騙されたがる人たち、被害者は悪徳商法・詐欺事件の共犯!? [生活]
騙されたがる人たち善人で身勝手なあなたへ(大山眞人著、講談社)は、騙された経験がある者が敢えていう「騙されたほうも悪い!」論です。悪徳商法・詐欺事件は、「騙す側と騙す側のいびつな共犯関係」にあると、豊富な事例とともに追いかけています。
悪徳商法・詐欺事件は、加害者と被害者のどちらが悪いのか。
それはもう、議論するまでもなく、加害者が悪いに決まっています。
ところが、わが国では、叩かれている方を応援する奇妙なクセがあり、「騙される方も悪いのだ。どっちもどっちだ」という意見が必ず出てきます。
これは、法的、道義的には誤りです。
ただし、本書は、悪いことに決まっている「騙すこと」の良し悪しではなく、つまり、法的・道義的な是非ではなく、騙される側の「なぜ騙されるのか」について、その心理について批判的に考察しています。
加害者の責任と被害者の責任
【実家の資産を守れ!??】
— アケミン (@AkeMin_desu) October 29, 2024
雑誌の特集にて、健康食品の定期購入、リフォーム詐欺……「親が悪徳商法の被害にあった!」エピソードを探しています
「悪徳!」と言い切れないまでも実は不要な商品をゴリ押しされた、というグレーな話も??
心当たりのある方はぜひDM、リプいただけるとありがたいです pic.twitter.com/NzFAaICbPw
『騙されたがる人たち』が取り上げている悪徳商法(詐欺事件)は、振り込め詐欺のほか、恋人商法、当選商法、訪問販売、多重債務、ネットワークビジネス、SF商法(キャッチセールス)、預託商法、結婚サギ、不安煽り商法などです。
これらを一つずつ章立てして、実例紹介と消費者側の問題点を指摘しています。
さらに本書には、振り込め詐欺との電話のやり取りが収録された付録CDもあります。
著者は、たとえ貸金者が悪徳業者であろうが、借りたのは事実であり約束は約束なのだから、契約で決めた金は返すべきだと主張。
返せる見込みがなければ、はじめから借りてはいけないのです。
「金は返さなくてもいい」(民法第708条)という甘やかしが「悪徳債務者」生み、「被害者」は結局同じような事件を繰り返すことになるから、被害者のためにもならず事件もなくならない、としています。
つまり、事件は、悪徳業者と、いざとなったら法律に守ってもらって誤魔化せる「優位」な立場の「被害者」との「共犯」というわけです。
人間は弱くてずるい生き物なので、法で守られると、法に甘えるというわけです。
本書のサブタイトルが絶妙です。
「善人で身勝手なあなたへ」
少し意地悪な表現ですが、“ありふれた世間の人々”を、これほど端的に言い表したものはないと思いました。
よく手形詐欺などで「善意の第三者」という言葉を使いますが、本書でいう「善人」も、「作為・悪意のない人」というようなニュアンスですね。
つまり、この『騙されたがる人たち』は、作為・悪意はなくても、あなたの自分勝手さが騙される原因なのですよ、と述べている書籍です。
著者は、その「協力」してしまう「被害者」の身勝手さをこう述べています。
騙す側ばかりを問題にしていては解決の糸口にたどりつかない。“金に汚い”“いい加減な”“身勝手な”“他人のせいにしたがる”“反省をしない”“思いこみの強い”“無責任な”「善良な消費者」がたくさんいるという事実。 ほかにも「訪問販売詐欺」「ネガティブオプション(送りつけ商法)」「和牛(預託)オーナー商法」「融資詐欺」「未公開株詐欺」「社員権詐欺」「内職商法」「コンプレックス商法」など、数多くの悪徳商法や詐欺事件が、性懲りもなく生きつづけている。もはや“騙されたがる人たち”の“協力”なくしては何も解決しない。 そこには共通したキーワードが存在している。“孤独”“孤立”“寂しさ”“不安”“つながり”“仲間意識”“絆(結)”“見栄”“思いこみ”“妬み”“差別”“疑念”“清疑”そして“欲望”‥‥‥。まるで孤立した現代人を象徴するような単語が並ぶ。 悪徳業者や詐欺師たちは、これらの単語を巧みに操りながら、「善良な消費者」に対し“騙すステージ”を提供していく。彼らはヨコのつながりを保ちながら、軍隊並みに規律を重んじたタテ社会を構築している。そこには強い“仲間意識”がみられる。彼らによって用意されたステージ上で“一対一の勝負”に勝つためには、くどいようだが騙される側にもそれなりの“覚悟”と“修練”が求められる。
