許せないという病(片田珠美著、扶桑社) [社会]

許せないという病(片田珠美著、扶桑社)という書籍をご紹介します。あいつだけは許せない、という思いについて、なぜ許せないのか、なぜ許せない思いに縛られるのか、その呪縛から解き放たれるにはどうしたらよいのかについて、いろいろな例を出して「許せないという病」を克服するための解決法を述べています。

ズバリ、『許せないという病』という、刺激的なタイトルに惹かれて読みました。
私はきっとこれに該当するので、「おい、とうとう病人扱いかよ」と、慌てて読んでみました。
昨今流行の、Web掲示板での炎上とか、ポリコレなども『許せないという病』の一種かもしれませんね。
ポリコレとは、「ポリティカルコレクトネス」の略で、特定の人物に対して不快感や不利益を与えないようにする、差別や偏見のない社会を築くためにと、言葉狩りをしたり、ジェンダーに由来する失言や差別を疑う事象を糾弾したりする運動を指します。
私は、ポリコレでもないし、不毛なネット民のつもりもないですよ。
ただ、人間関係の中で、自分に直接向けられた行為、嘘とか裏切りとかね。そういうのはやっぱり許せないですよね。
著者は片田珠美さん。
似たような本をよく出されているのですが、過去にはこんな書籍をご紹介していました。
他人の不幸を願う人(片田珠美著、中央公論新社)は、不幸が「蜜」どころか「主食」になった理由とその欲望の先に迫ります。著者は、その原因に「羨望」を挙げていますが、私は自分の経験から、ことはそう単純ではないような気がしました。https://t.co/2cfp43eS0F pic.twitter.com/cuSSGL6rnf
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) August 18, 2024
嫉妬をとめられない人(片田珠美著、小学館新書)。本書は、その中の「オバサンの嫉妬」を例に上げて解説しています。嫉妬⇒認知的不協和に「発展」することが有りえますが、それはどうしていけないのかもまとめてみたいと思います。https://t.co/INtpf80mbP pic.twitter.com/VjUtR7fT7s
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) August 18, 2024
要するに、人の「心の闇」を深堀りしている方です。
Copilotに、本書のポイントを挙げてもらいました。
1. 根深い要求不満と怒りのフリーズ……相手を許さない理由は、自分が蔑ろにされたと感じていることがあります。怒りの段階でフリーズしてしまうことで、許せない病がこじれることがあります。
2. 許すことの難しさ……許せないと思うのは簡単ですが、許すことは中々難しいものです。自分を許すことや、無理に許そうとしないことが大切です。
この本は、心の闇を解き明かし、許せない感情を引きずらないための処方箋を提供しています、とのことです。
類似書では、「許さないやつの負け」みたいな感じの書き方で、許さないほうが悪いようなものが多かったので納得できなかったのですが、本書の「無理に許そうとしないことが大切」というところが、私が読む気になったところです。
気持ちを変えるための指南
本書では、相手を許せない気持ちに対する、具体的なアドバイスがいくつかあります。
1. 自己許可の実践……自分自身を許すことから始めましょう、と書かれています。自己許可を実践することで、他人にも寛容になれるでしょう、とのことです。
2. 相手の視点を理解する……相手の立場や感情を理解することで、許す気持ちが芽生えることがあります。相手の背景や状況を考慮してみてください、とのことです。
3. 感情の受容と解放……怒りや悲しみを感じていることを受け入れ、それを解放することが大切です。感情を抑え込まずに表現し、解放する方法を探ってみてください、とのことです。
4. 自己成長と学び……許せない気持ちは成長の機会でもあります。その感情から何を学び、どのように成長できるかを考えてみましょう、とのことです。
つまり、お互い人間なんだから迷惑の掛け合いはお互い様、ぐらいの気持ちを持てということと、怒る気持ちを自分の人生に前向きに活かせることを考えよう、というふうに私には読めました。
たとえば、著者は本が好きで文学部に進みたかったけれど、家柄を気にする母と祖母に進路を反対されて、医学部に進まされて怨んだが、精神科医になって本を書いている今は、自己実現できて母と祖母も見返すことができた、と書かれています。
許せない人(事)のことは考えないようにする
片田珠美『許せないという病』#読了
— 斉藤ルッチ@冬眠中 (@13maskman) August 30, 2021
とくに肉親や妻や夫など、近親者が許せないといったケースを取り上げて、その原因や処方箋について書かれています。片田さんの著書は、加藤諦三さんみたいに「結局、言いたいことは何だったのか?」という迷路にハマらない明快さがオススメですね?????? pic.twitter.com/IgyNdRlOlM
まとめますと、本書の内容は、
1.(実体験から)自分が幸福になることが最大の復讐である。
2.人格は許して言動は許さないと割り切ろう。
3.「許せない自分」を許せぱ良い。
「1」はわかります。
復讐というより、幸福になれれば、他の不幸は「まあいいや」という気になれるからです。
ただ、「2」と割り切るのはむずかしいでしょうね。
「3」にいたっては、「許せない病」の克服とはちょっと違うように思います。
つまり、これでは結局「許せない」ままなので、心が疲弊していることに変わりはないでしょう。
私の持論ですが、やはり許せない人(事)のことはなるべく考えないようにして、その「余った」時間やエネルギーについては、なにか楽しいことを探した方が良いと思います。
ペットのお世話をするとか、毎日視聴しているYouTubeのチャンネル登録をするとか、ゲーム征服をするとか、夢中になれるものを探したほうがいいのかなと思っていますが、みなさんは、どんな「楽しいこと」で気晴らしされていますか。

