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山村聰さん、風格のある名優として、社会派の演出家として活躍 [懐かし映画・ドラマ]

山村聰さん、風格のある名優として、社会派の演出家として活躍

山村聰さん(やまむらそう、1910年2月24日~2000年5月26日)の25回忌を迎えます。俳優・監督として、テレビ、映画、舞台などで活躍しました。俳優としては風格のある名優として、演出家としては社会派の作品を数多く手掛けました。



25回忌というと、もしかしたら聞き慣れないかもしれません。

3と7がつく年が年忌法要の仏教ですが、最初と真ん中と終わりだけは例外です。

1周忌、25回忌、50回忌です。

といっても、1周忌以降は、満年数からひとつ減じます。

ですから、25回忌法要とは、亡くなった日から24年後の命日に営む法要のことです。

俳優と演出家で対象的な表現者だった山村聰



俳優としての山村聰は、戦前は進撃に所属。風格のある名優として会社役員、政治家などアッパークラスの役どころが多かったのですが、1952年に独立。

東宝砧撮影所の山田典吾芸能部長と作った独立プロ『現代ぷろだくしょん』の演出家としては、社会派として歴史に残る事件を、人間の側から描いた作品を撮っています。

たとえば1953年には、小林多喜二の『蟹工船』を発表。

その翌年には、下山事件の不審死を扱った『黒い潮』を監督兼主演で撮っています。

社会派の山本薩夫監督が撮りそうな題材です。

政治的一大事を国民の側から扱いながらも、政治的なテーゼありきで結論を提示するのではなく、人間(それも市井の弱者)を描くことで観客に考えてもらう、というお作風は、弱者・マイノリティ作品の鑑ともいうべきものだとおもいます。

一方、俳優としては、英語が堪能であったことから、海外製作の映画への出演が多く、ハリウッド映画では1958年に公開された20世紀フォックス製作の『黒船』(ジョン・ヒューストン監督)の下田奉行の田村左衛門守役でジョン・ウェインと、1986年に公開されたパラマウント映画『ガン・ホー』(ロン・ハワード監督)の日本の自動車メーカーの重役・坂本役でマイケル・キートンらとそれぞれ共演しています。

国内では、1970年に黒澤明が監督を降板した、太平洋戦争劈頭の真珠湾攻撃を描いた日米合作の戦争映画『トラ・トラ・トラ!』では連合艦隊司令長官山本五十六を演じました。

テレビでは、ホームドラマのお父さんやドンの役が多かったように思います。

知的な父親役やボスを数多く演じる



『必殺仕掛人』では、元締の音羽屋半右衛門を演じました。

必殺シリーズというと、藤田まことさんのイメージが強いのですが、最初は山村聰、緒形拳、林与一の3人から始まりました。


『ただいま11人』はお父さん役で、70年代お得意のホームドラマですが、本作は、OGPにある通り、家族がいつもディスカッションを行っている知的な家庭でした。

高学歴の国際派俳優として、丹波哲郎さんがいますが、新東宝出身の丹波さんは、好んで喜劇を演じられていたので、その点が山村聰さんとは違いますね。

その中で、「例外」ともいえるドラマがこれです。


『ザ・ハングマン』も観ていました。

現代版必殺で、決してサツ人はしない仕置なのですが、それでもちょっと荒唐無稽なところがありました。

山村聰さんにしてはめずらしく、劇中に「笑い」のあるドラマでした。

山村聰さん、覚えておられますか。

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十円木馬

山村さんが小津監督の『東京物語』に出演しているのを、先日YouTubeで観て知りました。東京大学卒の高学歴俳優と認識していましたが、ちょっと強面の個性派俳優だったと思います
by 十円木馬 (2024-05-25 15:40) 

いっぷく

新劇出身で、演技の幅も広いんでしょうね。
by いっぷく (2024-05-26 02:14) 

pn

音羽屋半右衛門も良かったけど清兵衛も良かったよ(^○^)
by pn (2024-05-30 12:35) 

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