本書の主張に対しては、騙す方と騙される方、どっちが悪いかといえば騙される方に決まっている、と反発される方もおられるでしょう。
騙される方を批判することで、「どっちもどっち」のような両成敗になったら、騙す方を免罪してしまう、という見方もわかります。
ただ、本書が言う「騙される側にも責任がある」の「責任」というのは、騙す側の「責任」とは性質が違います。
騙す側の責任とは、法律や道徳といった社会規範上の問題です。
騙される側の責任というのは、法律や道徳ではなく、心の在り方を問うものだと思います。
「被害者にそういう自覚がない限り、詐欺・悪徳商法はなくならない」と著者は結んでいます。
物事というのは、良し悪しにかかわらず、その実像に迫らなければ解決法は見出せません。
コインに裏表があるように、詐欺事件は騙す側(表)だけでなく、騙される側(裏)からも見ていかなければ詐欺事件を防ぐことはできない、とする著者の合理的な判断に私は賛成します。
寸借詐欺の小銭稼ぎ体験
著者の考え方は、たとえば離婚の理由、DVとか浮気とかハラスメントとかありますが、そのへんにも当てはまる話であることを示唆しています。
ただし、親子関係だけは別ですよ。
子は親を選べない絶対的な関係ですから、親の暴力・虐待の類は、いかなる言い訳も許されないと思います。
余談ですが、私は昔、寸借詐欺に金をせびられたことがあります。
ボロを着た男が、財布を落としたから金を貸してくれとか言って、くしやくしゃの紙切れに「大下」とか苗字だけ書いて、「僕、こういうものです。きっと返します」とか言って、でも連絡先は書いてない(笑)逆にこっちの連絡先聞いてきたから、テキトーに答えました。
そのときは、1000円ぐらい渡しちゃったと思うんですが、「大下」の言うことを真に受けたわけではなく、出掛けなのにしつこかったので、面倒だったという感じですね。
まあ、こっちがどんな思いだろうが、金さえ貰えれば向こうは「成功」ということなんでしょうけど。
そんなセコイ詐欺で1000円ぐらいもらってどうしたいのかな、嬉しいのかなあ、良心の呵責に見合う金額でもないと思うんですが、それだけ切羽詰まってるのかな。
みなさんは、詐欺や悪徳商法やカルト教団の被害体験はありますか。
騙されたがる人たち 善人で身勝手なあなたへ - 大山眞人
10数年前、震災の直後に故郷を追われ新卒での就職先も失い
今はタコ部屋で住み込みして果物の訪問販売をしているという
若い女の子に仕事先で話しかけられました。寒空の下、
女の子が震える手に持った籠にあるマンゴーをキリの良い紙幣で
買いました。おつりでマフラーでも手袋でも買いなさいと。
それ詐欺だったんです。
by t-yahiro (2024-11-07 23:06)
スーパーレジ>寸借詐欺
と、思いますけどな。
時給的には。
by おっつぁん (2024-11-07 23:17)
騙されたくはないですが、騙したくもないです。
by HOTCOOL (2024-11-08 04:15)
私は騙すより騙された方が気が楽と思っているタイプ。
だから騙された時は暫く恥ずかしくて人に言えません。騙した方を攻めるよりも、やられた無知な恥ずかしさの方が先に立ちます。
by mutumin (2024-11-08 05:25)
目先の利益しか考えない人もいるし、
お人好しの人もいます。
どういう心理だと考えても、理解できません(>_<)
by mayu (2024-11-08 06:34)
特に騙された記憶はないですが、オレオレ詐欺や
闇バイトなども有るので注意します。
by お散歩爺 (2024-11-08 08:10)
おはようございます!
