スタージウェーバー症候群てご存知ですか。Facebookの日テレNEWS24では、顔にあざのような腫瘍のある少年⇒青年について12年取材したもののダイジェスト動画『“あざと生きる”覚悟を問われた少年の夢』を投稿していたので、ネットでご活躍の氏家志穂さんの動画とともにシェアします。(上の画像は下の動画より)
岩川雅治さんの場合
スタージウェーバー症候群というのは、「脳の表面を細かな血管が覆う軟膜血管腫と顔面の赤い痣、眼圧の上昇を特徴とする生まれつきの病気」(
https://www.nanbyou.or.jp/entry/4307)です。
外見では、顔の一部に皮膚の内側の腫瘍がアザとして見え、眼圧の上昇で緑内障を伴ったり、脳の血流が悪くなって運動麻痺やてんかんなどを合併症で引き起こしたりする難病です。
そのスタージウェーバー症候群である、岩川雅治さんの4歳から12年間を映像は追っています。
遺伝や感染ではなく、それでも5万人から10万人に1人の発症があるといいます。
要するに不可抗力としかいいようのないことです。
しかし、世の中にはこういう人をここぞとばかりにジコマンに利用する人がいます。
母・智慧さんによると、ベビーカーに乗せていると、見知らぬ老夫婦が「子供にやけどをさせるのは母親として失格だ」とわざわざ説教するので、その場から消え去りたい思いがしたそうです。
あるある話ですね。私もこれ、経験あります。
火災で脳をやられた我が子がまだ情緒が安定していない時に、振る舞いについてそういう説教をしていた見ず知らずの老人がいました。しつけがどうとか……言ってたかな。
私は別に気にならなかったですけどね。
そういう人は、苦労知らずで馬齢を重ねたことを自覚しているので、コンプレックスの裏返しで他人にやらずもがなの説教したがるんだろう、ぐらいに思ってます。
当たらずといえども遠からずと思いませんか。
それはともかく、父親の耕治さんは、「心が折れない芯の強さを持った人間に育て上げることがこの子には必要だなと思っていた」と考えます。
そして尋ねました。
「一生あざを隠し続けるのか?」
雅治さんは、ファンデーションはやめて、つまり隠すことをやめて、あざと生きることを決めたそうです。
14歳の時に、将来への決意を「道」という漢字で示しました。
「道。現実から逃げず、自分が決めた道を一歩ずつ進んでいきます」
将来は、医師になりたいそうです。
自分の病気を生かせる仕事につくことで、自分が病気で良かったと思えるからだそうです。
氏家志穂さんの場合
スタージウェーバー症候群といえば、すでに氏家志穂さんがSNSで積極的にツイートされていて、ネットでは以前から有名です。
生まれつき顔面右側に赤色の血管腫。
合併症で、生まれつき右眼に緑内障。
この二点が認められる為スタージウェーバー症候群と診断されたそうです。
現時点でてんかんは認められていませんが てんかんにも軽度から重度がある為 今後の観察が必要といいます。
小さい頃は明るい少女だったのに、スタージウェーバー症候群のせいで、中学校に入り壮絶ないじめを受けたとか。
顔を見た同級生らが、「気持ち悪い」「こわい」と避け始め、暴力はエスカレートして校舎2階の窓から突き落とされたことも。
しかも、教師はいじめた側の多数のカタをもち「お前の言っとることは、信用できん」。
教師に疑われたことに深く傷つき、2年生の半ばから不登校になったそうです。
そして、暴走族に入りましたが、そこでは、誰もあざのことには触れなかったし、そのことでいじめられることもなかったそうです。
現在、氏家志穂さんは結婚して子にも恵まれ、現在は外見上の悩みを持つ人たちの会を立ち上げ、活動を続けています。
重い話ですが、氏家志穂さんの動画やツイートを見ていると、なんとなくユーモラスでついクスッと笑ってしまい、そして元気が出てきます。
「たとえばスーパーでレジに並んでてね、親子連れの後ろに私が並ぶでしょ。どうしても子供がみるんです。私のことをね。そしたら、子供に親が(ジェスチャーで)“ダメッ”とかね。また違う人は“見たらダメでしょ”とか(言ったり)ね。見たらあかんということはなくて、どんどん見てくれたらええと私は思うんです。どんどん見て、どんどん触ってくれたらええと思うんですけどね」
「たった10万人に1人しかいないんですよ。日本でも1000人あまりしかないんですからね。このアザになる人は。だから、1000人がいっぺんに外に出てくれたらね、もっと変わると思うんですけど」といって小首をかしげてカワイコぶりっ子カメラ目線(笑)
「結婚できると思ってなかったですしね。そういう出会いがあるとも思ってなかったですし。アザがある人にも言いたいんですけど、人生、ええようになるんです。絶対に」
自分の現実からは逃げない
スタージウェーバー症候群であることの苦悩については、現在こうして語れるまでの道のりは大変だっただろうなあと思います。
ただお二人に共通しているのは、どんなに大変でも
絶望せず前を向いて生きることだと思いました。
それには、社会と向き合って自分の現実からは逃げないことです。
