市川森一、『傷だらけの天使』や『快獣ブースカ』でアンチ予定調和の世界 [懐かし映画・ドラマ]
今日は、市川森一さん(1941年4月17日~2011年12月10日)の生まれた日です。脚本家、小説家、コメンテーターとして活躍しました。市川森一さんといえば、『傷だらけの天使』『ウルトラセブン』『快獣ブースカ』『コメットさん』など幅広いジャンルの作品を遺しています。
市川森一の脚本
市川森一さんは、デビュー当初は、『ウルトラセブン』や『コメットさん』など、子どもをターゲットとした番組を書かれていました。
そして、名前が知られてからは成人をターゲットとするドラマも書くようになりました。
しかし、それらは全く別物ではなく、テレビドラマにありがちな「予定調和のハッピーエンドを嫌う」ホンを書くことで一貫していました。
たとえば、『ウルトラセブン』(1967年10月1日~1968年9月8日、東宝/TBS)を書いていた時は、第37話『盗まれたウルトラ・アイ』で、モロボシ・ダンからウルトラ・アイを盗んだマゼラン星人の少女・マヤが、結局は故郷のマゼラン星に見捨てられてしまいました。
その上、ダンに、「この星(地球)で生きよう。この星で一緒に…」と説得されているのに、自殺させてしまいます。
たぶん視聴者の子どもはハッピーエンドを期待したと思いますが、なかなかシビアなストーリーにしています。
『傷だらけの天使』
お早うございます。
— ライダー1号???? (@rider1cyclone) January 22, 2020
1月23日は映画監督の恩地 日出夫さんのお誕生日。
オープニングの演出を担当したテレビドラマ「傷だらけの天使」から。
「傷だらけの天使テーマ」
作曲:大野克夫 / 演奏:井上バンド pic.twitter.com/JDBXiipwtA
市川森一といえば、何と言っても『傷だらけの天使』(1974年10月5日~1975年3月29日、東宝/NTV)でしょう。
修(萩原健一)の朝食シーンですが、とにかく型破りだったオープニング。
新聞紙をナプキン代わりにあて、コンビーフを“直食い”。
トマトはまるごとかぶりつき、ソーセージや牛乳は口で開けて、蓋は吐き出す。
そして最後にカメラ目線。
>この雑で乱暴で適当な男の食い方!みたいな食べ方だから好きなんだよ
>ただ飯食ってるだけなのにどうしてこんなにカッコいいのだろうか
>うまそうに喰ってるのがいいよな
ニコニコ動画では。そんな絶賛コメントが嵐のように続いています。
録画しといた『傷だらけの天使』全話を毎日観てる!中学の時リアルタイムで観てたんで、どのシーンも懐かしい~!特に当時の代々木、新宿、池袋の街並みが懐かしくて(昔はこんなだったよな~と思い)つい一時停止してしまう(笑) pic.twitter.com/bp5X4qjGdP
— SPC次元 (@SPC_Nakamura) April 11, 2020
1話完結のストーリーでは、名のある女優が次々脱ぐシーンがあるのでこれまたビックリ。
そして最終回では、相棒の明(水谷豊)が風邪をこじらせて肺炎で死んでしまうのですが、修は桶に遺体を詰め込み、リヤカーで夢の島まで運んで、捨てて逃げてしまいます。
普通に葬式をしたっていいと思うのですが、アウトローらしい消え方を市川森一さんは考えたんでしょうね。
快獣ブースカ
快獣ブースカ ('67-68)
— じゃじゃまる (@jax2marux1) October 25, 2019
みんなの友達ブースカ。子供の頃、広い空き地で野球したり焚き火したりして遊んだことを思い出す。ちなみにブースカは「快」獣。心優しいブースカは怪獣じゃないんです??@retoro_mode #ブースカ pic.twitter.com/4dVek22KA6
『快獣ブースカ』(1966年11月9日~1967年9月27日、円谷特技プロ・東宝/NTV)は、ウルトラマンやウルトラセブンを制作した現在の円谷プロダクションと東宝による、怪獣……ではなく快獣が主人公の特撮コメディドラマです。
ストーリーは、発明好きの少年が、ペットのイグアナをゴジラのような怪獣に仕立てようと、自作の特殊な成長剤“クロパラ”を与えたところ、人間並みの知能と様々な超能力を持った快獣に。
性格温厚で愉快な生き物ブースカを取り巻く子供達や、近所の住人達の間で繰り広げられる珍騒動を描いたものです。
ブースカは、喜ぶと「バラサ、バラサ」、失敗すると「シオシオのぱぁ」と、独特のセリフで感情を表現します。
