直木三十五など『世界の偉人おもしろ雑学―――「歴史」と「人」がもっと好きになる365話』 (知的生きかた文庫) [文学]
直木三十五などをとりあげた『世界の偉人おもしろ雑学―――「歴史」と「人」がもっと好きになる365話』(博学面白倶楽部著、知的生きかた文庫)をご紹介します。倒幕して明治維新を果たした立役者の一人である西郷には、どんな「ウラ話」があったのでしょうか。(文中敬称略)
『世界の偉人おもしろ雑学―――「歴史」と「人」がもっと好きになる365話』(博学面白倶楽部著)は、ここのところ、よくご紹介している偉人の「ウラ話」を取り上げた書籍の一つです。
皮肉屋の揚げ足取りや、アンチではなく、タイトル通り、その「人」のことをもっと好きになるエピソードを集めています。
Amazon販売ページに書かれている内容です。
・ユリウス・カエサル――――月桂冠は「ハゲ隠し」だった?
・プラトン―――――――――大哲学者がはまった「オカルト神話」
・兼好法師―――――――――つれづれなるままに、金融業を営なみ……?
・ナポレオン・ボナパルト――フランス英雄の歯が220万円で落札
・伊藤博文―――――――――「女好き」「占い頼り」の異色の政治家
・夏目漱石―――――――――自身も「名前がない猫」を飼っていた
本書では、歴史上の「偉人」と呼ぶにふさわしい人物を、365人ピックアップし、その偉業と驚きのエピソードを紹介した。
大物政治家の意外な姿から、天才芸術家のやばすぎる性格、大発見をした科学者の変わった日常まで、知的好奇心を刺激する雑学ネタが満載だ。
……とのことです。
今回はその中で、明治期から昭和初期にかけて活躍した、直木三十五(なおき さんじゅうご、1891年〈明治24年〉2月12日 - 1934年〈昭和9年〉2月24日)をご紹介します。
直木三十五は、そのまま「なおきさんじゅうご」と読みます。
芥川賞と並んで、権威ある文学賞として有名な「直木賞」とは、直木三十五から命名したものです。
本名の「植村」からペンネームを考案
きのう、大阪の空堀にある直木三十五記念館さんの会議に参加してまいりました。なんと、なんと、直木記念館さんで手のひらの金魚企画のグッズ販売が正式に決定しました! 待て、続報! pic.twitter.com/0kvL7Y4DgW
— 手のひらの金魚 / 西 一六八(にし いろは) (@nishi_iroha) October 9, 2024
本名は植村宗一
大阪市に生まれ、早稲田大学英文科予科を経て、早稲田大学高等師範部英語科へ進学したものの、月謝未納で中退。
しかし、早稲田大学へは登校し続けており、卒業記念写真の撮影にもちゃっかり参加していたそうです。
雑誌の編集者を経て、マキノ省三に取り入り映画制作集団「聯合映畫藝術家協會」を結成しますが、赤字を出すと、「キネマ界児戯に類す」(映画など子供の遊びだ)と捨て台詞を吐いて映画界から撤退。
作家に転向して1929年(昭和4年)、『由比根元大殺記』で大衆作家として認められました。
「直木」は、本名「植村」の「植」の字を分解して作ったものです。
「三十五」の方は、直木が三十一歳になった時に「直木三十一」とし、自分の年齢に合わせ「三十ニ」「三十三」と変えていき、「三十五」で止まりました。
「三十六」の前で止まったのは、「三十六計逃げるに如かず」というくらいだから、三十六を名乗りたくなかったそうです。
といいつつ、本人は大恩あるマキノ省三に、後ろ足で砂をかけて逃げているわけですが……
芥川賞と直木賞の違い
芥川賞と直木賞は、日本の文学界で非常に権威のある2つの賞で、制定も同じ年にされました。
では、どういう違いがあるかご存知ですか。
芥川賞(芥川龍之介賞)は、純文学の新人作家や若手作家による優れた短編小説に与えられる賞です。
一方、直木賞(直木三十五賞)は、大衆文学の分野で活躍する作家に与えられる賞です。
どちらの賞も、日本文学界で高く評価される栄誉ですが、対象とする文学のジャンルが異なるため、同一作家が両賞を受賞することは非常に珍しいことです。
今までに、ダブル受賞したのは、井上ひさしと村上春樹です。
直木三十五の名前を冠した賞が創設されたのは、大衆文学の発展を促進するためとされています。
その影響力と業績を讃え、その精神を引き継ぐ形で大衆文学を奨励することが目的です。
大衆文芸の世界で活躍した直木三十五が、昭和9年に死去したのを惜しんで,菊地寛は文芸春秋の社友であった直木三十五を記念する意味で文学賞を思いたったといいます。
大衆文学というと、純文学に比べて格下のように見られてしまい、ともすれば文学作品というよりもエンターテイメント扱いされますが、文壇で直木三十五は高い評価を受けていたことがわかります。
ただ実際には、純文学と大衆文学の線引きといってもむずかしいように思います。
石原慎太郎(第35回芥川賞受賞)の作品は、エンタテイメントとしての一面もありますし、先日ご紹介した『特命係長 只野仁』は、ダブル受賞してもおかしくないですよね。
