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「インターバル速歩」は脳の老化にどこまで効果があるか [健康]

走る画像

「インターバル速歩」について紹介されていました。私はあいにく知らずにリアルタイムでは見逃してしまったのですが、毎週日曜日22時から、BSJAPANで放送されている『日経おとなのOFF』という番組の情報がFacebookのフィードに流れてきました。面白いなと思ったものがあったので、早速観ました。そこで紹介されていたのが「インターバル速歩」です。

『日経おとなのOFF』では、2015年5月第2~4週にわたって(マンスリー特集)、「脳」を特集していました。

5月のマンスリー特集は、5月8日が「健康な脳をつくる」、5月13日が「健やかな脳をつくる」、5月25日が「認知症予防の歩き方」でした。

この「認知症予防の歩き方」について少し書いてみます。

番組は動画で公開されています。

テレビ日経おとなのOFF
http://www.bs-j.co.jp/off/backnumber/backnumber01_77a.html

内容をかいつまんで書きます。

諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授によると、人間の脳は20歳以降は加齢とともに萎縮し、特に記憶を司る海馬の神経細胞が減少。歳を取ると物忘れなどしますが、その萎縮が著しく行われるのが認知症といいます。

以前は、65歳以上の人の脳の神経細胞は減る一方で、海馬が1年に1~2%ずつ萎縮すると言われてきました。

ところが、10年前に大人の神経細胞は増やせないという説を覆す研究結果として、運動することで脳の萎縮を抑制できることが明らかになったといいます。

高齢のマウスを、運動が脳に与える影響を調べた結果、運動によって分泌されるイリシンにより、海馬の神経細胞の成長を促すことが、ハーバード大学の研究者等によって明らかにされたといいます。

そして、運動の中でも筋トレが、有酸素運動の2倍、イリシンが分泌されるそうです。

ただし、筋トレばかりやっていると、逆にストレスからイリシンの分泌が阻害されるので、前述の「インターバル速歩」が番組では奨励されています。

そこで、認知症予防に効果的な運動として、番組では「インターバル速歩」を紹介しています。

「インターバル速歩」とは、文字通り速歩を休み休み行うこと。といっても座り込んで休むのではなくて、速歩をはさむウォーキングを行うことで、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせた運動になるという話です。

番組を観ていて印象深かったのは、通常の歩行では、1万歩歩いても筋力は落ちてしまうということです。

よく成人の健康法の目安として、ウォーキング1万歩なんていわれますよね。

歩くだけなら楽でいいや、なんて思いましたが、楽なものは「それなり」ということなのでしょうか。

筋トレも有酸素運動も、バランスよく必要ということです。

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ランニングなどを「組み合わせる」運動


「インターバル速歩」は、認知症が脳の萎縮が著しいということで紹介されたわけですが、本来誰でもおすすめの運動です。

以前ご紹介した、『仕事力のある人の運動習慣ー脳細胞が活発になる二倍速生活』(角川書店)で、吉田たかよし氏は、暗記力だけでない脳を鍛えるには脳トレでは不十分で、運動が必要と書いていました。

吉田たかよし

Google検索画面より


アメリカ・イリノイ州では、毎朝、ランニングなどを組み合わせる運動を行ったところ、TIMSS(算数・数学や理科についての知識と知能)において数学は世界6位、理科は世界1位だったそうです。

吉田たかよし氏は、運動によって鍛えられる心臓血管能力に着目していますが、「ランニングなどを組み合わせる運動」というところがミソですね。

今回の筋トレ+有酸素運動によるイリシン分泌と、何か関係あるのかもしれません。

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発達障害や遷延性意識障害はどうか


では、発達障害の人はどうでしょうか。

発達障害には知的障害が含まれますが、脳の免疫細胞のミクログリアの、活発すぎる活動が原因という説が最近発表されているので、イリシン分泌が解決になるかどうかはわかりません。

運動自体はしてはいけないということではないですから、イリシン云々ではなく、運動は行った方がいいですが。

遷延性意識障害など、自力で運動できない場合でも、外を散歩をするだけでも脳への刺激があると思います。

4年前、1週間の昏睡から意識を取り戻したものの、まだ夢と現実の区別がつかずぼんやりしていた妻は、面会時間が限られていたので私はできませんでしたが、ちょうど今頃の初夏だったので涼しくなった夕方に、車いすで散歩をしてもらったらしいです。

このブログで何度かご紹介している福寿草さんの夫人は、遷延性意識障害9年目にして、何と書字訓練に入り、縦線、横線などを(偶然の付随運動ではなく)自覚的に書くようになったとブログに書かれています。文章だけでなく動画付きです。

ポータブルスプリングバランサーを用いた書字訓練

すごいなあと思いますね。

ブログには、福寿草さんが夫人を車いすに乗せて、どこかへ行った写真がよく掲載されるのですが、そうした外界の刺激がいい影響を与えてきたのではないかと私は思っています。

『究極の愛について語るときに僕たちの語ること』遷延性意識障害の真実
遷延性意識障害、復活選挙権行使の快挙

私自身もさっそく、「インターバル速歩」を実践してみます。

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