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あおい輝彦、矢吹丈はアテレコではなくアフレコだった [懐かし映画・ドラマ]

あおい輝彦、矢吹丈はアテレコではなくアフレコだった

あおい輝彦さんが、アニメ『あしたのジョー』の主人公・矢吹丈の声をあてたときのことを振り返るインタビュー記事が、ファンの間では話題です。ジャニーズの一員を卒業して俳優と歌手とを両立させる葛藤を他の作品も例に上げて答えています。



「『これはオレだ』って、なり切っていました」


あおい輝彦は、『あしたのジョー』の同名のアニメ化で、主人公・矢吹丈の声をあてました。

「僕は最初断ったんですよ」

俳優1本でやっていこうとしたからだそうです。

しかし、原作の愛読者だったので、結局『やっちゃえ』となったそうです。

ファンならすでに有名なエピソードかもしれませんが、詳しくはこちらから


こちらがまとめ記事です。
https://hayabusa9.5ch.net/test/read.cgi/mnewsplus/1587783855/-100

興味深かったのは、他の声優と同じように、あおい輝彦も、動画ができる前に声を先行させるアテレコを行っていたことです。

「意外と平気でした。なりきっていたしね。だから、途中で絵の完成が遅れたりすると、絵が止まっていたり、線だったりするんだけど、自分の気持ちでやるでしょう?

そうすると、絵と合わない場合が出てくる。声のほうが先に終わっちゃったりして。そうするとディレクターが、『いいです、あおいさん、今の芝居がとても良かったので、今の声に絵を合わせます』って、僕の声に絵を合わせてくれたんですね。スタッフ、キャスト全員の熱意を感じるすてきな作品でした」

さらに、あおい輝彦はこう述べています。

「僕はこの作品でアテレコをやったつもりはない。ジョーの声を作ってもいません。言ってみれば、僕が撮影した映像のアフレコをやったつもり。『これはオレだ』って、なり切っていました。」ということです。

原作の作画担当であるちばてつやは、当初梶原一騎先生の原作を無視して自分のイメージで描き進めたために、梶原一騎先生が激怒したというエピソードもあります。

逆に、『タイガーマスク』では、簡素すぎる説明の原作だったため、作画の辻なおきの裁量で描き進めざるを得ないシーンもあったそうですが、とにかく『あしたのジョー』については、ちばてつやの意向が反映されたものだったということ。

そして、アニメのキャラクターは、あおい輝彦がリードして作り上げたわけです。

それだけ魅力あるモチーフの作品だったんでしょうね。

木下恵介アワー


インタビューは、あおい輝彦が俳優としての基礎を築いた、『おやじ太鼓』や『三人家族』『二人の世界』の話も出てきます。

いずれも、木下恵介アワーという、木下恵介が脚本を書いた30分のレギュラードラマ枠で放送されました。

おやじ太鼓



ジャニーズ解散後、初めて出演したドラマが『おやじ太鼓』(1968年1月16日~10月8日、松竹/TBS)です。

Youtubeに上がっていますが、息子役の一人である、あおい輝彦の覚えやすくて楽しい主題歌が、今も記憶に残っています。

東映の悪役であった進藤英太郎が、裸一貫から努力と度胸と知恵で、一代で建設会社を作り上げたブルドーザー社長を演じています。

おやじ太鼓
Youtubeより

とにかく気が短い、すぐ雷を落とす。いばる。カレーライスが好物。

でも人間的には完璧ではなくツッコミどころに満ちていて、夫人役の風見章子がさりげなくカバーするという話です。

子供は7人。園井啓介、西川宏、香山美子、津坂匡章(秋野太作)、高梨木聖、あおい輝彦、沢田雅美です。

大家族なのでお手伝いさんがいて、菅井きんが演じています。

家制度の名残りとしての家父長的ふるまいと、一方で誰でも頑張れば可能性がある右肩上がりの高度経済成長という時代から、このようなキャラクターがウケたのでしょう。

三人家族


『三人家族』(1968年10月15日~1969年4月15日)は、木下恵介アワーで放送されたドラマのうち、歴代No.1の最高平均視聴率を記録しました。


父(三島雅夫)、兄(竹脇無我)、弟(あおい輝彦)と、母(賀原夏子)、姉(栗原小巻)、妹(沢田雅美)という2つの3人家族の話です。

竹脇無我と栗原小巻、あおい輝彦と沢田雅美がそれぞれカップルです。

この頃はもう、栗原小巻が輝いて見えました。

矢島正明のナレーションも良かったですね。

二人の世界


『二人の世界』(1970年12月1日~1971年5月25日)は、やはり竹脇無我と栗原小巻の話。


竹脇無我と栗原小巻は結婚するのですが、左遷された竹脇無我が脱サラして夫婦力合わせて頑張るストーリーです。

あおい輝彦は今度は栗原小巻の弟役でしたが、主題歌が大当たりして、ベストテン番組でしょっちゅう歌っていました。



あおい輝彦とは誰だ



後先になりましたが、あおい輝彦は、現在のジャニーズ事務所の最初の所属タレントであるジャニーズのメンバーの一人です。

真家ひろみ(真家弘敏)、飯野おさみ(飯野修賓)、中谷良(中谷良三)、青井輝彦(1967年から「あおい輝彦」に改名)の4名によって、日本で最初に形成された、歌って踊れるアイドルグループがジャニーズです。

