視覚障がい者用の点字ブロックが、「共謀罪阻止」のデモによって塞がれた、とする画像つきのブログ紹介がFacebookタイムランに流れ、一部の人が興奮しています。しかし、私にはオルタナティブ・ファクトの一種にしか見えず、何より視覚障がい者をその対象に使ったことに許しがたい思いです。
Facebookのタイムランに流れてきたのがこれです。
Facebookタイムランより
たしかに画像には、点字ブロックの横に、人の座り込みの列が見えます。
「この夜間デモでは、点字ブロックをパイロンとバーで「規制」しています。」などとリンクされた記事に書かれています。
要するに、点字ブロックを塞いで、視覚障がい者をないがしろにしてデモに酔いしれていると「糾弾」しているのです。
しかし、結論から書くと、これは“オルタナティブ・ファクト”でしょう。
デモで道路を使ったのは事実なので、フェイクニュースではないのですが、ある一場面を切り出した静止画をもとに、全体としての真実を歪める詐術を行うことです。
デモの目的や主催者に悪意のある人が、視覚障がい者の通行を妨害しているとの悪印象を与える意図をもって書いていることは明らかです。
だったらお祭りの露店のテキ屋にも文句言ってみろ!
道を集会やデモに使う場合、道路交通法と都道府県の条例に基づいて、警察署に許可申請を行う必要があるとされています。
具体的には、警察に集会・集団示威運動許可申請書を提出します。
http://freeter-union.org/mayday/demo-reclaim-paper.pdf
この手続自体を否定する意見もありますが、警備などのことを考えると、私は一概に悪いこととは思いません。
いずれにしても、デモ主催者は然るべき手続きは取っているのではないかと思います。
もしとっていなければ、無届デモである事自体を騒ぐべきだし、その方がよほど意味があります。
でも、デモを叩いている今回の意見に、そのような筋の通ったものは全く見当たりません。
デモ自体は、憲法で保証されたものですし、公共の安寧の保持に直接危険を及ぼす場合以外は、政治目的の右左に関係なく、普通は許可されます。
もちろん、手続きを取ろうが、その間、道路がふさがり、そこを通りたかった視覚障がい者に迷惑をかけるということはありえます。
が、デモは視覚障がい者の歩行を邪魔することが目的ではありませんから、少なくとも、冒頭のFacebookの投稿のような表現は妥当ではありません。
考えても見てください。
たとえば、お祭りで、露店が点字ブロックや道路を塞ぐことはありますが、冒頭の投稿者や同調者たちは同じように騒ぐでしょうか。
「共謀罪阻止」のデモが気に食わないから、今回だけ急に騒いだのでしょう。
スポンサーリンク↓
「騒ぎ」のまとめ
いずれにしても、
視覚障がい者を
ネガティブキャンペーンのダシに
利用しないでいただきたい。
私はそう思いました。
ネットの情報に限らず、世の中は僅かな「事実」をもとに、大きな真実を歪める情報に満ちています。
“オルタナティブ・ファクト”。気をつけたいですね。
Facebook コメント