声は、長く『サザエさん』でカツオの声をあてていた、高橋和枝さんでした。
快獣ブースカ 主題歌 /高橋和枝 https://t.co/qBUcbCqgBO @YouTubeさんから
— 畠中由宇・相互フォロー100% (@hata_follow) April 16, 2020
↑何とも癒やされる楽しい歌なので、今でもつい口ずさむことがあります。
市川森一さんは、第4話から脚本家として参加しています。
20日間の光速宇宙航行によって、地球は20年も月日が流れることを知らずにブースカは旅立ってしまうという、子どものドラマでも、情け容赦なく「予定調和のハッピーエンドを嫌う」結末でした。
市川森一さんのドラマ、ご覧になりましたか。
名作ドラマBDシリーズ 傷だらけの天使 Blu-ray-BOX(3枚組 全26話収録) - 萩原健一, 岸田今日子, 水谷 豊, 岸田 森, ホーン・ユキ, 深作欣二, 恩地日出夫, 神代辰巳, 工藤栄一
特撮リボルテック003 快獣ブースカ ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み アクションフィギュア
『親戚たち』をもう一度見たいのですが、DVDとか無いんですよね。
by tsun (2020-04-17 10:49)
ジャンルが異なる「傷だらけの天使」と「快獣ブースカ」が市川森一さんで繫がっていたことを初めて知りました。
当時「シオシオのぱぁ」は子供同士で良く使いました。
by 我流麺童 (2020-04-17 12:56)
ブースカは知りませんでした。
高校生だったあの頃、傷だらけの天使のオープニングはほとんどの奴が真似してました。当然の様に私もやってました。
しかし当時は脚本家までは全く意識してなかったです。
by こんちゃん (2020-04-17 15:37)
俺の記憶ではマヤはかわいかったんだがアンヌの方が好き(*´▽`*)
それはそうと20年って事はブースカはとっくのむかしに帰って来ているのか!(笑)
by pn (2020-04-17 16:13)
皆よく知っている作品です。同じ方の脚本だったんですね。
「ぼ~くはブースカブー」というフレーズが頭に残っています。ウルトラセブンはウルトラマンと比べて随分大人っぽい作品だと思います。
by kou (2020-04-17 16:59)
傷だらけの天使や快獣ブースカは観ていました。
傷だらけの天使は、多感な時期だったので毎週ワクワクしていました(^o^)
by KINYAN (2020-04-17 17:44)
初めの4作品は、好んでみていましたが、同じ脚本家の方だとは、驚きました。
幅広いジャンルに携わっていたのですね。
by ヨッシーパパ (2020-04-17 17:57)
ブースカと、傷だらけの天使が、同じ作者とは、おどろきました。
ブースカは、東映撮影所作成なので、家の近くの知っている場所で撮影していて、その現場に出くわした事もあります。
ショーケンの傷だらけの天使は、もう夢中になってみましたね。
いろいろと衝撃のドラマでした。
by わたし (2020-04-17 19:01)
市川森一さんは知りませんが・・・(;´∀`)
傷だらけの天使は知ってます!!ショーケンかっこよかったですよね~(^^♪
by 50oyaji (2020-04-17 20:45)
ブースカ、デザインもかわいい
by mau (2020-04-17 22:08)
『快獣ブースカ』と『傷だらけの天使』、同じ人が書いたとは思えないですね。
あまりの違いに、思わず困惑してしまいます。
by ナベちはる (2020-04-18 01:17)
「シオシオのぱぁ」
友達とよく使っていた言葉でしたが、
『快獣ブースカ』からだったのですね。
by ハマコウ (2020-04-18 06:18)
ブースカにウルトラセブンは、子供のころ見まくりました。妙に印象に残っています。
by ヤマカゼ (2020-04-18 06:42)
「傷だらけの天使」は学校から帰宅すると再放送をよく見ていました。
当時としては衝撃的なオープニング映像に吸い込まれました。
by marimo (2020-04-18 08:57)
おはようございます。
こうした衝撃なというか問題作になるようなTVドラマって最近ないね。
水谷豊の「アニキ〜」の声が今でも思い起こせます。
by U3 (2020-04-27 10:09)