葛飾北斎など『読むとなんだかラクになる がんばらなかった逆偉人伝 日本史編』 [文学]
葛飾北斎など『読むとなんだかラクになる がんばらなかった逆偉人伝 日本史編』(ミューズワーク、加来 耕三著)をご紹介します。歴史に名を残す人々25名の生きざまについて、「がんばらなかった」と表現できる部分にフォーカスしてまとめています。(本文中敬称略)
読むとなんだかラクになる がんばらなかった逆偉人伝 日本史編(ミューズワーク著、加来耕三監修、主婦の友社)は、歴史に名を残す25名の日本の偉人たちの功績や人柄を、「がんばらなかった」ことで自分らしく生きた人々とし、コラムでは逆に4名について「がんばりすぎた」から志半ばで失脚したと解説しています。
逃げる(木戸孝允)、泣きつく(足利尊氏)、人まかせ(徳川家綱)、スルーする(和泉式部)、世間を気にしない(前田慶次)、投げ出す(上杉謙信)、がまんしない(坂本龍馬)、こだわらない(徳川家康)、嫌われ上等(石田三成)、日常生活を放棄(葛飾北斎)、趣味に生きる(徳川慶喜)、本業やる気なし(足利義政)…など、いろいろなパターンの「がんばらなさ」を発揮した25人を収録。
ネガティブにまとめていますが、まあこれは表現の仕方の問題です。
人生には、「力を入れないほうがいい」「撤退したほうがいい」と思える選択もあるわけで、それを行った賢明な生き方について、「逃げた」とか「任せた」と表現しているわけです。
偉人を「〇〇したから立派です」ではなく「〇〇しなかったから自己実現しました」と、少し見方を変えて紹介しているわけです。
先日は、この中で吉田兼好についてご紹介しました。
吉田兼好など『読むとなんだかラクになる がんばらなかった逆偉人伝 日本史編』(ミューズワーク、加来 耕三著)をご紹介します。歴史に名を残す人々25名の生きざまについて、「がんばらなかった」と表現できる部分にフォーカスしてまとめています。https://t.co/7mUrbnKhkb #吉田兼好 pic.twitter.com/3ve1ouuFq1
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) August 12, 2024
今回は、葛飾北斎についてご紹介します。
「絵のこと以外なんにもやらないゴミ屋敷の巨匠」というタイトルが付いています。
絵以外はがんばらなかったわけです。
絵は日本の文化を象徴する存在だが……
「富嶽三十六景 東海道江尻田子の浦略圖」葛飾北斎
— 学べる世界のアート@スマホケース販売中 (@art_matomen) September 15, 2024
田子の浦は、もっとも富士山が見えるところとして有名であった。pic.twitter.com/1YtiSmmzSD
葛飾北斎(1760年10月31日 - 1849年5月10日)は、江戸時代後期に活躍した浮世絵師で、その革新的な作風と多作ぶりで知られています。生涯と功績について、Copilotに尋ねました。
生涯
葛飾北斎は、武蔵国葛飾郡本所割下水(現在の東京都墨田区)で生まれました。4歳の時に鏡磨師・中村伊勢の養子となり、12歳から貸本屋で働き始めました。19歳で浮世絵師・勝川春章の弟子となり、勝川春朗としてデビューしました。
画号の変遷と独立
北斎は生涯に30回以上も画号を変えましたが、39歳の時に「北斎」と名乗り始めました1。その後、琳派の3代目俵屋宗理を襲名し、美人画で人気を博しました1。
代表作と晩年
北斎の代表作には「北斎漫画」や「富嶽三十六景」があります。特に「富嶽三十六景」は、海外でジャポニスムを引き起こすきっかけとなりました1。晩年には火事や脳卒中などの苦難に見舞われましたが、90歳で亡くなるまで制作を続けました。
多作と影響力
北斎は生涯に3万点もの作品を残し、その影響力は世界中に広がりました。1998年にはアメリカの「ライフ」誌が選ぶ「この1000年間に偉大な業績をあげた世界の人物100人」に日本人で唯一選ばれました。
技術と革新
北斎は多くの技法を学び、浮世絵の枠を超えた革新的な作品を生み出しました。彼の作品は、フィンセント・ファン・ゴッホなどの西洋の芸術家にも大きな影響を与えました。
現代への影響
北斎の作品は現代でも色あせることなく、日本の文化を象徴する存在として評価されています。例えば、2020年から発行される日本国パスポートのデザインには「富嶽三十六景」が採用されています。
北斎の人生は、絵に対する情熱と執念に満ちたものであり、その功績は今なお世界中で称賛されています。
……ということで、立派な人生と功績です。
その功績とはうらはらに、「だらしない人」だったことを暴露しているのが本書です。
ゴミ屋敷が限界に来て93回転居
葛飾北斎美術展?? -p2-
— lovemasha ?ミアン (@Le_naymm) September 16, 2024
美しくて感動的 pic.twitter.com/qn2ajXeBLN
内容は、ざっとこんな感じです。
・玄関には、「お辞儀無用、みやげ無用」の貼り紙。
