安藤百福など『まんがでわかる日本の偉人伝総集編』(よだひでき、ブティック社) [文学]
安藤百福など『まんがでわかる日本の偉人伝総集編』(よだひでき、ブティック社)は、日本の偉人たち58人の功績やエピソードをまんがでまとめました。安藤百福は、日清食品の創業者であり、インスタントラーメンの発明者として広く知られています。(文中敬称略)
本書『まんがでわかる日本の偉人伝総集編』(よだひでき、ブティック社)は、人の為に尽くした人、リーダーとして活躍した人、すぐれた発明や作品を残した人など、日本の偉人たちの人生とエピソードを1冊に凝縮しています。
これまで、吉田松陰や、宮沢賢治をご紹介しました。
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— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) September 9, 2024
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今回は、安藤百福(あんどう ももふく、1910年〈明治43年〉3月5日 - 2007年〈平成19年〉1月5日)です。
日清食品創業者。インスタントラーメン「チキンラーメン」、カップ麺「カップヌードル」の開発者として知られています。
テレビドラマでも何度もとりあげられていますね。
人間にとっていちばん大事なことは食べること
安藤百福は、日本統治時代の台湾出身で、出生名は呉百福(ごひゃくふく、ゴー・ペクホク)。
台湾本島人であるため、戦後は台湾光復に伴っていったん中華民国籍になり、1966年(昭和41年)に日本国籍を再取得(帰化)しました。
実家の父は資産家でしたが、両親を幼少期に亡くし、繊維問屋を経営する祖父・呉武のもと、台南市で育ちました。
幼い頃から数字に異常なほど強い興味を持ち、足し算・引き算・掛け算を習得。商売にも強い関心をいだいていたといいます。
しかし、一番好きだったのは料理。
中学生の頃は、兄妹の弁当を作り、家庭の主婦も顔負けの仕事をこなしていたそうです。
そういう性分なので、就職した図書館の学芸員を「自分には合っていない」と感じ、22歳で起業(メリヤスの会社)し、日本進出を試みます。
蚕糸とヒマシ油販売や、幻灯機製造など、持ち前の好奇心で事業を拡大したそうですが、その頃戦争が終わります。
戦後のドサクサで、何をしたらいいかと考えた安藤百福は、「人間にとっていちばん大事なことは食べることだ。戦争で何もかも失くした人々は、みんなお腹いっぱい食べたいと思っている」ことに気づき、戦後は事業を「食」に絞ることにしました。
そこでまた事業を発展させ、資産家になり、信用組合の理事長にまでなっていましたが、47歳の時、その信用組合が破綻。
なんと、安藤百福は、無一文になってしまいました。
しかし、「失ったのはお金だけだ」と気を取り直し、再起を誓います。
安藤百福は、「戦後のドサクサ」のとき、焼け野原でラーメンの屋台に、人々が列をなしていたことを思い出し、「家庭ですぐに食べられるラーメン」作りを始めます。
1年間、不眠不休で取り組みますが、麺の乾燥のさせ方がわかりません。
そのとき、妻が天ぷらを揚げているのを見て、麺を油であげる方法を開発しました。
1958年にリリースされたチキンラーメンは、世界で初めてのインスタントラーメンでした。
販路を広げようと、アメリカでプレゼンを行いましたが、アメリカ人は、箸や丼を使いません。
商談の相手は、紙コップに麺を入れてフォークで試食しました。
そこで思いついたのが、カップヌードルでした。
カップヌードルは、世界中に広まりました。
あさま山荘事件では現場の機動隊員たちに配給され、阪神大震災ではお湯を配給できる「チキンラーメン号」を走らせました。
その後も、宇宙食の開発など数々の業績を残しました。
「ひらめき」にはいつもそのことを真剣に考えていること
1971年9月18日、日清食品が「カップヌードル」を発売しました。
— RekiShock(レキショック)@日本史情報発信中 (@Reki_Shock_) September 17, 2024
チキンラーメンの開発者である安藤百福がアメリカにも売り込みますが、箸と丼が身近になく売れませんでした。
アメリカ人が袋麺を紙コップに入れ、フォークで食べていたのを見て現在のカップ麺が開発されました。 pic.twitter.com/2dg75o9lUK
安藤百福の成功のきっかけは、一貫して、ありふれた経験からの「ひらめき」にあります。
