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『加山雄三のブラックジャック』灰色の館、入川保則 [懐かし映画・ドラマ]

灰色の館

『加山雄三のブラックジャック』(1981年、松竹/テレビ朝日)をこれまで何度かご紹介しましたが、今日は久々にその第11話『灰色の館』を観ました。入川保則とジャネット八田が夫婦を演じ、そのすさまじいストーリー展開で重い余韻が残りました。(画像は断りのないものは劇中より)



これまで、『加山雄三のブラックジャック』は3話記事を書きました。

『加山雄三のブラックジャック』ふたつの愛、加山雄三、村野武範
『加山雄三のブラックジャック』復讐こそわが生命、音無美紀子
『加山雄三のブラックジャック』えらばれたマスク、日色ともゑ

『加山雄三のブラックジャック』は、原作とイメージが違うという意見もありますが、その一方ではカルトドラマとしていまだに根強いファンも少なくありません。

記事の中の「あらすじ」をお読みいただければわかりますが、昭和のドラマらしい、なんとも言えぬ温かさが感じられるのです。

が、全13話中、今回は、おそらくは唯一と言ってもいい重い展開と余韻が残るストーリーです。

ネタバレ御免のあらすじ


ブラックジャックのもうひとつの顔、画廊の坂東(加山雄三)は、モーリス・ユトリロの名画を買って欲しいと依頼があり、菊岡不二子(ジャネット八田)宅に赴きました。

時価4~5000万円は下らないという代金は、ブラックジャックによる兄の手術代にあててほしいといいます。

地下室には、全身やけどで、声帯も鼓膜も焼失した男(入川保則)が閉じ込められていました。

執事の遠藤(松村達雄)らは、さっそく身柄を引き取り、何度かに分けて手術を行います。

一方、坂東の友人の倉持警部(藤岡琢也)が調べたところ、不二子(ジャネット八田)は一人娘で兄などおらず、夫が失踪していることが判明。

ブラックジャックは、男(入川保則)が焼かれる前に鈍器で殴られていることにも気づき、不二子(ジャネット八田)に事情を聞きます。

不二子(ジャネット八田)は、夫が貿易商で留守がちだったために、魔が差して浮気をしたところを夫(入川保則)に見られ、暴力の責めを受けているうちに、花瓶で夫を殴ってしまった。

夫は死んだと思い、ごみ焼却炉で燃やしたところ、夫はそこで息を吹き返した、というのです。

ジャネット八田

「なぜ夫を助けた。なぜ私に手術を依頼した」と尋ねるブラックジャックに、不二子(ジャネット八田)は、「夫を愛しているからだ」とこたえます。

しかし、全快した夫(入川保則)は、少なくとも殺人未遂と傷害は免れない不二子(ジャネット八田)を、警察に差し出すのではなく、自分で復讐することを選択します。

夫(入川保則)は、不二子(ジャネット八田)に灯油をかけ、不二子(ジャネット八田)が助けを乞うことを期待しますが、不二子(ジャネット八田)はなすがまま。

自分を止めるきっかけを逸した夫は、とうとう不二子に火をつけてしまいました。

そのとき、入ってきたのがブラックジャック。

全身焼けただれた不二子を運び出し、屋敷には虚脱状態の夫が1人残ります。

入川保則

原作では、夫婦ではなく兄妹になっていましたが、夫婦の、というより男女の「愛情」をテーマにすることで、より切ないストーリーに仕上がっています。

でもこのストーリーでは、やっばりオンナの方が悪いですよね。

まず、魔が差したこと。

しかも自宅で睦み合っているところを、帰ってきた夫に見られるという、某ワイプタレント状態。

花瓶で殴ったのは正当防衛としても、意識を失った夫を焼いたこと。

さらに、夫が復讐するのに対して、夫の期待通り「やめてください」と命乞いすれば、夫も自分もその後の悲劇はなかったのに、「なすがまま」によって、夫は自分自身を止めるきっかけを失ったこと。

でも、そんなオンナを好きになったしまった男が悪いといってしまえばそれまでです。

警察に差し出さずに、自分で復讐するというのも、愛情表現のひとつなんですよね。

間違っているんだけれど、愛情というのは、こんな暴走をすることもあるよ、という話です。

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入川保則と前妻の生き方


入川保則といえば、直腸がんの末期で余命宣告を受けながら延命治療を拒否し、治療をせずに余生をまっとうしたことが話題になりました。

入川保則、ドスの聞いた声と品のある演技者の最期

入川保則
Google検索画面より

これをもって、治療しない選択肢もある、と当時ネット民は「感動」したものですが、それは入川保則の年齢と病期から判断してそうなったというだけで、がんは治療をしなくてもいい、という話ではありません。

あと、こういう思い出し方は、ご本人には迷惑千万と思われるかもしれませんが、前妻のホーン・ユキさんのこともつい思い出してしまいます。

ホーン・ユキ
Google検索画面より

ホーン・ユキさんが、道路通行整理の警備員で働いているというのは、新聞のインタビューで読んだことがあります。

すでに、現在(65歳)は恋人がいらっしゃるそうなので、それはすばらしいとだと思いました。

私も昔、道路通行整理の警備員やったことあります。

寒い時で、一晩で手がグローブのように腫れてしまいました。

しかも、夜中勤務だったので、昼間、居眠り運転してしまい、ガードレールに直撃して、30万ぐらい損料がかかりました。

65歳の女性には大変な仕事だなあと思います。

生きるということは大変なことですよね。

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