庭内暴力は世間を欺く表向きのトラブル。真相はもっと不可思議などんでん返しが待っていました。

詳しくは本作をご覧ください。

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正義感の強い告発型家政婦へ


7月29日に、『松本清張の熱い空気 家政婦は見た!夫婦の秘密「焦げた」』(1983年、テレビ朝日)について書きました。

『熱い空気(家政婦は見た!)』市原悦子、野村昭子、石井トミコ

『熱い空気』は、松本清張原作のサスペンスドラマです。

これが好評で、2作目を作るということになったものの、松本清張が続編の制作を許可しなかったとのことで、2作目以降は、1作目をモデルにしたオリジナル作品ということになります。

こういうことは、少なくともテレビ朝日には以前もありましたね。

『素浪人 月影兵庫』(1965年10月19日~1968年12月28日、東映/NET)という、近衛十四郎と品川隆二が出ていた時代劇が好評だったのですが、コメディー色が強くなり原作者の南條範夫氏からクレームが付いたことで、主演と設定はほぼ同じで、登場人物の名前だけ変えて、『素浪人 花山大吉』(1969年1月4日~1970年12月26日)という「新番組」で再スタートしたことがありました。

素浪人花山大吉.png
『素浪人花山大吉』より

本作『家政婦は見た!エリート家庭の浮気の秘密 みだれて…』は、1作目の『熱い空気』と何が違うかというと、まず主人公の市原悦子の役名が、「河野信子」から「石崎秋子」にかわり、所属する家政婦紹介が、「協栄家政婦紹介所」から「大沢家政婦紹介所」になりました。

家政婦紹介所も、同じ世田谷線・下高井戸ですが、撮影に使った家屋は違っています。

レギュラー陣はほぼ同じですが、家政婦の一人が、回によって野中マリ子から緋田景子に代わっています。

食事シーン
今回も食事シーンがあります

『熱い空気』では、矛盾に満ちた上流階級の家庭に入り、たとえば届いた書留を、やかんの水蒸気を使って開封するなど、市原悦子自らがルール違反をおかしながら積極的に手を突っ込んで壊していました。

が、2作目以降は、「家庭の秘密を知りたい」という就業の動機は同じでも、当時の時事ネタ、スキャンダルをモデルに設定された家庭の、欺瞞や悪事を告発したり、その家族に手を差し伸べたりなど、次第に正義感が強くなっています。

要するに、社会風刺ドラマとしての性格が強くなりました。

市原悦子の個性や演技力を全面開花させるのは、原作のキャラクターのほうが適している気がしますが、ドラマとしては、そのほうが作りやすかったのかもしれません。

ちなみに、第1作(1983年)の家政婦の日当は5800円。今回(1984年)は6700円と紹介されています。

3作目以降も、いずれ記事にしたいと思います。

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