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「がんもどき理論は確実に間違っている」大場大氏の寄稿が話題に [健康]

医学

「がんもどき理論は罪深い」と、今週号の『週刊新潮』(2015年7月9日号)で、大場大氏(東京オンコロジークリニック院長、前東大病院医師)が寄稿しています。医学的に、検討に足る論文が発表されたこともない「近藤誠理論」ですが、熱心な信者がいるため、適切な治療の機会を失ってはいけないと、大場大氏は「がんもどき」理論が、「信じられないような非科学、バイアス(偏り)、観念、非合理のオンパレード」であることを、近藤誠氏が好んで使う根拠によって説明しています。

今日の記事は、久しぶりに荒れるでしょうね。

あちゃー

でも、書くべきことは書きますよ!

がんもどき理論とは結果論の「理論」




まず最初に、大場大氏が述べているのは、「がんもどき」は、結果から逆算した「無敵」の論理であること。

これ、決して「無謬」という意味ではないですよ。

「がんもどき理論」は、がんを放置した患者が亡くなっても、「抗がん剤を使ったらもっと早く亡くなっていただろう」といい、命が続けば「がんもどきだった」と言います。

いずれも結果論と仮定の話だけですから、否定しようがないのです。そういう意味での「無敵」なのです。

しかし、それは「無敵」ではあっても何も解明したことになりません。

以前、長尾和宏氏の著書、『「医療否定本」に殺されないための48の真実』(扶桑社)をご紹介したことがありましたが、「がんもどき」はあと出しじゃんけん、と述べている内容もその点を指摘しています。

『「医療否定本」に殺されないための48の真実』の真相

はじめから、「これはがんもどきである」と診断できるのならともかく、近藤誠氏は「がんもどき」と「本物のガン」の違いについて、「わからないことが少なくありません」などと、何とも心もとないことを言っています。だったら疑わしい患者はどうすればいいのでしょうか。無責任でしょう。

病気の診断というのは、「疑い」の場合、疑えるものを前提に徹底的に検査をし、その疑う根拠が完全に否定された時、初めてシロになるものです。「疑わしきは治療せず」で取り返しがつかないことになって、近藤誠氏はいったいどんな責任が取れるのでしょうか。

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近藤誠氏はどこがおかしいか


近藤誠氏が好んで使う、「オーストラリアの早期がん患者」が、約1~3年放置しても変化がなかったという報告は、30年も前に発表された25行程度の報告で、たった7名の3年間の調査で結論が出せるのか、と大場大氏は憤っています。

また、抗がん剤使用と放置の比較で「放置の方がいい」とする主張については、その根拠に、時代も患者の背景も全く異なる別の調査を貼りあわせて「比較」する不正を行っていることも大場大氏は指摘しています。

さらに、「がん検診はやればやるほど死者を増やす」という説には、子宮頸がんの検診におけるエビデンスを紹介し、検診の有効性を示しています。

まあ、信者というのは「信じる者」ですから、医学云々ではなく宗教になっているので、たぶんあまりこの記事を読んでも大場大氏の思いは伝わらないと思います。信じること自体自由ですしね。

ただ、「がんもどき理論」が、はたして医学的にどうなのか、ということをまじめに判断したいという気持ちがあるなら、この記事は近藤誠理論の問題点を端的に指摘したものとしてご一読をおすすめします。

信奉者について思うこと


医学的な論争というと、糖質制限の是非が思い浮かびますが、これは現役の医師・医学者で意見がわかれています。

一方、「がんもどき」の話は、患者の側に信者がいるだけで、医学的には全く認められていません。

なぜなら、医学論文として発表されたことは1度もないからです。

たしかに、医師によっては抗がん剤の使用自体に温度差はあるようですが、がんを放置しろとまで言っているのは近藤誠氏だけです。

しかし、信者というのはすごいですよ。

私ごときの個人ブログでも、「がんもどき理論」に懐疑的な書き方をすると、とたんに信者のコメントで「炎上」していましたから。

「がんもどき理論」については、以前「近藤誠医師の「がんもどき」理論、生還の事実をどう見る?」でも書きました。

おそらく、その人たちは、がん治療が「怖い」か「憎い」か、の人たちなんだろうと、私はにらんでいます。

自分の近い人を亡くすと、いかりや悲しみの持って行きどころがなくて、医療のせいにしたくなっちゃうんですよね。

たしかに今の医療、ドクハラもあるかもしれないし、今の医学が無謬・万能ということでもありません。

でもね、そういう人々に言いたいのは、あなたの大事な人は不幸にして亡くなったかもしれないが、世の中は今の医学で命拾いした人たちもたくさんいるんだ、ということです。

そして、あなた自身も今後、その医学で助けてもらう日が来るかもしれないのです。

個人の感情と僅かな経験だけで否定できるほど、今の医学は軽いものではないと私は思うのですが。

私も、妻子が意識不明の重体になった時、某独立行政法人の医師には毎晩呼び出されて脅かされましたけどね。

でも24時間、処置と完全看護で対応していただいたことには感謝しています。

週刊新潮 2015年 7/9 号 [雑誌]

週刊新潮 2015年 7/9 号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/07/02
  • メディア: 雑誌


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