過日、オレオレ詐欺を見抜いて警察から
感謝をもらいました (^0^)!
by Take-Zee (2024-11-08 08:20)
騙す人は人間として終わっていると思いますが、
「協力」してしまう「被害者」にもなりたくないですねぇ。。。
by まつき (2024-11-08 10:41)
被害者が自覚しないことで新たな被害者を生む・・・。
たしかに責任はありますね。悪いという意味ではなく。
by MINA (2024-11-08 11:12)
騙されたくないなぁー・・・
これから気をつけないと!ってよく思います。
by AKAZUKIN (2024-11-08 12:04)
こんにちは^^
騙されたことはないですねぇ~
顔を見れば避けられるのかな^^ あまり道を訊かれたりすることもないですし。
by mm (2024-11-08 12:10)
被害者の責任って言うより自覚じゃないのかな、なぜ騙されたの自問にどう答えるか。
by pn (2024-11-08 12:52)
先日、甲斐谷忍さんのカモのネギには毒があるを読んだばかりなのでこちらも気になります
by mau (2024-11-08 13:03)
両親が軽トラックに物干しざおを積んださおだけ屋に値段を聞いたところ、2千円と言われたのでお願いしたところ、寸法を測り切断し設置してから確か4万円を請求されたそうです。身の危険を感じ支払ったそうですが、悪徳商売はいつの時代にもあります。
by 十円木馬 (2024-11-08 14:07)
こんばんは。
寸借詐欺は今とても多いらしいです。駅などでも。
駅だったら、駅の窓口に相談に行かせるようにした方がいいと言われています。
ずいぶん前ですが母がオレオレ詐欺に引っかかりました。
幸い何があるかわからないからと考えて対策をしておいたのが奏功して被害はなかったですが。
警察に連絡しましたら、後日「高校の同窓生名簿を使っているらしい」と連絡がありました。
by センニン (2024-11-08 18:14)
本書の視点、非常に興味深いですね!「騙される側の心理」に着目している点が新鮮で、現代社会の孤独や不安が悪徳商法に利用されやすいという指摘も深く考えさせられます。
by かずい (2024-11-08 20:09)
里芋はいつも入っているので、入れていないという話にエッでした。おいしいですよ。
by 夏炉冬扇 (2024-11-08 21:05)
みなさん、コメントありがとうございます。
> それ詐欺だったんです
よくそこまでストーリーを作ったなと思います。
> 時給的には
そうかもしれませんね。
> 騙したくもない
それはそうです。
> 騙された方が気が楽
でもやっぱり騙されるのは嫌ですね。
> どういう心理だと考えても、理解できません
それは騙される側が、ということでしょうか。
> オレオレ詐欺や
> 闇バイトなども有るので注意します
いまはやり方が巧妙みたいですね。
> オレオレ詐欺を見抜いて警察から
> 感謝をもらいました
それはすごいですね。見抜いた決め手はなんだったんでしょうか。
> 「協力」してしまう「被害者」にもなりたくない
気がついたら「協力」していた、というケースもありそうです。
> たしかに責任はありますね
そうした自覚があればいいのでしょうけれど。
> これから気をつけないと!
どこに落とし穴があるかわかりませんからね。
> あまり道を訊かれたりすることもない
相手は付け込ませないものを感じるのかもしれないですね。
> なぜ騙されたの自問にどう答えるか
それが二度目を防ぐことになると思います。
> カモのネギには毒がある
うまい表現ですね。
> 身の危険を感じ支払った
それは悪質ですね。
> 高校の同窓生名簿を使っているらしい
そうすると女性は苗字が変わっている可能性が高くなりますね。
> 現代社会の孤独や不安が悪徳商法に利用されやすい
見抜かれて付け込まれるのでしょうか。
> 入れていないという話にエッでした
そうなんですね。今度試してみます。
by いっぷく (2024-11-11 14:13)