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障害者が「当たり前」でない日本人のメンタリティ [障害者]

「もし障害者がドラマに出演したら?」というテーマの番組が、4月11日に放送されます。

正確には再放送ですが。

みんなのためのバリアフリー・バラエティー、『バリバラ』(4月11日午前0時)です。

「ドラマに出演」といっても、障害者が美しく生きる感動ポルノではありません。

ストーリーの主たる動きには影響を与えず、もし、ちょい役で出たら 、という話です。

その他大勢で、さりげなく、でも当たり前に……です。




「20人に1人」が当たり前に描かれてもいいじゃないか



番組の公式サイトから引用します。
「ドラマに障害者がストーリーと関係なく出てくることって少なくない?」そんな疑問をもとに、障害者がドラマにちょい役で出演したら現場はどうなるのか?視聴者にはどう見えるのか?実際にドラマを撮って検証してみた! スタジオでは、ドラマや映画で活躍する乙武洋匡さんと神戸浩さんが出くわしたバリアを赤裸々に告白。さらに今年秋スタートする朝ドラ「カムカムエヴリバディ」の責任者も登場し、現場のリアルを徹底トーク!

たとえば、主人公がラーメンを食べるシーンで、隣で車椅子の障碍者がセリフもなく普通にラーメン食べててもいいじゃないか、という話です。

ヒロインが横断歩道を渡るシーンで、視覚障害者が杖をトントンと叩きながら歩いていてもいいじゃないか、という話です。

でも、だからといって、その障害がストーリーには何ら影響を与えない。

今までの映画やドラマって、そういう人が「その他大勢」では出てこなかったですよね。


内閣府によると、令和元年現在の障害者の数は、65歳未満では男性が135万9千人(57.1%)、女性が101万4千人(42.6%)、65歳以上では男性が175万6千人(49.5%)、女性が177万2千人(49.9%)となっているそうです。

日本全体ではだいたい、20人に1人が障害者ということになります。

これは、手帳や受給者証のある人です。

認定されなかった人や、認定を受けていない人もいるので、若干のプラスアルフアはあると思います。

緑内障の患者+予備軍ぐらいいるんですね。

あまりいい比較ではなかったかな。


クドカンドラマは「普通に」登場していた


それはともかくとして、テレビドラマや映画で、「障碍者がさり気なく当たり前に出演」というと、先日最終回を迎えた『俺の家の話』があります。

ハフポストが記事にしていました。


『俺の家の話』は、TBS系で放送されたドラマです。

能の宗家に生まれた主人公(長瀬智也)は、父親に反発してプロレスラーになりますが、脳梗塞で倒れ余命宣告された父親(西田敏行)の介護のために家に戻ってくる話です。

宮藤官九郎さんの描き下ろし脚本です。

小学5年生である主人公の息子(羽村仁成)は、学習障害(LD)と診断を受け、多動症(ADHDの特性のひとつ)の兆候もあると医師に言われています。

が、フリースクールに通い、能の「観山流」を受け継ぐ父の実家で稽古を始めます。

といっても、発達障害でも能の稽古をする、という「美談」はドラマのメインストーリーではなく、あくまでたくさんの登場人物の中のひとりに過ぎません。


宮藤官九郎さんだから、書けたのでしょう。





モデルは「どですかでん」か


宮藤官九郎さんと言えば、あの『どですかでん』を高く評価する作家としておなじみです。


『どですかでん』は、山本周五郎の小説『季節のない街』が原作。

黒澤明監督が、初めてカラーで撮った作品として知られています。

ゴミの集積所の一画に形成されたガレキ街を舞台に、市井の人びとの生活を描いた群像劇です。

知的障害者のロクちゃんは、雨の日も毎日電車のエア運転に出かけます。

「どですかでん、どですかでん」と言いながら町を走り回るだけ。

川の向こう側の“普通の小学生”たちは、六ちゃんに石を投げつけますが、ガレキ街の人たちは、ロクちゃんをいじめるでもなく、かといって腫れ物に触るように特別扱いするでもなく、一人の人として普通に関わり、みんなそれなりに日々の営みを続けています。

これほど、健常者が障碍者とインクルーシブな関係を築いている映画はないと私は思いました。

日本のクリエーターたちは、障害者を「面倒なもの」として、積極的に描きません。

たまに描く時は、それで安易に感動話を作るときです。

「子ども、動物、障害者」は、感動させるために使われやすいキャラクターなのです。

もちろん、そうでない名作もありますが、逆に『名もなく貧しく美しく』のような、過去の名作があったから、うわべだけを真似するものが出たんでしょうね。

今は、発達障害という明確な診断もでき、支援学級、支援学校も以前よりも前向きに入学させる時代になったのですから、「障碍者をその他大勢で当たり前に描く」方向に変わっても良いのではないかと思います。

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コメント 6

ナベちはる

>20人に1人
単純計算で40人学級に2人いることになるので、割と早いうちに「障がい」に対する理解が多少でも深まってもいいはずですが、実際はというとそうでもないですね…
by ナベちはる (2021-04-10 00:56) 

おっつぁん

いい意味で、障害者を特別扱いしないということですね。
20人に1人を無視するのは、たしかに不自然です。
by おっつぁん (2021-04-10 01:03) 

yoko-minato

どんな人も生きていける世の中に
なることを本当に望みますね。
障がいのある人も,弱い人も
肌の違いもそれぞれ
個性だと考えられる世の中に。
by yoko-minato (2021-04-10 05:17) 

pn

やっぱまだまだ臭い物には蓋を的な意識があるんじゃないっすかね?障害者だけでなく妊婦とか高齢者もそこら辺に普通に居るんだから画面に出て来ても不思議じゃないよね。
by pn (2021-04-10 06:34) 

kousaku

教育を変えることも大事かとこうした人たちのことをもっと教え寧とどうしても興味本位の目で見がちですからね。
by kousaku (2021-04-10 08:10) 

旅爺さん

障碍者がさり気なく出演してるのはテレビのダイジェスト
かな?で見ましたが、どんなことなのか早く見たいものです。
by 旅爺さん (2021-04-10 10:50) 

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