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義足の聖火ランナー、谷津嘉章さんが石畳を走った、オリャッ [障害者]

東京オリパラ。もともといささか強引に決めた上にコロナ禍。

「中止すべきだ」「延期すべきだ」との回答の合計が、米中仏韓泰全ての国で70%を超えたとの報道もあります。(毎日新聞3月21日付)。

国内でも2月の時事通信の調査では、「2022年以降に再延期すべきだ」が最多の35.3%、「中止すべきだ」の25.8%と合わせ、6割超が今夏の開催に反対と出ていますね。

森喜朗発言もあり、ボランティアや聖火ランナーの辞退も相次いで、インバウンド収入も断念。

とても開催を期待する雰囲気ではないのですが、ただ、個々の価値観から見ると、その思いは様々です。


2年前の右足切断から“復帰”


競技者の多くはもちろん開催を望んでいるのでしょうが、それ以外にも、聖火ランナーとして五輪に参加したいと思っていた人たちがいます。

その一人が、元プロレスラーの谷津嘉章さんです。


谷津嘉章さんが、コロナ禍で辞退者が続出する中、東京オリパラの聖火ランナーとして、義足で足利市の石畳を走りきったニュースです。


今朝のテレビ朝日の『大下容子のワイドスクランブル』では、勝俣州和と、104歳の女性と、五輪子という名の女性が取り上げられたのに、なぜか谷津嘉章さんはシカトされていました。

モスクワ五輪でレスリング男子フリースタイル代表だった谷津嘉章さんが、35歳から予備軍だった糖尿病の合併症から、足の血豆に入ったバイキンというありふれたきっかけで、2019年6月25日に右脚を膝下7センチのところで切断する大手術から2年。

その23日前には試合をしていたので、まさに突然の切断です。

そこから、壮絶なリハビリとトレーニングで、オリンピックに“復帰”したことをぜひ取り上げていただきたかったですね。


「自分は足利市内の第9走者で、史跡足利学校入徳門前から“小京都”のような町並みの中を走りました。硬い石畳の上を走るのは義足だと厳しく、走る前は『うまく走れるか』と不安もありましたが、走り始めると『ようやく走れた』という喜びやここまで支えてくれた関係者への感謝で万感迫る複雑な思いでしたね。一生懸命笑顔をつくって一歩一歩踏みしめて走り、終わった今はアッという間だった、という感じです」

谷津嘉章とは誰か


谷津嘉章さんは、日本大学時代の1976年モントリオールオリンピックで8位、入賞を目指した1980年モスクワオリンピックでも日本代表に選ばれたものの、日本が不参加だったため2大会連続出場はなりませんでした。

1980年に、アントニオ猪木の新日本プロレスに入団。

しかし、その頃の新日本プロレスは、タイガーマスク人気に加え、選手層が一番厚いときだったため、正直あまり大事にされたとは言えず、デビュー戦でいきなりスタン・ハンセンとアブドーラ・ザ・ブッチャーに大流血させられ、失意のままアメリカへ。

その後も新日本ではチャンスに恵まれず、長州力らと新興ジャパンプロレスに移籍し、提携していた全日本プロレスのリングに上がります。

アメリカ時代から気にかけてもらっていたジャイアント馬場やジャンボ鶴田とはウマがあったらしく、長州力が新日本プロレスに戻った後も全日本プロレスに残り、ジャンボ鶴田と五輪コンビとして活躍しました。

そして、高校の後輩である三沢光晴(二代目タイガーマスク)や川田利明らがメインを取るようになると、1990年に旗揚げされた、メガネスーパーの新団体SWSに移籍。

しかし、そこは居心地が悪かったようで1年で離脱。

その後は、自分で団体を興したり、長州力の団体を手伝ったりしましたが、やはりレスラーとしてのハイライトは、全日本プロレス時代ではなかったかと思います。

ジャンボ鶴田からは、「現役時代は短いんだから、稼いだお金は貯めておいたほうが良いよ」とアドバイスされたらしいのですが、現役時代はふんだんに飲食に使い、毎日7000~8000カロリーを摂取。