特命係長只野仁(柳沢きみお著、ゴマブックス)は、大手広告代理店係長が、会長からの特命でトラブルを秘密裏に解決するマンガです。テレビドラマや映画化もされてまますが、原作である漫画は1998年から現在の令和編まで連載が続いています。https://t.co/aIttmsaA0I pic.twitter.com/R6kmmGpCn0
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) November 22, 2024
まあ、こちらは漫画ですけどね。
ところで、2024年初頭に発表された、直木賞の受賞者はご存知ですか。2人いましたよー
世界の偉人おもしろ雑学―――「歴史」と「人」がもっと好きになる365話 (知的生きかた文庫) - 博学面白倶楽部
昨今は作家さん、「ごまん」といますから…
by 夏炉冬扇 (2024-11-23 22:09)
妻の陶器はぎゃらりいで販売しています。エッこの値段でいいと、と言われます。
by 夏炉冬扇 (2024-11-23 22:30)
直木三十五さんの人生エピソード、特に「名前の由来」がユニークで興味深いですね!年齢とともに変えたペンネームの話には、彼の遊び心と独自の感性を感じました
by かずい (2024-11-23 23:12)
江頭2:50も、2:53とか数字替わらないのですかな。
by おっつぁん (2024-11-23 23:32)
大衆小説は好きですね。
by HOTCOOL (2024-11-24 03:43)
文学には疎いので、直木賞が出来た経緯と直木三十五さんの生き様をこれを読んで知る事が出来ました。有難うございます。改めて今年の受賞者を検索してみましたよ。
by mutumin (2024-11-24 05:54)
おはようございます^^
芥川龍之介(芥川賞)の方はよく知っていますが、直木賞の直木が何処から来ていたのか全然知りませんでした(__;
受賞者、記憶にないです。新聞で毎年見てはいますが、その方の本を読むことはないものですから(ーーゞ
by mm (2024-11-24 06:49)
直木賞は知ってても、この方の小説は読んだことない
by mau (2024-11-24 07:18)
おはようございます。
賞を取ったことを理由に読む、ということはないのですが、芥川賞では松本清張の『或る「小倉日記」伝』が強い印象を残しました。受賞当時ではないですが。
その印象が強いためか、この頃賞を取った作品でも強く惹かれるものがありません。
直木賞受賞作の方が手に取りやすくはあります。
by センニン (2024-11-24 07:35)
芥川賞作品より直木賞作品のほうが親しみやすく若い頃はかなり読んでいました。ただ 恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』を最後に買うことはなくなりました。年齢と共に好きな作家が限定されてきて、ここ数年、東山圭吾さんの作品ばかり読んでいます。
by 十円木馬 (2024-11-24 09:15)
有隣堂しか知らない世界観てて芥川と直木の違いを知ったんだけど純文学と大衆文学の違いが分からないのでとりあえず賞取った作品はすごいんだなくらいしか認識出来なかったf^_^;
by pn (2024-11-24 09:25)
芥川賞も直木賞も全く頭に留まらないんですよねぇ。
漫画しか読まない私でも、1日1ページなら読めそうです(^^;
by まつき (2024-11-24 11:12)
東野圭吾を東山圭吾と書いてしまいました。お詫び訂正します。
ところで、芥川賞と直木賞のダブル受賞者はいないと認識していましたが、いかがでしょうか。
by 十円木馬 (2024-11-24 18:49)
みなさん、コメントありがとうございます。
> エッこの値段でいいと、と言われます
陶器は買うと高いですから。日本製は特に。
> 彼の遊び心と独自の感性
名前なんてその程度でいい、ということでしょうか。
> 2:53とか数字替わらないのですか
ごじゅっぷん、が言いやすいから変えないのでは。
> 大衆小説は好き
読みやすいですね。
> 直木賞が出来た経緯
たぶんあまり知られていないのでは。
> その方の本を読むことはない
ドラマや映画として知られている作品もあります。
> この方の小説は読んだことない
ちょっと古いですね。
> 直木賞受賞作の方が手に取りやすくはあります
エンターテイメントの趣があるのでしょうか。
> 賞取った作品はすごいんだな
みんなそう思って手に取るんでしょう。
> 漫画しか読まない私
ドラマや映画になった作品だとそこから入るのもありですね。
> 芥川賞と直木賞のダブル受賞者はいない
これは私の勘違いでした。おっしゃるとおりです。
by いっぷく (2024-11-25 19:18)