ボボ・ブラジルさん、ココバット(頭突き)と人格で黒人初のチャンピオン [スポーツ]
今日はボボ・ブラジルのリングネームで知られるヒューストン・ハリスさん(1924年7月10日~1998年1月20日)の生まれた日です。ミシガン州ベントンハーバー出身のアフリカ系アメリカ人で、黒人レスラー初の世界チャンピオン。日本にも15回来日しました。
ボボ・ブラジル(本名:ヒューストン・ハリス)は、アメリカ合衆国のプロレスラーで、アーカンソー州リトルロック出身のアフリカ系アメリカ人です。
彼は20世紀を代表する黒人プロレスラーの1人で、アメリカのNWAをはじめ、WWWF、WWA、NWF、インディアナ版WWAなどの各団体で、黒人レスラーでありながら絶対的なベビーフェイス(善玉)として活躍しました。
日本では「黒い魔神」として人気を博し、日本プロレスと全日本プロレスに通算15回来日し、頭突き(ココバット)というシンプルですが説得力のある技で力道山やジャイアント馬場と名勝負を展開しました。
黒人初の世界ヘビー級チャンピオン
プロレス界で初めての黒人世界チャンピオンは、1954年にイギリスのアバディーンでノーマン・ウォルシュを破り、世界ミッドヘビー級王座を奪取したブラックブッチャー・ジョンソンと言われていますが、ヘビー級の「初」は、1968年6月20日に、ロサンゼルスでバディ・キラー・オースチンを破り、WWA世界ヘビー級チャンピオンになったボボ・ブラジルです。
プロレスは興行ですから、強さとともに集客力、そして他のレスラーの信用もないとチャンピオンにはなれません。
したがって この快挙は、人種差別の壁を乗り越えた彼の人気と品格を業界的にも讃えるものであるといわれています。
ちなみに、この年はブラジルは日本にも来ており、ジャイアント馬場を破ってWWAインターナショナルチャンピオンも奪っています(2日後に奪回)。つまり、WWA2冠王と言うわけです
WWAは、西海岸、ほぼロサンゼルスのみのローカルマーケットでしたが、太平洋をはさんで、日米2つのテリトリーのベルトを締めたというのは、当時のテリトリー制のプロレス業界でも異例のことです。
その前にも、ブラジルはバディー・ロジャースを破り、NWA世界ヘビー級チャンピオンになったけれど、勝利は無効になった幻の戴冠というのもあったそうです。
が、ま、これはね、世界チャンピオンが各地でそういうあぶないシーンを作り、「次にやったら勝てるのではないか」と観客に思わせて、また同じカードで稼ぐという、興行上の演出ですね。
ジャイアント馬場も、若い時にアメリカでロジャースとは連続5番勝負やって、1回ぐらいはそんなこともあったはずです。
でも本当にその時点で馬場が世界チャンピオンになったら、日本でしか通用しない田舎レスラーの力道山は嫉妬に狂って、コップをガリガリかじり、馬場を日本に帰さなかったかもしれません。
コップをかじるのは、力道山が機嫌が悪くなったときのパターンだそうです。
あと、若手レスラーに1升酒を一気飲みさせるとか。
そんな人格だからアメリカでは相手にされなかったのに。
ブラジルの爪の垢でも一気飲みしたら良かったのにね。
相手の商品価値を守る戦い方で尊敬されていた
今日はボボ・ブラジルのリングネームで知られるヒューストン・ハリスさん(1924年7月10日~1998年1月20日)の生まれた日です。ミシガン州ベントンハーバー出身のアフリカ系アメリカ人で、黒人レスラー初の世界チャンピオン。日本にも15回来日しました。https://t.co/MJIZBCHR1A #ボボ・ブラジル pic.twitter.com/g9LDhWAJFN
— 戦後史の激動 (@blogsengoshi) July 10, 2024
ボボ・ブラジルについては、以前も書きました。
力道山を流血ノックダウンさせたら、控室に戻ってしまった⇒実は力道山が負けないように、自分の試合放棄に見せかけた。
大木金太郎と頭突き合戦して大木が膝をついたら、急に頭突きをやめて逃げ出した⇒頭突きしか取り柄のない大木金太郎を頭突きで倒して商品価値を壊さないようにした
