高峰三枝子、フルムーンや釈迦如来を演じた「歌う映画女優」 [懐かし映画・ドラマ]
今日は、高峰三枝子さん(1918年12月2日~1990年5月27日)の祥月命日です。戦前から1960年代ぐらいまでは「歌う映画女優」として活躍。その後は『3時のあなた』の司会をつとめ、『犬神家の一族』『西遊記』『フルムーン』など映画やテレビドラマ、CMなどに出演しました。(画像は『JRフルムーン』CM、映画『犬神家の一族』1976年角川映画より)
高峰三枝子とは誰だ
高峰三枝子さんは、東洋英和女学院を卒業した年(1935年)に琵琶演奏者の父親が亡くなり、松竹に入社して女優生活をスタートさせます。
松竹の看板女優として、「歌う映画女優」と云われたそうですが、私がよく覚えているのは、当時女優が司会をつとめることはめずらしかった時代に、『3時のあなた』(1968年4月~1973年5月、フジテレビ)の司会を週2回されていたことです。
昨日フィルセンのロビーで司葉子さんのことを雑談していて思い出したこと。高峰三枝子、山口淑子、久我美子、扇千景、森光子、司葉子、藤純子、三田佳子、芳村真理、坪内ミキ子、加茂さくら。これみんな「3時のあなた」の司会者陣。 pic.twitter.com/rN1DXrbOss
— 田旗 浩一 (@tsukimoto_natsu) July 16, 2016
もちろん、その後も映画やドラマ、CMなどに出演。活躍されました。
犬神家の一族
76年角川版「犬神家の一族」の高峰三枝子より、今の大竹しのぶの方がずっと年上なんだなあ(もしかすると過去最年長松子。そんな感じしないけど)
— hiroyama (@locksley6k) January 18, 2023
原作では松子は52?53歳だけど、物語世界の昭和20年代とは年齢感がだいぶ違っているはずなので、演じる側の実年齢は高めになっていくのかも。 pic.twitter.com/5U8fhWgtne
高峰三枝子さんというと、真っ先に思い出されるのは『犬神家の一族』(1976年、角川書店/東宝)です。
メディアによって「日本映画の金字塔」と称されることもある(Wikiより)市川崑監督作品です。
石立鉄男ドラマや、『ルパン三世』でお馴染みの大野雄二さんの音楽で、金田一耕助は石坂浩二さんが演じました。
私は、自分が見た横溝正史原作の映画・ドラマの中では、この作品が一番だと思っています。
あらすじを書きます。
信州の財閥・犬神佐兵衛(三國連太郎)が亡くなり、その遺言が公開されました。
3人の孫の誰か一人と結婚する条件で、佐兵衛の恩人の孫娘・珠世(島田陽子)に全財産が相続されるという内容です。
孫たちは島田陽子を狙って争奪戦を繰り広げますが、そこで不可解な殺人事件が発生し、金田一耕助の出番というわけです。
高峰三枝子は、犬神佐兵衛の長女・松子を演じましたが、ネタバレすると犯人役でした。
角川書店が作っただけあって、コピーがまた斬新。
「読んでから見るか、見てから読むか」
もちろん、読むのは角川書店の原作です。
つまり、映画はそれ自体の興収とともに、書籍を売るための広告にもなっていたのです。
なんてスケールがおおきいのでしょう。
不気味な仮面を被った“スケキヨ”や、足だけ出ているシーンは今も語り継がれています。
石坂浩二が最後に事件を解決し、帰る汽車に乗る時は、宿でお世話を焼いていた坂口良子や、見当外れの推理を連発した加藤武らも名残を惜しむエンディング。この結び方もよかったですね。
フルムーンCM
CM 「国鉄夫婦グリーンパス」
— JUNK. (@tHgInDiMdNuOr) May 2, 2020
いい日旅立ち フルムーン旅行。
上原謙・高峰三枝子|声:城達也@retoro_mode pic.twitter.com/cAPl2x9Lkq
正式タイトルは、フルムーン旅行をテーマとした 『国鉄夫婦グリーンパス』(1983年)。
JRになった現在もサービスはあるようですね。熟年および老年夫婦を対象とした、JR旅客会社のグリーン車が乗り放題。
往年の松竹のスターである上原謙(加山雄三の父親)さんと高峰三枝子さんが風呂に入っているCMに、城達也のナレーションがかぶります。
もう、高峰三枝子さんに男性視聴者は釘付けです。
当時、山東昭子(現参議院議長)さんからは、「シリコンを入れた年寄りの胸など見たくない」(雑誌「太陽」のアンケートに回答)と揶揄されましたが、本人は否定。
たしかに、若い頃の画像を見ても、急に大きくなったものとは思えません。
ただ、「見えないようにタオルを巻きまくった」とも言っていましたが、こちらは浴槽でめくれあがっているように見えました。
西遊記
昭和53年『西遊記』(日本テレビ)より/撮影の合間のスナップ。お釈迦様と愉快な仲間たち。左より岸部シローさん、西田敏行さん、高峰三枝子さん、夏目雅子さん、堺正章さん。(別冊週刊女性「永遠の大女優 高峰三枝子」より) pic.twitter.com/xmagPR4wvL
— 島倉千代菊 (@wataridori333) October 4, 2019
堺正章さん、夏目雅子さん、西田敏行さん、岸部シローさんらが出演したTVドラマ『西遊記』(1978年10月1日~1979年4月1日、国際放映/NTV)で、レギュラーメンバーを束ねる釈迦如来役を演じたのが高峰三枝子さんです。
このOGP、微笑ましい一葉です。
大物女優でないとつとまらないキャスティングですが、ホームドラマが主流だった日本の女優の中では、もっとも釈迦如来のイメージにピッタリだったと思います。
脳梗塞の原因は……
Wikiによると、死因は脳梗塞。
ただし、ネットでは、どうしてそうなったのかと因果間関係を疑われている出来事も検索できます。
高峰三枝子さんは、美空ひばりさんも施術を受けていた、ある「謎の治療師」の「治療」で、外出する時でも必ず特製茶をポットに入れて持ち歩いていたと言わます。
「治療」はどんなものであったのか。
玄米おにぎりプラス特製茶による食事療法と腸のマッサージ。おにぎりといってもその大きさはゴルフボール大で、1日に食べる量は1個か2個。特製茶には下剤として用いられるセンナが使用されており、飲むと数時間後には下痢を起こすというものでした。(『週刊文春』1990年8月16、23日合併号)
これでは、栄養失調と脱水状態に陥ってしまうでしょう。脳梗塞のリスクも高まります。
享年72歳。まことに残念なことでした。
(決定盤)生誕100年記念 高峰三枝子大全集 - 高峰三枝子, サトウハチロー, 服部良一, 仁木他喜雄
犬神家の一族(1976) - 石坂浩二, 高峰三枝子, 三条美紀, 草笛光子, あおい輝彦, 島田陽子, 三國連太郎, 市川崑, 長田紀生, 日高真也, 市川崑
フルムーンのCMの後必殺に出たんだけど入浴シーンぶち込んでたな確か(^◇^;)
by pn (2024-05-30 12:31)