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墓参り、雨の中で考えた「○○家之墓」が減った2つの理由 [社会]

成田山

墓参りに朝から行ってきました。場所は千葉県成田。空港の近くです。いつもは車で行くのですが、自家用車がかなり古くなったのと、この日は1人で行ったので、気楽に電車の旅を楽しむことにしました。でも、あいにくの天気だったのは残念でした。



千葉県成田というと、真っ先に連想するのが空港でしょうか。

それだけでなく、ゴルフ場、お寺、霊園などもあり、私の父の墓も、成田空港の近くにある関東では有名な霊園です。

お天気は未明から雨模様。普段なら順延や中止にするところですが、今年は年忌法要(といっても弔いあげの過ぎた43回忌)だったので決行しました。

出発したのは朝5時半。

霊園の売店が開いていないことも想定して、線香だけは近所のコンビニで調達。

都営浅草線西馬込操車場付近はまだ暗かったです。

西馬込操車場

西馬込駅から、都営・京成・北総線直通の印旛日本医大行に乗車します。

西馬駅

鉄道ファンならご存知のように、京急、都営浅草、京成、北総などは相互乗り入れしています。

都営浅草線

この白い車両は都営浅草線です。

そして、押上スカイツリー駅から先は京成線に入り、高砂駅で京成線の特急・成田空港行に乗り換え。

京成線の特急・成田空港行

特急といいますが、佐倉より先は各駅に止まります。

高砂から約1時間で京成成田に到着。

そこからは、成田市が運行しているコミュニティバスへ。

コミュニティバス

勝手がわからず停留所を間違えたため、走りかけたバスに慌てて乗ったのでバスの撮影はできませんでした(汗)

そのかわりに、バスから撮った風景。

風景

このへんまでくると、ビルの林立する東京の景色とは全く違ってきます。

霊園からは少し離れたところに停留所があり、仕方なく歩きました。

そして、待合所(あずま屋)に到着。着いたのは8時半でした。

待合所(あずま屋)

ということは、ここまで出発から3時間。

千葉は東京の隣の県ですが、品川から新幹線使って、ほぼ新大阪まで行けちゃう時間がかかったことになります。

お店は開いていたので、花を買って墓地に向かいました。

大変広い霊園ですが、誰も墓参に来ていません。雨と風がすごかったのです。

大変広い霊園

なんでもない時だったら、来なかったんですけどね。

まあ、「来た」ということに意義があるのだと自分に言い聞かせて午前10時前には引き上げました。

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相対的に減っている家制度的墓


ところで、我が家はこの霊園が出来て間もないころ、永代使用の契約をしたのですが、その頃は墓もまばらだったのが、今はほとんど空きがない状態です。

そこで、新しくできたまわりの墓を見ると、「ナニナニ家之墓」と刻まれたものが相対的に減り、「絆」とか「仲間」とか、「集い」とか、そういった抽象的な言葉が刻まれた墓が増えてきたような気がします。

ちなみに、今回の我が家の墓も、墓石に刻まれているのは「ナニナニ家之墓」ではなく、抽象的な言葉です。

「ナニナニ家之墓」が減った理由は、ひとつは、家制度の否定が、戦後70年たって、形になってあらわれてきたのかな、という気がします。

私の叔母が、以前夫が亡くなった時、その夫の実家との関係が切れて、夫一族の墓に入れなくなると、自分はどうしたらいいのかと心配していました。

でも、今は一族郎党が「ナニナニ家」の墓に入るというしきたり自体、なくなりつつあるんじゃないでしょうか。

核家族化で、そんなもん、こっちから願い下げだといわんばかりに、先祖から続く墓に入ることを拒否して、その家族の墓を新たにつくったり、最近では、夫婦ですら同じ墓に入らず、友達同士の墓に入ったりする話も聞きます。

また、“墓じまい”や“散骨”が話題になるように、墓そのものを否定する価値観が、今後はより大きな流れになるかもしれません。

墓は、墓参を通じて、子孫が先祖の存在を思い出したり再確認したりして敬うための象徴として否定はできないのですが、子孫に墓守の負担をかけることも確かですよね。

みなさんは、ご自身の“収まりどころ”は決めておられますか。

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