大したことのない課題なのに、なんだかんだ、できない言い訳を作って、その一方で他者には不平不満や陰口言いまくって、とにかく内向きな自己正当化をはかるだけ、ということってありがちですよね。
でも、それでは何も生み出さない。何も変わらない。
でも、このお二人は、「アザは私のせいじゃないから」とか言ってても仕方ないんで、それより否応なしに突きつけられたその現実でどうやって生きていくかと向き合い、そこから自分の人生を切り開いてこられたわけです。
これはもう、この難病でなくても、私たちの人生に通じる教訓だと思います。
いろいろ大変な境遇でも、不平不満は後回しにして、まずは頑張ってみよう、という気になりました。
ということで、今回も結論は「人生、やるか、やらないか」でした。
難病患者の教科書(電子書籍版)2016年5月版 - 浅川透
>難病でなくても、私たちの人生に通じる教訓だと
思います。
同感です。私も過去に2度交通事故に合い何れも命
を取り留めました。それ以来、人には運命、天命が
あり、生きているのではなく生かされていると思う
ようになりました。指定難病であったとしても与え
られた命は、それが天命だとするなら強く生きて
欲しいと心から願います。
by 十円木馬 (2020-05-16 09:34)
お客様のお顔にすごく目立つ特徴がある場合、つい
チラっと見てしまって「あ、見たら失礼だな」と目
線をそらす事がよくあります。でも「見たら失礼」
だと思う事が差別なんだなと気づかされました。
by mio (2020-05-16 10:36)
おはようございます。
世の中の所為にせず強く生きていくしかないのだと思います。
by U3 (2020-05-16 10:40)
>お二人に共通しているのは、どんなに大変でも絶望せず前を向いて生きること。
>社会と向き合って自分の現実からは逃げないことです。
同感ですね。でも簡単な事ではなくって、そういった人間性や人間力を身に付けるには(本人の本来持っている資質も大きいですが)やはり周囲の関わる人自体の是非もありますね。周囲に潰されて行った人たちも決して少なくはないと思いますから…
この記事を読んだ人たちが “自分事として”どう捉えるか、そこがSNS時代の核だとも思います。
by 扶侶夢 (2020-05-16 12:58)
どう見ても教師失格じゃん、その人はまだ先生と呼ばれているのだろうか?そんな人に教わる生徒が哀れだわ。
by pn (2020-05-16 14:34)
アザがあってよかったとは言えませんが、
アザを、自己実現のきっかけにしたのでしょうね。
人によっては、自分の不運を呪って不平不満ばかり、
ということもあるでしょうし、逃げずに前を見るか、
やるかやらないか、そこが運命の分かれ道ですね。
by 犬眉母 (2020-05-16 15:36)
スタージウェーバー症候群初めて知りましたが、高校からの友人は幼少の頃の大やけどで顔半分にこの病気と同じようなアザがあります。しかし本人は明るく常に普通に振る舞い、教師や自分たちも何事もないような接し方でした。もちろん今でも普通にやり取りしてます。この記事を読んで、あらためて本人の気持ちを考えてみました。
いろいろな葛藤や知らないところで苦しみもあっただろうと想像できますが強い友だと思います。
by kou (2020-05-16 16:52)
はじめて知りました、スタージウェーバー症候群、、、
難病なんですね。
しっかり認めて堂々歩んでいる素晴らしいです。
by えんや (2020-05-16 20:07)
最初は人生から逃げたかったでしょうね。
でも逃げずに前を向いたとき、自分の本当の姿がみえたのでしょう。
立派な方ですね。
by ヤマカゼ (2020-05-16 20:30)
病気と付き合っていくのは本人も家族も気持ちが強くないと難しいですね。
by mau (2020-05-16 21:46)
顔に痣のある人たちを撮った写真集をみたことがあります。生まれつきだということが、とてもショックでした。
でも、人間見かけじゃない、心だということを氏家さんのお子さんが教えてくれました。
by coco030705 (2020-05-16 22:07)
スタージウエーバー症候群という病があるのですね。初耳です。アザのある方は何人も見た事がありますが病気でアザが出来るのですね。どうにもならない事をくよくよ悩んでいても仕方がないという事は自分の人生にもありました。気持ちを切り替えて前向きに考える事でどうにか乗り切る事が出来ました。
by エンジェル (2020-05-16 23:08)
スタージウェーバー症候群、初めて知りました。
ほとんどの人が知らないであろう病についていろいろと語るのも大変な気持ちだったのだろうなと思います。
by ナベちはる (2020-05-17 00:45)
隠さない勇気と踏ん切りが全てですね。
考えさせられます。
by skeptics (2020-05-17 16:38)
エライな。
どん底の苦しみを知っている、そしてそこから這い上がってきたという強さが輝いていますね。
by Rinko (2020-05-18 08:41)