アイドルグループが、踊りをメインにして歌い、ショービジネスをこなすことは、当時はほとんど誰も気がつかない分野でありました。

その意味で、ジャニー喜多川の慧眼は率直に素晴らしいと私は思います。ホモセクハラは別としてね。

もともと野球少年だった青井輝彦らは、プロ野球金星ゴールドスターのマネージャーの次男であり、駐日アメリカ合衆国大使館の職員でもあったジャニー喜多川と出会い、野球の指導を受けたことから、ジャニーズ結成につながったといいます。

「あおいクンは良家の子息という感じでしたが、要は体が丈夫ではありませんでした。でも体力がつくとルックスも最高で、先天的な素質があったせいか歌も踊りも上達し、なによりフレッシュな印象が強かったです」(小菅宏『「ジャニー喜多川」の戦略と戦術』講談社でジャニー喜多川)

その「先天的な素質」がものを言ったのか、歌と踊りだけでなく、芝居でも実績を作り、ジャニーズの中では、現在も唯一の現役です。

俳優としても歌手としても、まだまだご紹介したい作品はありますが、それはまた別の機会を見つけてご紹介しましょう。

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pigumon

あしたのジョー 大ファンです♩
三島由紀夫さんも 大ファンだったのですね
驚きました
ストイックな生き方に
とても 共感を覚えましたが・・・
私は 今も昔も
俗世間に ずっぽり
浸っています(笑)

by pigumon (2020-04-28 10:05) 

エンジェル

あおい輝彦は好きな俳優の一人です。水戸黄門の助さん役は大好きでした。あしたのジョーの声をやっていたのは知りませんでした。
「二人の世界」思い出しました。竹脇無我も好きな役者さん。栗原小巻も綺麗でしたね。歌をYouTubeで聞いてみましたが懐かしかった♪
by エンジェル (2020-04-28 12:26) 

ヤマカゼ

あしたのジョーの声優さんしていたとは驚きです。
燃え尽きて、真っ白な灰になっちまった。
忘れません。
by ヤマカゼ (2020-04-28 12:52) 

tsun

あおい輝彦さんと言えば、犬神佐清役が一番印象に残ってます。
by tsun (2020-04-28 13:26) 

十円木馬

昭和40年代当時、少年マガジンで連載していた、
「あしたのジョー」と「巨人の星」は夢中になって読んでいました。もちろんTVアニメもです。オープニング曲を歌っていた尾藤イサオさんのドスのきいた歌声が忘れられません。
by 十円木馬 (2020-04-28 15:45) 

らしゅえいむ

明るくて
元気で
いい俳優さんですね
あしたのジョーの声をされていたのは
気付きませんでした
*コメントをありがとうございました
by らしゅえいむ (2020-04-28 17:29) 

ヨッシーパパ

アテレコ、アフレコ。
とっさに、違いが思い浮かびませんでした。^_^
by ヨッシーパパ (2020-04-28 17:39) 

kou

あしたのジョーは大好きで、単行本も全部持っていました。
でも、アテレコというのは恥ずかしながら初めて知りました。全部アフレコだと思ってました・・・(^_^;)
by kou (2020-04-28 19:14) 

pn

あしたのジョーの主題歌をなぜ歌わなかったのかが不思議。
1も2も勿論オリジナルの出来は最高ですがジョー(あえてあおい輝彦とは書かない)の声でも良い歌だったと思う。
けど尾藤イサオにおぼたけし、そして荒木一郎もなんとなくジョーを意識して歌っている気もします(^^♪
by pn (2020-04-28 20:20) 

U3

こんばんは。
あしたのジョーは漫画の方はわたしが小学校を終える頃に最終回を迎えたと思います。
ジョーが真っ白に燃え尽きた最後のシーン印象に残っています。
by U3 (2020-04-28 21:38) 

mau

絵と声がハマっていたのはこのような理由があってんですね。
by mau (2020-04-28 22:17) 

ナベちはる

>『いいです、あおいさん、今の芝居がとても良かったので、今の声に絵を合わせます』

実際に言われたあおいさんの演技は「そこに矢吹丈がいた」と誰もが思えるものだったという証拠ですね。
by ナベちはる (2020-04-29 00:33) 

JUNJUN

あしたのジョーは、永遠の名作ですよねえ。
声優陣も、当たり役ばかりでした。
by JUNJUN (2020-04-29 00:46) 

旅爺さん

あおい輝彦さんや進藤英太郎さんは懐かしく思い出しました。
by 旅爺さん (2020-04-29 07:50) 

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