・家の中はゴミ屋敷。全く片付けられないので、ゴミの山が限界に来ると転居したのが93回。
・食べ物は作らないので、店屋物か、もらいもの。包み紙や箱は当然ごみになる。
・業者の集金には、絵の報酬袋を預けて「金を数えている暇があったら絵を描く。持ってけ」。
・服はいつも汚いものを着ている着たきり雀。
要するに、絵のことだけに時間をエネルギーを使う、という生き方に徹しました。
それで94歳まで生きたのですから、絵の実績といい、人生としてはそれでよかったのでしょう。
片付けられないことを以て、ダメ人間と卑下する必要はありません。
問題は、いかなる価値観でそうなっているか、ということです。
私も、妻から見るとそうらしいのですが、でもね、さすがにゴミだけでは「山」にはならないし、片付けないのは、次にその作業の続きを行うときに、片付けてしまうと思考もリセットされてしまい、時間とエネルギーの損失だと考えるからです。片付けないほうがよりスリープに近い復帰ができるのです。
みなさんは、「この点は、もっとがんばったらいいのに」と言われることはありますか。
読むとなんだかラクになる がんばらなかった逆偉人伝 日本史編 - ミューズワーク(ねこまき), 加来 耕三
>・服はいつも汚いものを着ている着たきり雀。
ここだけが共通点でしたね(笑)
by t-yahiro (2024-09-23 23:21)
リセットとスリープ。
なるほどですな。
by おっつぁん (2024-09-23 23:38)
ポイント的には頑張らなかったかもしれないけど、頑張った部分が評価されてる気も
by mau (2024-09-23 23:58)
葛飾北斎美術館は以前行きました。楽しかったです。
by HOTCOOL (2024-09-24 04:10)
価値観も方向性も、一つじゃないっていうことですね。
頑張りすぎはよくありませんから。
by mayu (2024-09-24 05:15)
ありがとうございます、部屋の片付けは後回しにしてやるべき事をやりたいとお思います。
by pn (2024-09-24 06:30)
片付けなくても病気にならなかったという事ですよね。
94歳は素晴らしい。
by mutumin (2024-09-24 06:47)
中庸人間です。部屋もそこそこ綺麗(汚い?) 才能も特になし。
by mm (2024-09-24 06:53)
北斎さん、そういう生活かと面白く。
by 夏炉冬扇 (2024-09-24 07:15)
おはようございます!
波の描き方など、常人には考えられません (*^o^*)!
by Take-Zee (2024-09-24 08:04)
大人になってから、吉田兼好すごいなーと思えるようになりました。
なるほど、世の中に対する欲の力が抜けてたんですね
by よいこ (2024-09-24 09:56)
私もゴミはあふれかけにならないと捨てないし、時間にルーズです。
ゴミは一応捨てるのでいいと(自分では)思っています。
でも時間にルーズなのはさすがに信用を失うので「待たせる自分」より「待つ自分」になろうと考えを変えて思って努力しています。
以前は待つ時間が面倒でピッタリに到着しようとして遅刻してたんです。
by MINA (2024-09-24 11:28)
がんばらなかった逆偉人伝、面白そうです!
がんばりたい気持ちはあるけど、
年齢のせいか、いまひとつ、えいや!っと腰があげられない
この頃、です。
by AKAZUKIN (2024-09-24 12:12)
こんばんは。
私も片付けません。
何がどこにあるかは認識しています。
勝手に片付けられると困ってしまうのです。
たまに探し物をすることもありますが、どういうわけか探しているものが山の上から転がって自分から出てきたという経験が何度かあります。
by センニン (2024-09-24 18:09)
みなさん、コメントありがとうございます。
> ここだけが共通点
私も似たようなものです。
> リセットとスリープ
続きから再開できるようにしておきたいのです。
> 頑張った部分が評価されてる
結果を残していますからね。
> 葛飾北斎美術館は以前行きました
私も行ってみたいですね。
> 一つじゃないっていうこと
世間の常識や価値観にとらわれないということでしょうか。
> 部屋の片付けは後回しにして
散らかっていても誰も困りませんしね。
> 94歳は素晴らしい
何かを成し遂げた人は総じて長寿ですね。
> 中庸人間です
それはそれでいいと思います。
> そういう生活かと面白く
なかなか真似できないレベルですね。
> 常人には考えられません
動く波の一瞬をとらえて見事です。
> 世の中に対する欲の力が抜けてた
ある意味達観していたのかもしれません。
> 「待たせる自分」より「待つ自分」になろう
そのほうが気が楽ですね。
> いまひとつ、えいや!っと腰があげられない
一度徹底的に力を抜いてリラックスしてみるといいかもしれません。
> 勝手に片付けられると困ってしまう
そう!それなんですよ。
by いっぷく (2024-09-25 21:54)