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生活の中の仏教、仏教そもそも論 [仏教]

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仏教というと、わたしたちの暮らしには、初詣、葬儀、法事、人によっては仏前結婚式など人生の節目節目でお世話になっています。しかし、では仏教についてどれくらいわかっているのかというと、必ずしも深い信仰があるとは限りません。

まさに、葬式仏教という感じです。

しかし、せっかくわたしたちの暮らしに関わりを持っているのですから、特定の宗派に対する信仰があるかないかにかかわらず、一定の知識はあってもいいのではないでしょうか。

たとえば、仏教は宗教ではありますが、キリスト教やヒンズー教とは根本的に違います。

それは、絶対創造主(神様)を前提とした世界観ではないことです。

したがって、神様の差配で世の中が管理されているという考え方をしないので、いきおい、神様に向けての信仰ではなく、自分自身の心の悟りが目的となります。

また、仏教は、お釈迦様が開祖といわれますが、お釈迦様が直接関与した初期の仏教と、私たちが仏教と言っている諸宗派は、異なるものです。

後者を、大乗仏教といいます。

前者を上座部仏教といいます。

両者は、狙っているところが違います。

上座部仏教は、出家して自身の解脱を目指すことを重視します。

解脱というのは、煩悩をなくして、すべての束縛から自由になり、不生不滅の境地に入ることです。

煩悩をなくすために、出家して、生産活動もしてはいけないのです。

一方、大乗仏教というのは、在家のままで涅槃を目指すことです。

そんなところをお含みおきの上、以下をお読みください。

仏教とキリスト教の違い


仏教とキリスト教は、異なる宗教であり、以下に示すようないくつかの主要な違いがあります。

神の存在:キリスト教では、唯一神が存在し、信仰の中心である。一方、仏教は神の概念を持たず、宇宙の根源は「無」であると考えます。
  • 人間観
  • キリスト教では、人間は神によって創造された神の子であり、神の御心を知ることができます。一方、仏教は人間を「自己」の存在と捉え、自己を知ることによって、苦しみを克服し、解脱を追求することができると考えます。
  • 救済
  • キリスト教では、人間は罪を犯し、神から救済を必要としています。イエス・キリストの死と復活によって、人間は罪から解放され、永遠の命を得ることができます。仏教では、救済とは自己の苦しみから解放されることであり、仏道を修めることによって実現されます。
  • 聖典
  • キリスト教には聖書があり、神の啓示を記録しています。一方、仏教には多数の経典があり、ブッダの教えを記録しています。
  • 社会観
  • キリスト教は、個人の救済に加えて、社会的正義や愛に重点を置いています。一方、仏教は、個人の解脱を追求することを中心に据えています。

これらは、仏教とキリスト教の大きな違いの一部ですが、それぞれの宗教には独自の歴史、文化、実践方法があります。

上座部仏教と大乗仏教の違い


上座部仏教(テーラワーダ仏教)と大乗仏教(マハーヤーナ仏教)は、仏教の2つの主要な伝統です。以下は、両者の違いのいくつかの例です。

仏教経典の解釈:上座部仏教は、仏陀の言葉を直接的に理解することを重視しています。彼らは、パーリ語で書かれたテーラワーダ経典を重要視し、その教えを実践することを目指します。

一方、大乗仏教は、仏陀の教えをより深く理解するために、仏陀の教えを拡張することを重視し、多くの経典や教義を開発しています。

仏陀への信仰:上座部仏教は、仏陀を崇拝することはなく、彼を神格化することもありません。

一方、大乗仏教は、仏陀を非常に高く評価し、仏陀の神格化や仏教徒による仏陀への献身を行います。

教理の範囲:上座部仏教は、仏陀の教えを厳密に解釈し、実践することを目指します。

彼らは、主に個人の救済と精神的な解放を追求します。

一方、大乗仏教は、広範囲な救済を目指し、人々が幸福であること、社会の問題を解決すること、そして慈悲や智慧を実践することを重視します。

仏教徒の役割:上座部仏教は、仏教徒が自己実現を達成することを目指し、個人の努力を強調します。

一方、大乗仏教は、仏教徒が他の人々を救済すること、そして全人類のために慈悲の行為を行うことを強調します。

これらの違いは、上座部仏教と大乗仏教が異なる理解を持ち、別々の目標を持っていることを示しています。しかし、これらの伝統は、共通の基盤を持っており、両方とも仏陀の教えと実践に基づいています。

上座部仏教と大乗仏教は、いずれも仏教の二つの主要な分派です。

上座部仏教は、釈迦が教えた原始仏教の伝統を受け継いだ分派で、南アジアのターランガ国(現在のスリランカ)を中心に広がりました。

上座部仏教は、四諦(苦諦、集諦、滅諦、道諦)や八正道などの教えを重視し、修行の過程で個人の覚醒(悟り)を目指すことを主眼としています。

また、上座部仏教は、原典であるパーリ語経典を重視しており、パーリ語仏典が権威的な位置を占めています。

一方、大乗仏教は、紀元前1世紀頃から誕生し、中国や日本を中心に広まりました。

大乗仏教は、仏教の教えをより多くの人々に伝えることを目指して、上座部仏教の教えを拡大・解釈したもので、教理や教義の規模が大きく、多様な仏教経典が存在します。

大乗仏教は、菩薩道(覚者になることを目指す人々の道)を重視し、すべての人々が悟りに達することを目指します。

また、大乗仏教は、密教や禅宗などの教派も生まれ、多彩な修行法や儀式が展開されました。

そのため、上座部仏教と大乗仏教は、教義の規模や教えの内容、修行法などにおいて異なる点が多くあります。

しかし、どちらの分派も仏教の教えを重視し、人々が幸せに生きるための智慧を追求している点は共通しています。

さて、仏教のアウトラインだけでも、ご理解いただけたでしょうか。

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