地震予知が、被災(者)関連情報とともに流れてきます。台湾のブログが、22日までに北九州市にM8の大地震が起きると掲載したと話題になっていますね。それについて、NHKが公式Twitterで、「現代の科学では時間や場所を具体的に特定する地震予知は確立されていません」として、注意を促しています。
「北九州地震予知」の拡散は、ネットの芸能人叩きよりも、よほど罪深い拡散だと私は思っています。
まだ22日すぎるまでは25時間ぐらいありますが、「予知」の当たり外れにかかわらず、根拠のない「予言」のたぐいで右往左往すること自体、私たちは深刻に考える必要があるのではないでしょうか。
報じたページにリンクしておきます。
「北九州市で大地震が起きるの?」"地震予知"めぐる問い合わせで、NHKが注意喚起
http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/20/eartquake-forecast_n_9735626.html
上の画像は、Facebookのタイムランに流れてきた「地震予知」情報です。
「地震予知」は、Facebookのタイムランにも、いくつも流れてきます。
熊本・大分の震災・被災がまだ収束していない時なので、一部の人はコーフンして、そういう
科学的に確立していない情報の拡散をいいことだと信じて行っているので、始末に負えません。
これ、やはりまずいですよ。
「現地の人は今すぐ避難しろ」などと断言していますもの。
でも私が、冒頭の画像の投稿に対して、「
外れた時、発表者や拡散者はどう責任を取るのですか?」とコメントで質しても、投稿者はノーコメントです。
責任もてない拡散なんかやめろよな!
NHKが注意喚起している通り、地震予知の手法は科学的に確立していません。
ということは、「地震予知」のタグイは、いつぞや流行した“
ノストラダムスの大予言”と同じものなのです。
今、被災がリアルに起こっている時、そんな情報が流れたら、どれだけ北九州の人に恐怖感を与え、困惑と混乱をもたらすか。
そこを考えていただきたいですね。
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もし、もし万が一、万が一ですよ
もし明日、北九州に本当に地震があったらどうか。
オカルト好きは、「当たった」と不謹慎に狂喜するかもしれませんが、そのブログは、月に60~80回のペースで、世界各地の「地震予知」を繰り返しているそうです。
しかも、北九州市のどこが震源か、という具体性のある「予知」をしているわけでもありません。
http://www.j-cast.com/2016/04/15264251.html?p=all
将来はわかりませんよ。
そこから、客観的な予知手法が絶対に誕生しないとまではいえません。
でも少なくとも今の時点では、あいまいで、数多く「予知」しているものに過ぎない、という話です。
Facebookには、こういう意見もありました。
「
根拠や信ぴょう性はどうあれ、そういう情報は用心として、前向きに受け取るぐらいいいのではないか?」
予防原則なら、「予知」に関係なく普段から備えていればいい話です。
繰り返しますが、合理的根拠の無い「予知情報」に右往左往するという態度が問題なのです。
今回の「北九州地震予知」。
拡散者や、それを「いいこと」と思っている人々は、過去にあった「
地震悪徳商法」に学べないのかと私は思います。
「地震予報」を標榜する人が、不安を煽ったうえで地震の予知情報を教えると会員を募り、お金を搾取するトラブルはしばしば報じられているではありませんか。
個人が主観として、何かを地震の前触れと思うのは自由ですし、そもそも止められません。
しかし、それがいかにも社会的に認知された情報のような扱いや装いをもったものは、きちんと否定していく理性が私たちには求められます。
地震の前触れとして一部の人に信じられている、宏観異常現象についても一言しておきます。
地震の前になると、動物が逃げ出すとか、そわそわするといった話も、科学的には全く立証されていません。
科学は「ない」ことは証明できませんから、「ない」とはいえませんが、「ある」ことが確たる根拠をもって示されたことはありません。
まとめ
震災以来、支援をしただのしないだのという点から、ネット民の芸能人叩きが問題になっています。
私自身は、それよりも、今回の地震の対応の揚げ足を取って、対立相手を貶めることに使っている「政争」のほうが腹が立ちますけどね。
いずれにしても、今回の震災では、「地震予知」を含めて、少なくとも「余計なことを言わない」で無用な混乱をもたらさないことが、実は一番求められているのかもしれません。
ちなみに、地震雲による地震予知があたっているかどうかについては、過去の記事を参考にしてください。
⇒
地震予知、今週の関東地方は?
⇒
上出孝之所長、地震雲で地震予知報道再び
⇒
上出孝之氏“地震雲”警告、また話題になっている
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