『20歳若く見えるために私が実践している100の習慣』(南雲吉則著、中経出版)を読みました。少食のアンチエイジングでマスコミでもお馴染みの南雲吉則氏。「食べない」だけでなく、日常生活の常識をくつがえす様々な健康法や生き方について、1~2ページ完結でわかりやすく紹介しています。
昨日は、渡辺信幸氏の『
日本人だからこそ「ご飯」を食べるな』についてご紹介しました。
渡辺信幸氏は糖質制限を提唱し、肉や卵や乳製品(チーズ)を中心にしたメニューで、お腹いっぱい食べることも否定していませんでした。
しかし、今日の南雲吉則氏は、少食を勧めている方です。
1日1食。もしくは、腹6分目と書かれています。
「6分目」のめやすは、お子様用のごはん茶碗とみそ汁茶碗、コーヒーや紅茶に使う皿におかずを盛り付けるのだそうです。
うーん。それは6分目よりも少ないんじゃないかって思うのですが、南雲吉則氏は自らそれを実践し、夫人とは冷蔵庫も分けているそうです。
食べることについては、とにかく「無理して食べることはない」という立場です。
食欲がなければ朝食は抜いて良い。眠くなるくらいなら昼食は抜いてよい。食べ過ぎたら絶食して調整する。
食べるときは1日1食なら「何を食べても良い」といいます。
アルコールについては、「蓄積毒」であり、飲まない「休肝日」では解決しないとしています。
長く空腹にすることはケトン臭が発生するというのは、このブログでもご紹介した
吉田たかよし氏も指摘しており、本当に「食べないことがいい」かどうかは、食べる時期や量との兼ね合いもあってなかなかむずかしいところではないでしょうか。
南雲吉則氏は、38歳のときに77キロあって不整脈が出ていたのが、同書執筆時点の56歳時には62キロで健康だとか。
ちなみに私は57キロで、少し食欲が落ちるとすぐ1~2キロ減ります。
ですから、昨日も書いたように「食べない健康法」はちょっと怖いのですが、同書を読むと、南雲吉則氏はそれだけでなく、ほかにも独創的な健康法を提唱しています。
貧乏ゆすりは健康法
たとえば、スポーツはしない、という章があります。
それは心拍数が急激に上がる過激な運動を控えろということです。
南雲吉則氏は、糖尿病対策としても、体を動かすこと自体は否定していません。
同書では日常的にできる体の動かし方を解説しています。
歩くときは競歩で通勤、かっこつけて歩く、電車に乗ったら座らない、椅子に座るときは深く腰掛けて背筋を伸ばす、座っているときは「貧乏ゆすり」をする、など。
貧乏ゆすりは行儀が悪いといわれていたのに、同書で発表以来、サイトは貧乏ゆすりを推奨するページがずらっと並ぶようになりました。
理由は、貧乏ゆすりをすることで、ふくらはぎの筋肉が収縮し、そのポンプ作用によって下半身の血の巡りが良くなるからだそうです。
人の信頼を勝ち得るためには、まず姿、形から
健康法というよりも“人を見る目”になりますが、「病気が治るかどうかは医者を見ればわかる」というページも面白かったですね。
ダイエットしたいと思って病院にいって、医者が太っていたらダイエットは成功しないということです、と断言しています。
美容外科医や形成外科医なら、服のセンスを見るそうです。美的センスが悪い医者に、美的な手術はできないから、という理由です。
同書はいいます。「人の信頼を勝ち得るためには、まず姿、形からだと思うからです」と。
私たちは、紺屋の白袴、医者の不養生なんていうことわざや、汚いラーメン屋が美味いという都市伝説など、ともすれば皮肉や諧謔やひねった見方を真理とすら思っているのではないか、と思える文化があります。
しかし、現代は、ネットが発達していろいろな情報が筒抜けになる時代です。
逆張りで推理するよりも、むしろオーソドックスに姿、形を判断基準にした方が賢明かもしれません。
人に愛された経験が、人間関係に自信を持たせる
後半に書かれている「生き方」は大いに賛成できました。
後悔しないように「今」行動する、本当に思い悩んだときは「感じるままに動く」、嫌いなものの中に好きなものを散りばめる、嫌いな人とは付き合わない、ものわかりのよい人も敵(イネーブラー)……
このへんまでは、「ふむふむ、そうだよな」なんて思いながらスーッと読んでいましたが、「人に愛された経験が、人間関係に自信を持たせる」という項目はずっしり心に落ちましたね。
要するに、グレる人間や、猜疑心ばかり強くて人間関係をうまく作れない不幸な人は、それが欠けているということでしょう。
私も自分のことを、かなり神経質で不寛容ではないかと思っているわけですが、決して人間関係の大切さは、生きる上での価値意識としては捨て切れません。
同書はいいます。
1人の人を憎むぐらいなら10人の人を愛したほうが楽。
そうだよなあと思いました。
残念ながら、これがわからない人はいるんですよね。
肉体的な健康法というだけでなく、いろいろ苦労されて心が閉鎖的になっている方も、精神的に若返って心がリセットできる本かも知れません。
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