資本論/続・資本論(漫画/バラエティ・アートワークス、Teamバンミカス) [経済]
資本論/続・資本論(漫画/バラエティ・アートワークス、Teamバンミカス)をご紹介します。「搾取」の構造が明らかになるマルクスの代表作を漫画化しました。剰余価値から資本の協業と分業、生産手段の拡大、不況と恐慌など、資本主義の大きな流れを解説しています。
『資本論』は、プロイセン王国の社会主義者、カール・マルクスによる経済学書です。
経済の原理を歴史的かつ批判的に捉え、資本主義の構造から、生産様式、剰余価値の生成過程、資本の運動諸法則などを明らかにしました。
途中でマルクスは亡くなったため、政治思想家でジャーナリストのフリードリヒ・エンゲルスが遺稿を整理し、『資本論』の第2巻と第3巻を完成させました。
ですから、『資本論』はマルクスとエンゲルスの共著と言えます。
マルクス経済学とはなにか
1848【「共産党宣言」の発行】
— 世界史詳細年表 (@chronicle_2010s) July 15, 2024
プロイセン出身のマルクスとエンゲルスの共著。歴史を経済的に分析し資本主義の矛盾を指摘。プロレタリアート主体の革命による社会主義実現を提唱。マルクスは67年に「資本論」で自説を経済面から詳説。マルクス主義は社会主義の本流となる。pic.twitter.com/oaOVog6mvV
日本の大学で経済学を学ぶ際、一般的には「マルクス経済学」と「近代経済学」の2つが学ばれています。
これらは異なる視点から経済を分析し、理解するためのアプローチです。
マルクス経済学と近代経済学の大きな違いは、分析の方法と対象です。
マルクス経済学は、資本主義を批判的に分析し、記述的なアプローチを取ります。
今風に言うと、言語化です。
資本主義の歴史的発展を追跡し、社会的構造や階級の変動を理解するための視点を提供します。
一方、近代経済学では数学的モデルを構築し、統計学や計量経済学を用いて分析します。
つまり、こちらは計数化です。
数学的モデルを用いて経済現象を分析し、予測や政策評価に役立ちます。
近年は、他の経済学分野に押されているものの、マルクス経済学はまだ新しい発見のある分野であり、研究者たちはその理論や意義を探求しています。
たとえば、アメリカの民主党系ではMMTという財政出動政策を提唱する潮流がありますが、マルクス主義(計画経済)の学者も、議論に積極的に参加しています。
それを、できるだけわかりやすく1冊の漫画に収めたのが本書です。
本書は物語仕立てて、父親のハインリヒと、牧畜と家内制手工業のチーズ工場を営むロビンが主人公です。
ロビンの母親は、お金がないために最新治療を受けられず、早逝しました。
そこで、ロビンは、もっとお金を稼ぎたいと、父ハインリヒの反対を押し切って、投資家ダニエルの傘下でチーズ作りの会社を始めます。
しかし、ロビンは、労働者を働かせることで資本家が利潤を得る「搾取」の構造に複雑な心境になります。
資本家としてロビンは労働強化を行い、新商品投入⇒利益回収⇒事業拡大、という事業のサイクルの中で、不況と恐慌を経験します。
企業が利益を追求して拡大していくことは、大きな矛盾をはらんでいる、とエンゲルスは言います。
それでも、資本主義社会は競争社会ですから、不況や恐慌など恐れず、競争を続けていくしかないのです。
こうしてロビンは、資本主義の苦労と矛盾を知り、最後は社長業を降り、父のもとに戻るまでが描かれています。
資本主義は「利潤と消費のスパイラル」
『資本論』を第二分冊から読んで第一分冊に戻るという変な読み方をしているんだけど、読書メーターによると第一分冊から第二分冊で約半数が脱落している。 pic.twitter.com/MrIx8IjoTv
— みなみ (@minami_reading) May 22, 2023
かんたんにいうと、資本主義というのは、物を消費し、利益を追求し続ける営みである、ということです。
消費するからこそ、さらに新しい、よりよい物が登場します。
パソコンやスマホは、短期間にどんどん性能が上がっています。
家電も、鉄道も、車も、高速道路も、社会は新しくなるほど高度になります。
社会発展に、その営みは確かに必要です。
しかし、その営みによって、消費者は次々新しい物を買わされ、労働者は搾取されるだけでなく、資本家もどこまでも拡大再生産を求められます。その挙げ句に不況・恐慌で莫大な負債のリスクをを抱えながら。
しかも、資本主義社会は、高度な職業や管理職に就くために高い学歴が求められます。大学や専門学校での学業は、社会的地位や経済的成功に直接的な影響を与える要因となります。
それもまた、人間にとっては不健全な競争を強いられることになります。
つまり、資本主義において、人間疎外の問題は直面せざるを得ない、というわけです。
そうした資本主義の構造と矛盾を明らかにしたのが、『資本論』です。
勉強にはなりますが、ただいかんせん難しく、最初に読んだときは、必ずといっていいほど挫折します。
そういうときは焦らず、時間をおいて、何度でも再チャレンジして読み直すと、だんだんわかってきます。
それも大変だから、その概要をわかりやすく知りたいという方は、本書(漫画)をおすすめします。
『資本論』は、過去に読まれたことはありますか。
資本論 (まんがで読破) - マルクス, バラエティ・アートワークス
続・資本論 (まんがで読破) - マルクス, エンゲルス, バラエティ・アートワークス
競争の先にある物ってなんだろうとふと思う事があります。
by pn (2024-07-22 22:55)
こんなものまで漫画にできるんですね
by mau (2024-07-22 22:59)
漫画だったら読めそうです。
by HOTCOOL (2024-07-23 03:46)
おはようございます^^
資本論、読みました。でも深く読まなかったからかなぁ~あまり覚えていないです(ー。ー;
by mm (2024-07-23 05:55)
おはようございます!
それにしても暑すぎます (゚o゚;!
その暑い中、運転免許の更新に行きましたが
駅から20分の徒歩、パンツまでずぶ濡れでした !
by Take-Zee (2024-07-23 07:46)
読んだことないですー!
Eテレの「100分で名著」で見ました。
今回ご紹介いただいた本、物語仕立てになってるのがいいですね。
by ミケシマ (2024-07-23 10:36)
資本論、読んだことがないですあ、まんがだと
私でも読めそうな気がします。
by AKAZUKIN (2024-07-23 12:19)
月曜に帰宅。
ブログも復帰しました。梅雨明けです。
資本論。読んだことなし…
by 夏炉冬扇 (2024-07-23 14:15)
こんばんは。
読んでいません。
ダイジェスト版でも読んでみましょうか。
by センニン (2024-07-23 18:48)