『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』リリーとの関係 [懐かし映画・ドラマ]
『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』(1997年、松竹)を観ました。次回作(49作目)も主演予定だった渥美清の死去により、急遽作られた作品だそうです。過去に作られた『寅次郎ハイビスカスの花』(1980年)を中心に、『寅次郎忘れな草』(1973年)、『寅次郎相合い傘』(1975年)などの一部シーンを使って、新たなストーリーを構成。ロケシーンに渥美清のCGも加えています。
『寅次郎ハイビスカスの花』『寅次郎忘れな草』『寅次郎相合い傘』は、いずれも浅丘ルリ子演じるリリーがマドンナの作品です。
ただ、今回の主役は車寅次郎ではなく、甥の満男(吉岡秀隆)。
というより、新たに撮影したシーンは満男しか出ていません。
オープニングは、とある田舎駅。営業で地方を回っている満男が電車を待っています。
一瞬、CGで描かれた車寅次郎をホームの向こう側に。
「おじさん、今頃どこを旅してるんだろう…」と、満男は車寅次郎を思い出します。
そして、過去の車寅次郎とリリーとの、3度の出会いと別れが、3作品の映像を使って順番に描かれています。
まあ要するに、寅次郎とリリーのエピソードをまとめてダイジェストで観ることができる作品です。
『男はつらいよ』で、浅丘ルリ子が演じるリリーは合計4度マドンナとして登場します。
口の悪いリリーですが、女性のデリケートな気持ちがわかる車寅次郎は、それが虚勢だと気づくだけでなく、自分と同じような身の上であることに親近感を覚えます。
最終作の『男はつらいよ 寅次郎紅の花』(1995年)を観た後なので、過去のシーンは、浅丘ルリ子をはじめ、出演者も若いなあ、大河ドラマなあと思いました。
ただ、どの作品も、リリーと「とらや」の面々のシーンだけが採用されています。
本当は、それらの作品はカットされている部分にも面白さがあるのです。
たとえば『寅次郎相合い傘』では、船越英二が出演しています。
寅さんが旅先で知り合った、蒸発したサラリーマンという設定なのですが、寅さんと、リリーと、サラリーマンの、3人の気楽な旅が同作では描かれています。
退職金がわりにもらった、焼け残りの万年筆とやらをさばく「泣き売」を3人で演じたり、お金がなくて駅のホームに「宿泊」するのに、サラリーマンはいちいちパジャマに着替えたりと、コミカルで羨ましいシーンが作品の重要な部分を占めています。
『寅次郎忘れな草』には、リリーの最初の結婚が描かれていて、結婚相手は寿司屋の職人(毒蝮三太夫)でした。
『寅次郎ハイビスカスの花』では、寅さんとリリーがいつものようにいったん別れます。
ストーリーとしては普通そこで終わりかと思ったのですが、最後のシーンで、田舎のバス停に待つ車寅次郎を見かけたリリーがまたしても車寅次郎の前に登場。
寅さんに声をかけ、自分が乗っているマイクロバスに乗せてあげるところで終わっています。
別れるところで終わるはずが、また仲良くしているのです。
当時、こういう終わり方もいいなあと思っていましたが、それが、第48作の4度目の登場の伏線になっているわけです。その間15年あるわけですが……。
「『男はつらいよ 寅次郎紅の花』なぜ寅さんは女性と結ばれないか」で書いたように、ファンの思いとは別に、リリーの側はともかく、寅次郎はリリーと結婚するのは厳しそうです。
リリーのように、相手の心に踏み込む女性が寅次郎は苦手なのです。
でも、お互いのことを理解し合える関係であることも間違いありません。
結婚とはなんだろう。男と女とはなんだろう、人間関係とはなんだろう。
寅さんとリリーとの出会いと別れを見ていると、そんなことを考えてしまいます。
『寅次郎ハイビスカスの花』『寅次郎忘れな草』『寅次郎相合い傘』は、いずれも浅丘ルリ子演じるリリーがマドンナの作品です。
ただ、今回の主役は車寅次郎ではなく、甥の満男(吉岡秀隆)。
というより、新たに撮影したシーンは満男しか出ていません。
オープニングは、とある田舎駅。営業で地方を回っている満男が電車を待っています。
一瞬、CGで描かれた車寅次郎をホームの向こう側に。
「おじさん、今頃どこを旅してるんだろう…」と、満男は車寅次郎を思い出します。
そして、過去の車寅次郎とリリーとの、3度の出会いと別れが、3作品の映像を使って順番に描かれています。
まあ要するに、寅次郎とリリーのエピソードをまとめてダイジェストで観ることができる作品です。
『男はつらいよ』で、浅丘ルリ子が演じるリリーは合計4度マドンナとして登場します。
口の悪いリリーですが、女性のデリケートな気持ちがわかる車寅次郎は、それが虚勢だと気づくだけでなく、自分と同じような身の上であることに親近感を覚えます。
最終作の『男はつらいよ 寅次郎紅の花』(1995年)を観た後なので、過去のシーンは、浅丘ルリ子をはじめ、出演者も若いなあ、大河ドラマなあと思いました。
ただ、どの作品も、リリーと「とらや」の面々のシーンだけが採用されています。
本当は、それらの作品はカットされている部分にも面白さがあるのです。
たとえば『寅次郎相合い傘』では、船越英二が出演しています。
寅さんが旅先で知り合った、蒸発したサラリーマンという設定なのですが、寅さんと、リリーと、サラリーマンの、3人の気楽な旅が同作では描かれています。
退職金がわりにもらった、焼け残りの万年筆とやらをさばく「泣き売」を3人で演じたり、お金がなくて駅のホームに「宿泊」するのに、サラリーマンはいちいちパジャマに着替えたりと、コミカルで羨ましいシーンが作品の重要な部分を占めています。
『寅次郎忘れな草』には、リリーの最初の結婚が描かれていて、結婚相手は寿司屋の職人(毒蝮三太夫)でした。
『寅次郎ハイビスカスの花』では、寅さんとリリーがいつものようにいったん別れます。
ストーリーとしては普通そこで終わりかと思ったのですが、最後のシーンで、田舎のバス停に待つ車寅次郎を見かけたリリーがまたしても車寅次郎の前に登場。
寅さんに声をかけ、自分が乗っているマイクロバスに乗せてあげるところで終わっています。
別れるところで終わるはずが、また仲良くしているのです。
当時、こういう終わり方もいいなあと思っていましたが、それが、第48作の4度目の登場の伏線になっているわけです。その間15年あるわけですが……。
「『男はつらいよ 寅次郎紅の花』なぜ寅さんは女性と結ばれないか」で書いたように、ファンの思いとは別に、リリーの側はともかく、寅次郎はリリーと結婚するのは厳しそうです。
リリーのように、相手の心に踏み込む女性が寅次郎は苦手なのです。
でも、お互いのことを理解し合える関係であることも間違いありません。
結婚とはなんだろう。男と女とはなんだろう、人間関係とはなんだろう。
寅さんとリリーとの出会いと別れを見ていると、そんなことを考えてしまいます。
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