ワールドリーグ戦、ジャイアント馬場とダイナミックに動き回る時間切れの引き分け⇒猪木優勝の機運が高まったので、自分たちは猪木のできない「大きなレスラーのダイナミックな動き」の試合をして、馬場と自分の面目をたてた。
こうしたところも、ボボ・ブラジルが、他のレスラーから尊敬を勝ち取り、黒人初の世界ヘビー級チャンピオンになった所以です。
ボボ・ブラジルについては、他人の悪口や、醜い足の引っ張り合いが多いプロレス界にあり、ブラジルのような人は貴重だった、とジャイアント馬場の書籍ではしばしば書かれます。
ジャイアント馬場は、リング内で激しく戦うことは当然としても「リングを下りたらブラジルのような紳士でありたい」と肝に銘じたそうです。
黒人レスラーは仲悪い説の虚実
黒人と一口に言っても、実は多様です。
肌が黒い人種としては、ネグロイド(アフリカに住む黒人など)と、オーストラロイド(インド南部、東南アジア、太平洋諸島の先住民)の2人種がいます。
その人たちは「黒人」ですが、それだけでなく、その人々とそれ以外の人種のハーフで黒人としての遺伝子が出ている人もいます。
で、一般にはわかりませんが、プロレス界においては、その黒人同士の関係は、必ずしも良くないという説があります。
プロレスライターの流智美さんが書いていることです。
たとえば、日本で黒人レスラーを招聘するときは、アフリカ系と、アフリカとインディアンのハーフは一緒に呼ばないとか。
それ以外に、そもそも白人レスラーの中には、黒人レスラーを嫌う人もいるので、そちらにも気を使わなければならなかったようです。
全員ではなく、気にしないレスラーもいましたけどね。
たとえば、ボボ・ブラジルと、アブドーラ・ザ・ブッチャーといえば、日本でもおなじみの黒人レスラーですが、2人が同じシリーズに来日したのは1度だけです。
「ブラック・パワーシリーズ」といって、黒人を複数呼ぶシリーズが全日本プロレスにはあったのですが、それまで2人がともに呼ばれることはありませんでした。
ブラジルは生粋のアフリカ系。
ブッチャーは、スーダン出身のアフリカ人ということになっていますが、実際はジョージア州出身のインディアンとアフリカ系のハーフです。
それが、ブラジルの最後の来日に、やっと実現しました。
おそらく、ブラジルは引退するので、馬場に対する感謝の意味で、最後だけブッチャーとご一緒したのでしょう。
ただ、黒人同士は仲悪い説は、私は単純に、スターが並び立つのは難しいということではないかと思うんですけどね。
白人レスラーのディック・マードックが、アプドーラ・ザ・ブッチャーと合わなかったというのはプロレス界では有名な話ですが、同じように黒人嫌いといわれたキラー・カール・コックスは、ブッチャーと来日してタッグも組んでいますから、こちらも人種と言うより相性の問題かなと言う気もします。
内心は嫌いでも、プロとして仕事はする、という割り切りもあったかもしれませんしね。
こればかりは、ご本人に伺わないとわかりませんが、レスラーも人間なので、まあ最終的には人間性の問題でしょうね。
ボボ・ブラジル。覚えておられますか。
プロレス最強列伝 超絶ヘッドバットVS鉄の爪アイアンクロー - 不明
こんにちは^^
残念ながら、全然この種のスポーツ(?)には関心が無いです。
by mm (2024-07-10 18:11)
力道山ひでぇなぁ、今一升瓶一気飲みなんてさせたら殺人未遂モノじゃないっすか(^_^;)
by pn (2024-07-10 22:56)
名前だけ知っていました。
ボボって、あほとか馬鹿とかいうたぐいの失礼な名称だった気がします
差別があって大変な時代だから、いろいろ嫌な思いをされたのでしょうね
by よいこ (2024-07-11 03:33)
あのころの(ヒール)役のレスラーはアメリカ人なのに他国の名前をリングネームにしていたのですね。
by 我流麺童 (2024-07-11 07:01)
それぞれ個性豊かで、興奮させられました。特にアイアンクローね。ドイツ系ですかハンスシュミットって。名前だけが凄くインパクトあった。キラーコワルスキーも同時代でしたか。
by beny (2024-07-11 20:09)