山村聰さん、風格のある名優として、社会派の演出家として活躍 [懐かし映画・ドラマ]
山村聰さん(やまむらそう、1910年2月24日~2000年5月26日)の25回忌を迎えます。俳優・監督として、テレビ、映画、舞台などで活躍しました。俳優としては風格のある名優として、演出家としては社会派の作品を数多く手掛けました。
25回忌というと、もしかしたら聞き慣れないかもしれません。
3と7がつく年が年忌法要の仏教ですが、最初と真ん中と終わりだけは例外です。
1周忌、25回忌、50回忌です。
といっても、1周忌以降は、満年数からひとつ減じます。
ですから、25回忌法要とは、亡くなった日から24年後の命日に営む法要のことです。
俳優と演出家で対象的な表現者だった山村聰
今日5月26日は俳優、映画監督として活躍 山村聰さんのご命日です。
— 松木 秀憲 (@ddg175myoukou88) May 25, 2023
映画、テレビドラマなど幅広く活躍。映画「蟹工船」「日本のいちばん長い日」「トラ・トラ・トラ!」「世界大戦争」の他、テレビドラマ「必殺仕掛人」「影の軍団」「ザ・ハングマン」などに出演。 pic.twitter.com/2XI4uVjpYL
俳優としての山村聰は、戦前は進撃に所属。風格のある名優として会社役員、政治家などアッパークラスの役どころが多かったのですが、1952年に独立。
東宝砧撮影所の山田典吾芸能部長と作った独立プロ『現代ぷろだくしょん』の演出家としては、社会派として歴史に残る事件を、人間の側から描いた作品を撮っています。
たとえば1953年には、小林多喜二の『蟹工船』を発表。
その翌年には、下山事件の不審死を扱った『黒い潮』を監督兼主演で撮っています。
社会派の山本薩夫監督が撮りそうな題材です。
政治的一大事を国民の側から扱いながらも、政治的なテーゼありきで結論を提示するのではなく、人間(それも市井の弱者)を描くことで観客に考えてもらう、というお作風は、弱者・マイノリティ作品の鑑ともいうべきものだとおもいます。
一方、俳優としては、英語が堪能であったことから、海外製作の映画への出演が多く、ハリウッド映画では1958年に公開された20世紀フォックス製作の『黒船』(ジョン・ヒューストン監督)の下田奉行の田村左衛門守役でジョン・ウェインと、1986年に公開されたパラマウント映画『ガン・ホー』(ロン・ハワード監督)の日本の自動車メーカーの重役・坂本役でマイケル・キートンらとそれぞれ共演しています。
国内では、1970年に黒澤明が監督を降板した、太平洋戦争劈頭の真珠湾攻撃を描いた日米合作の戦争映画『トラ・トラ・トラ!』では連合艦隊司令長官山本五十六を演じました。
テレビでは、ホームドラマのお父さんやドンの役が多かったように思います。
知的な父親役やボスを数多く演じる
(* ̄? ̄) この #アナザーストーリーズ、おもろいなー!!再放送やけど本放送は知らんかった。 眼福、眼福!勉強になるわー? #NHK
— よろづ屋TOM??。o O(イイネな絵ネタはRTもお願い?) (@yolozyaTOM) March 26, 2024
木枯し紋次郎vs必殺仕掛人 pic.twitter.com/zY900suu16
『必殺仕掛人』では、元締の音羽屋半右衛門を演じました。
必殺シリーズというと、藤田まことさんのイメージが強いのですが、最初は山村聰、緒形拳、林与一の3人から始まりました。
今日は山村聰氏の誕生日。ガキの頃みていたTV『ただいま11人』が忘れられない。山村聰・荒木道子の夫婦と長女の池内淳子はじめ9人の子供のホームドラマだが和気藹々とした感じより結構ディスカッションしていた印象。特に山本圭はいつも憤慨していた。四女の丘さとみは途中から大空真弓に交代。 pic.twitter.com/4RMefD7IO7
— さんぴん奴 (@sanpinyakko) February 24, 2021
『ただいま11人』はお父さん役で、70年代お得意のホームドラマですが、本作は、OGPにある通り、家族がいつもディスカッションを行っている知的な家庭でした。
高学歴の国際派俳優として、丹波哲郎さんがいますが、新東宝出身の丹波さんは、好んで喜劇を演じられていたので、その点が山村聰さんとは違いますね。
その中で、「例外」ともいえるドラマがこれです。
50代以降の山村聰は渋くて大好きなのだが、百年の恋も冷めるのが、紙をめくるときに親指をベロッとなめるおっさんくさい芝居。参考画像は『ザ・ハングマン』のゴッドと『24時間の男』の新聞社キャップだが、他にも見た記憶が。山村聰のクセなのか。 pic.twitter.com/pNiE2OKG2z
— 濱田研吾 (@hamabin1) September 24, 2015
『ザ・ハングマン』も観ていました。
現代版必殺で、決してサツ人はしない仕置なのですが、それでもちょっと荒唐無稽なところがありました。
山村聰さんにしてはめずらしく、劇中に「笑い」のあるドラマでした。
山村聰さん、覚えておられますか。
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ザ・ハングマン DVD-BOX 1 - 林隆三, 黒沢年男, 植木等, あべ静江, 夏樹陽子, 山村聰, 林隆三
山村さんが小津監督の『東京物語』に出演しているのを、先日YouTubeで観て知りました。東京大学卒の高学歴俳優と認識していましたが、ちょっと強面の個性派俳優だったと思います
by 十円木馬 (2024-05-25 15:40)
新劇出身で、演技の幅も広いんでしょうね。
by いっぷく (2024-05-26 02:14)
音羽屋半右衛門も良かったけど清兵衛も良かったよ(^○^)
by pn (2024-05-30 12:35)