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『人の寿命は「肌」でわかる、「腸」で決まる』漢方で体質改善 [健康]

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『人の寿命は「肌」でわかる、「腸」で決まる』(荒浪暁彦著、ワニブックス)を読みました。タイトル通り、肌に健康状態が現れ、免疫機能のかなめとなる腸がそのカギを握る、という話です。腸が健康に大きな役割を果たすことは、以前からいわれていたことですが、著者は現役の皮膚科医師らしく、腸と肌の状態とを結びつけ、健康と美容を幅広く語っているのが特徴です。



皮膚科医である荒浪暁彦氏は、プロローグの冒頭から、「からだの状態はほぼ見た目どおりである」と書いています。

健康な人は、肌の色ツヤが良く、実年齢よりも若く見え、逆に内科的な検査で体のどこかに不調を抱えている場合は、顔にシワやたるみなど疲れた印象があるといいます。

そして、肌の美しさに反映するのは内臓の健康状態であり、それは具体的に胃腸の健康状態と直結しているといいます。

すなわち、美容と健康の鍵はまず胃腸にあることを強調しています。

そこで、荒浪暁彦氏は、「肌トラブルは内から治す」と同書で標榜。それを「原因療法」と呼んでいます。

同書では、写真付きで、アトピー性皮膚炎の赤ちゃんが、ステロイド剤治療ではなかなか改善が見られなかったのに、胃腸虚弱を治す小建中湯という漢方薬を飲ませたところ、みるみる肌の状態が長くなり、めでたく完治したことや、口の周りのにきびが治らなくて困っていた女性が、胃腸を整える半夏瀉心湯という漢方薬で、頑固なにきぴとさよならをした例などが書かれています。

荒浪暁彦氏は、胃腸の中でもとりわけ腸の役割に着目。

からだを守る免疫機能の70%は腸に集中しており、がん細胞の発生を抑制するためには、腸がつねに健康な状態に保たれていることが重要だといいます。

そして、同書では腸内フローラについての解説が書かれています。

最近は、腸内フローラが健康のカギを握る、という説が多いですね。

このブログでも、腸内フローラについて記事にしたことがあります。

「腸内フローラ」サプリメントで自閉症や糖尿病は予防できる?

『日刊ゲンダイ』(5月6日付)

肌については、毎日のマッサージや、体を冷やさないことなどが書かれています。

さらに、荒浪暁彦氏は、肌だけでなく毛髪にも言及。

抜け毛は加齢だけでなく、糖尿病や甲状腺疾患、精神疾患、脂漏性皮膚炎、全身性エリテマトーデスなど様々な原因が考えられるので、毛髪と頭皮のケアだけでなく、やはり体の中から改善ししていくことが求められるといいます。

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コラーゲン信仰にピシャリ!


同書に書かれていることは、東洋医学を標榜する著書でよく見かける話を総花的にまとめている印象があります。

現実に、様々な体の不調に対して、具体的な漢方薬の名前を出しています。

ただ、それだけでなく、これまで当たり前のように思われてきたり、異論があったりしたことについて、皮膚科医師として答えも出しています。

たとえば、コラーゲンは肌にいいと言われていますが、分子量の大きいコラーゲンは肌から吸収できないと、巷間の宣伝文句を否定しています。

また、育毛シャンプーで髪の毛が増えた、という事例も「あまり聞いたことはありません」と懐疑的です。

毛母細胞に作用しなければ、発毛は望めないからだそうです。

その一方で、唯一、毛母細胞に作用すると皮膚科医師が認める育毛剤について、具体的に商品名を挙げて説明したり、自由診療の育毛治療なども紹介したりしています。詳細は同書をご覧ください。

それ以外にも、肌の洗い過ぎはうるおいをなくすので注意が必要、除菌はアルコールよりも流水の方がいい、石鹸に泡立ちを必要以上に重視することはない、たばこは肌にも百害あって一利なし、といった話が書かれています。

肌や育毛など、美容を含めた健康を考えている人には、とくに有用な話が書かれていると思います。

人の寿命は「肌」でわかる、「腸」で決まる

人の寿命は「肌」でわかる、「腸」で決まる

  • 作者: 荒浪 暁彦
  • 出版社/メーカー: ワニブックス
  • 発売日: 2015/04/28
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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