許せないという病 (扶桑社BOOKS新書) - 片田 珠美
SNSの発展で許せない、嫉妬、そんな感情が世の中に湧き出ているような気がします。
by HOTCOOL (2024-08-20 04:05)
日ごろは思いだしもしないけれど、ふと思い出すと、やっぱり許せないという人、たくさんいますね。未熟な人が多いということでしょうか。
by mayu (2024-08-20 04:29)
許せない人や言動は多々あるけど、考え込まないようにするのが一番!私は許せない事や人を忘れる!ですね。
by mutumin (2024-08-20 04:39)
言動が許せない事の方が多いと思うんだよなぁ、人格としてはいいかもしれないが伴わない言動がやっぱ人ととしてどうかと思う。
by pn (2024-08-20 06:24)
自分が一番でないといけない人は「扱い」に困ります。
ゴボウはとにかく手間が大変。
by 夏炉冬扇 (2024-08-20 07:48)
おはようございます!
なんでも許してしまう優柔不断な私です (^_^)!
by Take-Zee (2024-08-20 08:30)
嫌な人のことを思い出して、不愉快な気分で過ごす時間がバカバカしいと思うようになりました。
許すには相手を受け入れ認める必要があってとても大変です。
大好きな曲に「憎み合いの果てに何が生まれるの 私、私が先に忘れよう」という歌詞があります。
先に忘れて流してしまえばいい。
時間は楽しいことのために使いたいです^^
by ゆきち (2024-08-20 09:32)
えっ、私のこと!?と思いました笑
他人にされたことは忘れかけているのですが、
縁の切れない…夫の実家の人たち(親戚含む)や弟の奥さん…
の言動は思い出してしまうし現在進行形。
そのことについて考えたりイライラする時間がほんと無駄だなって思います。
考えたくなくても頭に浮かんじゃうんです。どーしたらいいんだ…
by ミケシマ (2024-08-20 12:11)
許せないという病...
限度を超えてダメだなーって思ったら、関わらないようにしています。
少しでも思い出すようなものがあれば、処分ちゃってます。
極力思い出さないように・・・
by AKAZUKIN (2024-08-20 12:14)
みなさん、コメントありがとうございます。
> そんな感情が世の中に湧き出ている
これまでは心の中にしまっておいたのに、ということでしょうか。
> 未熟な人が多い
未熟な人は熟してからつきあうようにしています。
> 許せない事や人を忘れる!
考えないようにしているうちに本当に忘れてしまえたらいいですよね。
> 人格としてはいいかもしれないが伴わない言動
それはやはり人格に問題があるのでは。
> 自分が一番でないといけない人
つきあわないのが一番ですね。
> なんでも許してしまう
懐が深いということでよろしいんじゃないでしょうか。
> 時間は楽しいことのために使いたい
まったくその通りです。
> 考えたくなくても頭に浮かんじゃう
縁の切れない人たちと思いがちですが、親類縁者と縁を切っている人はごまんといますよ。
> 極力思い出さないように
そんなことがあったかな、ぐらいに忘れてしまいたいです。
by いっぷく (2024-08-20 17:06)
考えないようにしていても、夢で喧嘩して殺しあったり、読書灯をこなごなにしたりしてしまいます。こわすことはめったにないですが、自分の味わった以上に苦しめながら殺したい願望はいつも考えてるようです。許せないやつのレベルは、小生にはそのレベルで2人はいます。精神病かもしれません。
by ひでほ (2024-08-20 17:10)
これって、言うは易しく行うは、非常に困難な課題ですね。
許せないといっても、どのレベルで解決を望むのかにより
対処が異なってくると思います。たとえば「侵略戦争は許せない」というレベルと「友人の裏切りが許せない」とでは「許せない病」でかたづけるのは、まり勝手いる場合もあると思います。
by 風の友 (2024-08-20 17:32)
こんばんは。
>自分が幸福になることが最大の復讐である。
それはいいですね。
幸福になれるかどうか。
なろうと努力するということでしょうか。
>人格は許して言動は許さないと割り切ろう。
罪を憎んで人を憎まず、ということでしょうか。
>「許せない自分」を許せぱ良い。
許せないままですね。
by センニン (2024-08-20 18:30)
この頃わたくしも大人になった?^^ 最後はため息ついて「もうどうでもいいや」と思うことにしています。そして忙しく働いているとすっかり忘れますね。
by mm (2024-08-20 18:55)
> 苦しめながら殺したい願望はいつも考えてる
許せなくていいから、その人のことを考えずにすむ方法を探したいですね。
> どのレベルで解決を望むのか
ここでいう「許せない」は相手にされたことに対しての感情かと思います。
> なろうと努力するということでしょうか
ほかのことに意識をむけるようにしたらいいのでしょうね。
> 忙しく働いているとすっかり忘れます
それが一番いいですね。
by いっぷく (2024-08-21 00:42)