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運は創るもの(似鳥昭雄著、日経BPマーケティング) [経済]

運は創るもの(似鳥昭雄著、日経BPマーケティング)

運は創るもの(似鳥昭雄著、日経BPマーケティング)は、ニトリホールディングス代表取締役会長の自伝です。「お、ねだん以上。」の満足感で、手頃な価格で高品質な家具やインテリアを提供するニトリの創業者、似鳥昭雄にフォーカスします。(文中敬称略)



似鳥昭雄(にとりあきお、1944年3月5日 - )はニトリの創業者です。

ニトリは、製造から小売までを一貫して管理する「SPA(製造小売業)」モデルを採用し、コスト削減と品質管理を徹底した家具・インテリア小売チェーンです。

本書は、引き揚げ者住宅での極貧生活、イジメ、ヤミ米販売、カンニング未遂、家出に始まり、23歳での起業、営業部長による商品横流し、拓銀・山一の破綻など、似鳥昭雄の波瀾万丈のエピソードが次々と紹介されます。

度胸と愛嬌さえあれば、人生はなんとかなる。

短所あるを喜び、長所なきを悲しめ--。

本書は23歳でニトリ家具を創業し、28期連続増収増益、日本一の家具チェーンに育て上げた、似鳥昭雄の波瀾万丈の一代記です。

運は偶然のものではなく、努力や挑戦、行動によって自ら創り出せるという考えが中心テーマとなっています。

落ちたらまた這い上がればいい



似鳥昭雄は1944年、樺太に生まれました。

ソ連の樺太侵攻により北海道に引き上げ、父の故郷である現在の石狩市花畔を経て、札幌市で育ちます。

父・義雄(のちニトリ会長)は、コンクリート製造販売業を営みました。

北海学園大学経済学部卒業ですが、工業高校から札幌短期大学に入り、そこから北海学園大学に編入しています。

その後、広告会社に勤めるものの仕事が獲れず半年で解雇され、23歳で似鳥家具店を創業しました。

大学「編入」というのは、最初から入学試験で入るよりもむずかしいかもしれません。

有名大学の中には、短大を併設しているところもありますよね。

私の知ってる同級生でも、そういうところの短大部に入り、そこから大学に編入を狙った人は複数いましたが、5~6人いて、1人だけだったですけどね。大学に編入学できたのは。

で、結局その短大すらも、やめちゃうんです。

似鳥はこのあたりを、『落ちこぼれでも成功できる』(大下英治著、徳間書店)で詳しく述べています。

また、広告会社と一口に言っても、電通や博報堂のようなところもあれば、駅とか道端にある看板にのせる広告のクライアント探しもあります。

そういう会社は、1箇所ではなく全国の看板の広告取りなので、地方をドサ回りします。

旅行できて楽しい?いやいや、仕事ですから。

簡易宿泊所に泊まって、なるべく経費をかけずに飛び込みで全国の会社や商店を回るのです。

こういう会社は、最低限の固定給、もしくはオール歩合給で、ノルマも厳しいのです。

そのような経験から這い上がってきたので、いつでも「私はゼロになれる自信がある」、落ちたらまた這い上がればいい、と語っています。

似鳥家具店創業当初は、地元密着型の小規模な家具店でしたが、1972年、28歳の時に家具業界向けのアメリカ・ロサンゼルスへの研修セミナーに参加し、アメリカの豊かさを見て人生観が変わります。

帰国後、家具のチェーンストアを志し、株式会社ニトリを設立しました。

似鳥昭雄は、小規模な家具店を世界的な家具・インテリアブランドに育て上げた、類稀な実業家です。彼の成功は、徹底したコスト管理や製造小売の一貫体制、そして「挑戦し続ける」精神によって支えられています。

親中企業とかいわれますけど、とにかく裸一貫からこれだけ大きくしたことは評価されてもいいでしょう。

将来、世界5万店舗を目標にしているそうです。

私の地元の「島忠」が、2021年にニトリホールディングスの完全子会社になりました。

より低価格化が期待されますが、少し遠くにあるコーナンホームセンターの方が、品数があるんです。

まだまだ頑張っていただきたいですね。

ニトリは利用されていますか。

とにかく経験を重ねよ



似鳥はいいます。

仕事で失敗したり、思うような結果を出せなかったりすると、人は「私は運が悪い」と考えがちだ。確かに運も大きい。私自身、ここまでニトリを成長させることができたのは80%が運だと思っている。だがそれは偶然の産物ではない。「運は、それまでの人間付き合い、失敗や挫折、リスクが大きい事業への挑戦など、深くて、長く、厳しい経験から醸成される」というものでもある(「はじめに」より)