糖尿病を発症してしました。


そして右足切断。

本人も認めていますが、糖尿病の家族がいて、かつ若い時の暴飲暴食が糖尿病を発症させたとはいうものの、糖尿病なら誰もが絶対そうなる、と決まったわけではありません。

発症後20年以上たってから、足の血豆に入ったバイキンという、ありふれた出来事で脚の切断に至ってしまうのですから、こわい話です。

上のツイートにもあるように、直近まで試合をしていたのに急に切断では、気持ちの準備もなにもあったものではなかったでしょう。

でも、災難なんてそんなもんです。

何月何日の何時にあります、とわかってたら苦労しません。

必死のトレーニングとリハビリ



しかし、そこで絶望せず、谷津嘉章さんはリハビリで、義足を付けて自力歩行ができるようになりました。

YouTubeにもチャンネルを作り、『義足の青春』という動画を配信しています。

プロレスラーで糖尿病と言いますと、アマレスからプロレス、実業家と同じ経歴をたどったサンダー杉山さんは両足を切断。巨漢のサンボ浅子さんは右足切断で右目の視力も失いました。

そこまで至らなくても、全盛時とは別人のように痩せてしまい、「ああ、この人もたぶんそうなんだろうな」と思える人もいました。

体を作らなければならない、プロレスラーや力士などは過酷なトリーニングと異常な食事の量の摂取で、引退後も怪我の古傷や心臓肥大、糖尿病などと戦い続けている人が少なくありません。

谷津嘉章さんは、昨年聖火ランナーが延期になっても、ずっと体調を維持して、この日に備えていました。

ですから、谷津嘉章さんにとっては、走れて何よりと思いますし、糖尿病と闘う人たちにとって希望の星といっていいでしょう。

これからもお元気でお過ごしいただきたいと思います。

さらば闘いの日々 - 谷津 嘉章
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コメント 10

hagemaizo

伝えてくださってありがとうございます。
by hagemaizo (2021-03-29 23:27) 

ナベちはる

最期の試合から1ヶ月経たずして、急に「足を切断しないと危ないです」とは怖いですね。

普通なら絶望してもおかしくないと思います…
by ナベちはる (2021-03-30 00:28) 

pn

オリンピックはどちらかと言うと中止派なんですが、一寸先は闇ですよねやっぱ。この一瞬を大切にと思うと無観客でもオリンピック開催がいいのかも。
by pn (2021-03-30 06:26) 

鷲獅子のXPERIA

おはようございます。
毎日7000~8000カロリーだとけっこうな量食べてたんですね^^;
けどよく乗り換えたので良かったです。
by 鷲獅子のXPERIA (2021-03-30 06:34) 

kousaku

観客は当然無観客でしょうね、それより選手が集まるかどうかですね?
それと仮にやったとしてその後蔓延するかもしれませんからね、中止が一番だと思いますね。
by kousaku (2021-03-30 07:23) 

Rinko

ワイドショーはこういう方こそ取り上げるべきですね。

by Rinko (2021-03-30 08:15) 

mio

こんな時期に無理してオリンピックをやる必要がどこにあるの?って批判的だったんですが、この日の為に努力してきた沢山の方がいるのか・・・と自分勝手な考え方だった事に反省しております。でも、やっぱり東京に人が集まるのは困ります。なんでこんな時に、日本それも東京なんでしょう。こんな運の悪い事ってあります?
by mio (2021-03-30 10:32) 

ぴーすけ君

糖尿病の人は沢山いるので 
様子を知り励みになったことでしょう。
by ぴーすけ君 (2021-03-30 17:59) 

そらへい

このオリンピックは、国民総意と言うより
自民党及び安倍政権の浮揚策として利用されたような気がしています。コロナ禍にあって、このところの失態ぶりは当然の成り行きという気がします。
by そらへい (2021-03-30 20:51) 

sportsjp

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by sportsjp (2021-03-31 08:43) 

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