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地井武男、城之内邦雄と将来を語り合って『沖縄』『ちい散歩』などで活躍 [懐かし映画・ドラマ]

地井武男、城之内邦雄と将来を語り合って『沖縄』『ちい散歩』などで活躍

今日は地井武男さん(1942年5月5日~2012年6月29日)の命日です。1963年に俳優座養成所へ入所した「花の第15期生」の1人です。その後は映画、テレビドラマに数多く出演し、『ちい散歩』で新境地を開きました。(上の画像は下のOGPより)




地井武男とは誰だ


地井武男は、千葉の高校卒業後、1963年に俳優座養成所へ第15期生として入所します。

俳優座養成所花の第15期生とは、片岡五郎、斎藤憐、佐藤博、津坂匡章(後の秋野太作)、小野武彦、柴田侊彦、高橋長英、地井武男、夏八木勲、浜畑賢吉、原田芳雄、林隆三、前田吟、溝口舜亮、村井国夫、竜崎勝、赤座美代子、栗原小巻、太地喜和子、三田和代……錚々たる顔ぶれです。

俳優を、職業とできずに夢破れた人は誰もいなかったので、“花の15期生”といわれる人たちです。

ひとりひとり解説するときりがないのですが、津坂匡章は『俺たちの旅』のグズロクや、『男はつらいよ』の登役を演じました。

小野武彦は、『踊る大捜査線』のスリーアミーゴス、織田裕二の上司の袴田健吾刑事課長です。

巨人の「エースのジョー」こと城之内邦雄とは姻戚関係(地井武男の姉が城之内邦雄の兄の妻)であったことから、若い頃は、大田区久が原の城之内の家に下宿して将来を語り合ったそうです。


そういえば、2人とも千葉県出身ですね。

ということは、城之内邦雄の大姪(兄の孫)である城之内早苗も親戚ということになります。


孫というと、世代が一つ遠いように見えますが、昔は子供の数が多かったので、末子が生まれる頃、長子は結婚して子どもを生んでいた、なんてことはよくある話ですね。

その後、岡本喜八監督『斬る』で映画デビュー。1970年には武田敦監督の初主演『劇映画沖縄』で注目を集めました。


戦後の沖縄を舞台に、故郷を奪われた人々の抵抗と苦悩、怒りを描いた1969年製作の長編劇映画です。

以来、テレビドラマや映画でコンスタントに活躍してきました。

地井武男の出演作は、映画、ドラマ数え切れませんが、以前ご紹介したことのある、青春学園ドラマの金字塔、『飛び出せ!青春』の第37話である『結局はタダの人間なのか先生も!!』をまた振り返ります。

飛び出せ!青春



役は、江川教頭(穂積隆信)の肝いりでやってきた野心家の新任教師、木本至教諭。

格好良くふるまい、生徒たちに人望のあるビギン河野先生(村野武範)から自分に振り向かせ、ビギン先生を孤立させたかのように見えましたが、策を弄して自滅。

負けず嫌いから、捨て台詞を河野先生に言い残して去っていくストーリーです。

「柵を弄して自滅」というのは、惚れっぽい女生徒(松原麻里)に、「結婚するならキミのようなタイプがいいなあ」などと言いながら、料理を作りに来たその女生徒に、恋人(ひし美ゆり子)を見られてしまったのです。
私がこの回を最初に見たのは、まだ子供の頃だったので、河野先生をピンチに陥れた、地井武男演じるインチキキザ野郎(笑)にハラハラしながら見ていました。

観る者に感情移入させるということは、それだけ演者として優れていたのでしょう。



ちい散歩



散歩番組の開祖といってもいい番組でしょう。

亡くなるまで続けていたので、遺作といってもいいと思います。

あとを継いだ加山雄三の悪気のないところも、私はいわれているほど悪いとは思いませんが、庶民的な目線という点では、やはり地井武男版がいちばんだったと思います。

このOGPでツイートされているように、第28作『男はつらいよ寅次郎紙風船』で、マグロをまるごと担いで、とらやに妹(岸本加世子)を引き取りに来たシーンも、朴訥としてよかったと思います。