私がいつも書いているのは、人生は必然(因)と偶然(縁)で結果が出るということ。

似鳥は、失敗をおそれず経験を重ねることで、そのときはよい結果が出なくても、その経験がその後の必然(因)に架上されていき、それがやがてより高次の偶然(縁)とむすびついて良い結果を出すのだ、と言っているわけです。

とにかく経験を重ねればいずれ良い結果につながる、ということです。

でも、凡夫は、できない理由を探し出して、自分に言い訳を作るんですね。

時々ご紹介している、大王製紙元会長の井川意高は、父親から「できない理由ではなく、しなければならない理由を探せ」とスパルタ教育されていたとか。

私は、「なるほど、そうか」と思いました。

たぶん、似鳥も、そうやって自分を叱咤して経験を重ねていったのだろうと思います。

似鳥は、本文中でこうも言っています。

「スリルとサスペンスがないと会社は衰退する」

未知の世界に踏み込む度胸があってこそ、明日は拓けるということでしょう。

やっぱり、当たって砕けろの気持ちが大事ですね。

スリルとサスペンスで、日々を送っていますか。

運は創るもの - 似鳥 昭雄
運は創るもの - 似鳥 昭雄

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t-yahiro

>いつでも「私はゼロになれる自信がある」

すごい実力があってこそ言えることですね。
私はいつも現状維持~微増程度を考えてしまいます。
by t-yahiro (2024-12-16 22:59) 

おっつぁん

昔「似鳥」と書いてニタドリと読む投手がいましたな。
by おっつぁん (2024-12-16 23:25) 

mau

妹がスマホ毛布買ったばかりです
かなりあったかいらしい
by mau (2024-12-17 00:36) 

HOTCOOL

北海道の雄、ですね。
by HOTCOOL (2024-12-17 03:58) 

mutumin

最近ニトリに行ってませんね。
苦労を苦労といとわない気持ちに私も見習いたいなと思いました。
似鳥という名字があるんだというのにもびっくり!
この椅子もなかなか重宝しそうだと思い早速検索して見る事にしました。

by mutumin (2024-12-17 06:13) 

pn

生きてるだけでスリルとサスペンスですよ、一寸先は闇。
by pn (2024-12-17 06:23) 

夏炉冬扇

律儀なたこ焼き屋さんです。
by 夏炉冬扇 (2024-12-17 07:55) 

お散歩爺

「運は創るもの」運がよければ向こうからやってきますね。(^_-)。
by お散歩爺 (2024-12-17 10:25) 

十円木馬

若い頃は失敗をおそれず経験を重ねる事を厭わなくても、年齢を重ねていくと先が見えてきて保身にはしる人が多いです。その壁を作らなかった似鳥氏だからこそ言葉に重みがあります。
家具には一切拘りがないので、ニトリは一度も行ったことがありません。
by 十円木馬 (2024-12-17 14:02) 

MINA

ニトリには2回行ったことがあります(親に連れられて)。
様々なものが一度で買えるのはいいなーと思いました。

でも最近はデコホームが多いかも。
by MINA (2024-12-17 14:40) 

リンさん

似鳥社長、前にテレビに出ているのを観ました。
ものすごくバイタリティのある人でした。
私、ニトリ大好きなので買うものがなくても行ったりします^^
by リンさん (2024-12-17 15:20) 

センニン

こんばんは。
よく利用するショッピングセンターに ニトリデコホーム ができたのでたまに利用しています。
「ニトリ」とか「カシオ」など、多くはない苗字ですね。
ヤマハもそうですが。

by センニン (2024-12-17 18:24) 

いっぷく

みなさん、コメントありがとうございます。

> すごい実力があってこそ言えること
あとは不屈の精神でしょうか。

> ニタドリと読む投手
阪神タイガースですね。

> スマホ毛布買ったばかり
面白い商品を考えますね。

> 北海道の雄
札幌に本社があって、東京にあるのは本部なんですね。

> この椅子もなかなか重宝しそうだ
背もたれ部を前後で使い分けるとはすごいアイデアですね。

> 生きてるだけでスリルとサスペンス
ハラハラドキドキの連続ですか。

> 律儀なたこ焼き屋さん
あのたっぷり感がうれしいですね。

> 運がよければ向こうからやってきますね
必然の部分を満たしていれば偶然もありえます。

> 年齢を重ねていくと先が見えてきて保身にはしる人が多い
精神的にも若いんでしょうね。

> 様々なものが一度で買えるのはいいな
店舗面積が広そうです。

> ニトリ大好きなので買うものがなくても行ったり
見ているだけで楽しいということはあるでしょうね。

> 「ニトリ」とか「カシオ」など、多くはない苗字
カシオは樫尾ですね。


by いっぷく (2024-12-17 23:34) 

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