戦後何年もたって、チラ見した屋台の行列からインスタントラーメンを思いつき、天ぷらを揚げるところからチキンラーメンを、紙コップで食べるところからカップヌードルを開発しています。
それが、天賦の才なのかどうかはわかりません。
ただ、いつもそのことだけを集中して考えていると、ありふれた経験がヒントになることはあると思います。
アルキメデスが、浴槽に入ったときに、水の中で体が軽くなることに気づき、それが浮力が物体の体積に比例するという「アルキメデスの原理」につながったように。
あるひとつのことを深く考え込んだり、いやなことを忘れずに覚えていたりすることは、よくないことのように言われることがありますが、ことと次第によるでしょう。
執念深いことは、ネガティブに評価されがちですが、逆にあることをずっと考えていられるというのは、そこからの解決方法を、日常の思わぬシーンで見いだせる可能性もあるわけです。
嫌だからと言って、ただ忘れるだけだったら、そこからは何も得られず進歩もありません。
もちろん、それが全てではなく、そういう考え方もある、ということですけど。
みなさんは、「考える」派ですか。「忘れよう」派ですか。
まんがでわかる日本の偉人伝総集編 - よだひでき
どんどん閃かなくなってるのは忘れてるからなのかな
by mau (2024-10-18 00:58)
閃くことすら忘れてます(笑)
by HOTCOOL (2024-10-18 03:31)
朝ドラで見て、楽しませて貰いました。
私は少しだけど、閃きを(特にデザイン)大切にして、追及したりするのですが、あまり考えると疲れて、結局 諦めます。これがいけないのかも!
by mutumin (2024-10-18 05:37)
カップヌードルの麺の位置も考え抜いたんだっけかな、目一杯入ってなくて底の方空洞なんだよ確か。
それは置いといて集中してる事と違う事やってる時に閃くかなー。
by pn (2024-10-18 06:26)
食で身体は作られるので、おろそかにはできませんね。
by mayu (2024-10-18 07:37)
カップヌードルの発明は偉大です。
自分は執念深い性格で、忘れっぽいくせに嫌だったことだけはよく覚えています。笑
「忘れよう」と常に努力していますが、とことん考えてみるのもいいかもしれませんね。
by ミケシマ (2024-10-18 12:04)
こんにちは^^
安藤百福さんのことは日経新聞の「私の履歴書」で読みました。執念深い人ですね(良い意味でです) わたくしもどちらかと言うと考える派ですね。
by mm (2024-10-18 13:33)
商売というのは日常や普通に疑問を持つことから始まるのかもしれないですね。
安藤百福さんのフッ軽(フットワークが軽い)さ、見習いたいです。
by MINA (2024-10-18 16:28)
人間がいちばん大事なことは食べること、は聞いたことがあります。
昔何人かは偉人伝を読みましたが感動しますね。
by お散歩爺 (2024-10-18 17:52)
こんばんは。
カップヌードルが発売された当初、田舎の中高生には何のことかわからず、いかがわしいものだろうかと噂したのも懐かしい思い出です。
by センニン (2024-10-18 18:14)
おふくろは「偉人」だったなぁ。誰も評価しませんが…
by 夏炉冬扇 (2024-10-18 21:14)
みなさん、コメントありがとうございます。
> どんどん閃かなくなってる
忙しすぎるのかもしれませんね。
> 閃くことすら忘れてます
閃こうとおもって閃くものでもありませんから。
> あまり考えると疲れて、結局 諦めます
脳内ではきっと気にし続けていて、それが閃きになるのでは。
> 集中してる事と違う事やってる時に閃くかな
おそらくそうだと思います。
> 食で身体は作られる
まさしくその通りですね。
> とことん考えてみるのもいいかも
突き詰めるとまた違うものが見えてくるかもしれません。
> どちらかと言うと考える派
物事を深く掘り下げて考えるのはいいことだと思います。
> フッ軽(フットワークが軽い)さ、見習いたい
成功にはスピード感も大事ですね。
> 何人かは偉人伝を読みましたが感動します
偉人と呼ばれるだけあって皆さん学ぶべきところがあります。
> 田舎の中高生には何のことかわからず
新製品の流行に都会と田舎とではタイムラグがありましたね。
> 誰も評価しませんが
子どもにそう評価されているのが一番ですね。
by いっぷく (2024-10-19 15:10)