さくら(倍賞千恵子)の家では、皿に山盛りの刺し身があったのですが、えー、さくらがさばいたのか、とびっくりしたものです。

後は、作品ではないのですが、地井武男は所属事務所を、俳優座⇒どりいみい7⇒沢井プロダクション⇒サイプロダクションと変わっており、沢井プロダクション時代に社長の不始末で、多額の報酬未払いがあったのです。

サラリーマンの年収の何倍も……。

所属俳優の山城新伍が我慢できずに声を上げて、地井武男がそれに続いて、もうひとりの所属「タレント」だった大槻義彦まで「僕をおいていかないで仲間に入れてくれ、兄弟」(←とワイドショーでは報じていた)と言って、3人は結局移籍しました。

それまでは、事務所の顔を立ててじっと我慢し、山城新伍に声をかけられると、山城新伍との関係を大事にして行動をともにする。

かなり我慢強く、人間関係・信頼関係に対して、慎重な方であると思いました。

地井武男さん、印象に残る作品はありますか。




ちい散歩 職人の技・老舗の味 - 地井 武男, 地井 武男
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コメント 16

ナベちはる

地井さんが亡くなられてからもう8年とは早いです…
by ナベちはる (2020-06-30 00:33) 

pn

やっぱスッポンのトシさんですねー(^^♪
by pn (2020-06-30 06:16) 

ヤマカゼ

赤井さんと一緒だった料理店のドラマ、最高の食卓が記憶にあります。
by ヤマカゼ (2020-06-30 06:33) 

KINYAN

いつもコメントありがとうございます。
地井武男さんは、脇役として存在感があった印象があります。
好きな俳優さんでしたね
by KINYAN (2020-06-30 06:45) 

shiho

地井さん大好きだったなぁ~。
亡くなられて、8年ですか~。
テレビで見られなくなって寂しいです。
by shiho (2020-06-30 07:13) 

Rinko

亡くなっていたのを忘れていました・・・。
今でも活躍なさっているようなイメージです。
地井さんの笑顔がとても良かったですよね^^
by Rinko (2020-06-30 07:58) 

なかちゃん

地井武男さんと言えばボクはやっぱり『太陽にほえろ』ですね。
そういえば寅さんにも出ておられましたね。
残念ながら『飛び出せ青春』は記憶にありませんが、とても好きな役者さんでした。

by なかちゃん (2020-06-30 08:24) 

風太郎

庶民的なちい散歩は毎回楽しみで、
北海道に来る時にCDにためて持ってきました。
by 風太郎 (2020-06-30 09:41) 

エンジェル

この方は刑事ドラマや時代劇などがとても似合っていると思っていました。具体的にどのドラマ・・・というと案の定思い出せませんが(汗)「太陽にほえろ」も出演されていたんですよね。
by エンジェル (2020-06-30 10:16) 

十円木馬

「北の国から」で中畑役を演じる地井さんが、妻が癌で亡くなる場面で、幾度も声を詰まらせる迫真の演技が忘れられません。
by 十円木馬 (2020-06-30 15:10) 

kou

地井武男さんの散歩番組がほのぼのとして好きでした。この手の番組の元祖ですからね。
志村さんと同様にまだ生きていると錯覚してしまいます。
by kou (2020-06-30 17:26) 

ヨッシーパパ

北の国からで、一躍有名になったような気がします。
by ヨッシーパパ (2020-06-30 17:32) 

犬眉母

ちい散歩・・・観てました。
『北の国から』も代表作のひとつですねぇ。
by 犬眉母 (2020-06-30 22:23) 

mau

ちい散歩、ついてるとなんとなく見ちゃうやつでした
by mau (2020-06-30 22:56) 

もれしょん

市川崑好きのあたしとしまして地井さんといえば「犬神家の一族」ですね~かなり昔の話ですが早稲田に住んでいたころまさしくちい散歩で徘徊されている撮影隊に遭遇してしばらく眺めていた思い出があります。撮影の仕事をしていたこともあってああいうチーム編成もいいな~とみていました

by もれしょん (2020-07-01 21:13) 

そらへい

巨人の城之内投手は独特なフォームで
バッターをなぎ倒して好きな投手でしたね。
もっと評価されるべきエースだと思います。
同じ名字と思っていたら、
やはり城之内早苗さんは親戚だったのですね。
by そらへい (2020-07-01 21:18) 

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