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大野雄二さん83歳の誕生日、スリリングでミステリアスで切なく明るい音楽を提供 [懐かし映画・ドラマ]

大野雄二さん83歳の誕生日、スリリングでミステリアスで切なく明るい音楽を提供

大野雄二(おおのゆうじ、1941年5月30日~、作曲家)さんの誕生日です。おめでとうございます。以前も書きましたが、あまりにも関わった作品が多く、ひとつの記事ではご紹介しきれなかったので、ひさしぶりに作品を振り返ってみたいと思います。(画像は各作品オープニング画像、『愛が見えますか』『おふくろさん』は新聞広告より)



大野雄二さんは、日本の作曲家、編曲家、音楽プロデューサーであり、幅広いジャンルの音楽を手掛けています。

独創的で感情豊かな音楽で、映画、テレビドラマ、アニメ、CMなどで多くの名曲を生み出してきました。

石立鉄男ドラマ、石坂浩二主演ドラマ・映画、ルパン三世、加山雄三の刑事ドラマ『大追跡』、映画『人間の証明』など、日本テレビ系のドラマ・アニメ番組を中心に数多く手がけてきました。

石立鉄男ドラマシリーズ


“明るく楽しくカラっと泣ける”石立鉄男主演ドラマは、脚本の松木ひろし、音楽の大野雄二、そして主演の石立鉄男によって作り上げられた青春人情ホームコメディーだと思います。

そのほとんどがユニオン映画という、日本テレビ系の制作会社によって手がけられ、映画チャンネルNECOで石立鉄男アワーとして繰り返し放送されたことで、リアル放送時を知らない世代にも人気です。

おひかえあそばせ(1971年4月7日~1971年9月22日、全13話)川崎
気になる嫁さん(1971年10月6日~1972年9月20日、全40話)成城学園
パパと呼ばないで(1972年10月4日~1973年9月19日、全40話)佃島※主題歌は羽根田武邦作曲
雑居時代(1973年10月3日~1974年3月27日、全26話)成城学園
水もれ甲介(1974年10月13日~1975年3月30日、全25話)豊島・鬼子母神
おふくろさん(1975年4月6日~1975年9月28日、全21話)世田谷・赤堤※この作品のみ日本テレビ製作
気まぐれ天使(1976年10月6日~1977年10月19日、全43話)早稲田
気まぐれ本格派(1977年10月26日~1978年9月20日、全38話)神楽坂

「青春人情ホームコメディー」と書きましたが、まあこれは、私の造語です。

私はリアル放送時から、ロケ地を見に行くマニアでしたが、石立鉄男が番宣に出ない方針を貫いていたため、シリーズは当時はあまり世間では注目されていませんでした。

たとえば、『パパと呼ばないで』の初出の平均視聴率は11%。

今なら打ち切りものです。

それが、繰り返し再放送されることで、幅広い年齢層に知られることとなり、さらに竹中直人のモノマネなどで1990年代以降、評価されるようになってきました。

今は逆に、昭和ドラマの象徴的な扱いでメジャーになりすぎ、私のもとを離れてしまった感じです。

そんな私が、同シリーズで密かに放送を待ち望んでいるのが、京塚昌子と石立鉄男が親子を演じた『おふくろさん』です。

おふくろさん

舞台となった、東京世田谷の四ツ谷軒牧場は、今はマンションですが、その前はファミレスで、牛魂碑が建っていました。

私が妻と初めて食事をしたのが、そのファミレスでしたね。

俺はご先祖さま


大野雄二というと、ソニア・ローザが主題歌を歌った、『俺はご先祖さま』(1981年12月6日~1982年3月14日、NTV)も印象に残ります。

俺はご先祖さま

こちらも、松木ひろし脚本ですが、主演は石坂浩二。

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制作は、その石坂浩二に似ているといわれた『赤頭巾ちゃん気をつけて』の主演経験がある岡田裕介(後の東映社長⇒会長)です。

雑誌カメラマン白石伴吉(石坂浩二)の下宿先に、22世紀からタイムマシーンでやってきた若い女性・MiMi(マリアン)。

科学と経済合理主義の果てに戦争に行き着き、ロボットに支配されるに至った22世紀で「愛は危険思想」と教えられていたMiMiは、20世紀の日本の生活の中で初めて人のふれあいを知り、石坂浩二を好きになっていきます。

将来はヨーコと結婚すると聞かされた石坂浩二は、恋人のゆり子(あべ静江)と別れ、本名がヨーコのモデル(浅野ゆう子)に対して一瞬その気になったり、普段は意識しなかった同僚の洋子(根岸季衣)に対しても懐疑的な気持ちになったりしますが、石坂浩二がタイムマシンから取り出した自分の未来の結婚写真の花嫁姿はMiMi……?

ラス前のどんでん返しが見どころです。



視聴率的に成功したとはいえなかったのですが、マリアンがブレイクし、今も私を含めてコアなファンが頑張っているドラマです。

犬神家の一族


大野雄二は、大作映画の音楽も手がけています。



『犬神家の一族』(1951年、東宝)は、市川崑監督による横溝正史作長編推理小説の映画化第一作目です。

製作は角川春樹事務所です。

大野雄二による主題曲『愛のバラード』が印象的です。

最初は、胡散臭がられていた金田一耕助(石坂浩二)が、最後は加藤武や坂口良子らに名残惜しまれて去っていくエンデイングが、大野雄二の音楽とマッチして大変よかったですね。

テレビドラマ版の京マチ子も熱演でしたが、『3時のあなた』の司会をずっと見てきたので、高峰三枝子さんの演技も見られてよかったと思いました。

横溝正史映画の中でも、もっとも印象に残ります。

2006年にも、市川崑、石坂浩二でリメイク版が製作されましたが、ご覧になりましたか。

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コメント 8

mau

犬神家、あの足は衝撃的でした
by mau (2024-05-29 22:19) 

ハマコウ

-青春人情ホームコメディー
子どもの頃楽しみにしていました。
ほのぼの感が好きでした。

by ハマコウ (2024-05-30 05:16) 

pn

マッドポリスとコブラかなー、大追跡も良かったなぁ(^-^)
by pn (2024-05-30 12:27) 

十円木馬

雑居時代が大好きな番組でした。
山口いづみさんが歌う主題歌『そよ風のように』のメロディが、今でも耳に残っています
by 十円木馬 (2024-05-30 17:15) 

いっぷく

>犬神家、あの足は衝撃的でした
足を出していた人は潜ったまま大変でしたよね。
本物の人間の足ではなかったのかな?
by いっぷく (2024-05-31 02:03) 

いっぷく

>-青春人情ホームコメディー
私の造語ですが、たしか再放送は「青春アワー」というタイトルの枠でした。
by いっぷく (2024-05-31 02:04) 

いっぷく

>大追跡も
大追跡私も毎週見ていました。
by いっぷく (2024-05-31 02:05) 

いっぷく

>雑居時代が大好きな番組でした。
パパと呼ばないでの印象が強すぎて、後番組の雑居時代はリアルタイムではあまり印象に残らなかったのですが、時間がたって再放送されたときは、これはいいドラマだなと思いました。
by いっぷく (2024-05-31 02:07) 

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