FacebookのTBS NEWSでは、全国にある福祉施設と契約を結び、知的障害のあるアーティストが描いたアート作品の販売や、ファブリック展開などを手がけている『株式会社ヘラルボニー』や創業者の松田崇弥さん、松田文登さんを特集する動画を投稿しているのでシェアします。
ヘラルボニーの活動
松田崇弥さん、松田文登さんは、『株式会社ヘラルボニー』の代表取締役社長、副社長をつとめる双子の兄弟です。
3分だけお兄さんが松田文登さんで、松田崇弥さんが弟。
さらに2人には、4歳上の自閉症のお兄さんがいます。
ヘラルボニーは、障碍のある作者の作品を商品化して、世の中に発信する“福祉実験ユニット”といいます。
アート活動を行っている、日本全国の福祉施設とマネージメント契約を結び、そこから生まれた作品の商品化と販売を行っているのです。
下記の動画によると、「そのミッションは、“異彩を放て”」だそうです。
異彩とは、「知的障害がある、普通じゃないということは、逆に可能性だと言い切りたい」(松田崇弥さん)ということ。
「親戚のおじさんからも、『お前ら(自閉症の)兄貴の分まで一生懸命生きろよ』とか謎に言われたりして。普通に兄貴も楽しく生きているのに、『かわいそう』というのが共通認識になっている人もいたので、『それって違うんじゃないのかな』とすごく思っていて、そういったイメージを破壊していくことを会社としてやってみたいと思ったときに、アートはひとつの大きい手段として面白いのではと思ってやっています」(松田崇弥さん)
松田崇弥さんは、母校の東北芸術工科大学のインタビューページでも、こう語っています。
「知的障害のある人は、決まった時間に決まったことをするという日々のルーティーンの中で生きている方が多い傾向にあります。そのこだわりが絵筆になった時生み出される、とても緻密で色彩豊かな表現。そんな素晴らしい才能ある人たちが福祉施設だけで留まっていることは、もったいない。そして、収入という形できちんと還元できる社会構造をつくりたいというのが僕らの想いです」(
https://www.tuad.ac.jp/graduates/g_00/)
FacebookのTBS NEWSでは、ヘラルボニーの活動を積極的にとりあげてきましたが、その最新の動画が3月31日に投稿されました。
知的障害があるからこそ描ける世界がある
東京の品川駅で開かれた、知的障害がある人の描いたイラストを選んでTシャツにできる限定ショップの様子をまとめています。
商品はTシャツだけでなく、ネクタイやハンカチ、工事現場の仮囲いや期間限定の展示会にアートを展示。
展示後のアートはバッグ等のファッションアイテムとして使われているそうです。
作品ではなく商品を
以前、ヤマト運輸の日本全国を結ぶ物流ターミナルになっている
羽田クロノゲートをご紹介しました。
同社では、障碍者が「作品」ではなく「商品」を作ることで自立するために、敷地内には障碍者雇用で運営されているスワンカフェ&ベーカリー羽田CHRONOGATE店があり、手作りのパンが販売されています。
今回のヘラルボニーも、作品にとどめず商品化しているわけですが、知的障害者の自立への道筋を作り出している点で、私はすばらしいことだと思います。
ま、障碍者(の家族)は一枚岩ではないので、批判的な意見もあるかもしれませんけどね。
逆転の発想で新しい価値を創出する
今回の動画のポイントは2点あります。
・「知的障害がある、普通じゃないということは、逆に可能性だと言い切りたい」
「普通じゃない」と、本来はコンプレックスになりますよね。どちらかというと、隠したいとか、弱点であるとか。
その弱点を「可能性」と考えるのは、よくいう「ピンチのときほどチャンス」という発想に通じるものがありますね。
逆転の発想
弁証法といいますか。コインには常に裏表がある。裏だけを見ないで表も見ようという哲学ですね。
もうひとつは、新しい価値の創出は「普通」でないからこそ始まる、ということ。
新しい真実は極論から、とよくいいますよね。
ところが、日本は横並びの“美学”が大手を振ってまかり通っていて、同調圧力が非常に強い社会です。
たとえば、ブログひとつとっても、記事も、コメントも、批判や異論反論は「お行儀が悪いもの」になってしまう。
いきおい、どこかで見たような手垢にまみれた論調の記事と、「無難」な同調や称賛のコメントばかりになりがち。
それではなんにも新しい価値は創出できません。
もちろん、ヘイト記事や、記事の趣旨を外れた中傷や無関係な独白コメントは困りますけどね。
ただ、私は今回の動画を見て、あいにくアートは“からきし”ですが、異端や異論のそしりなどものともしない「異彩」を、ブログ記事で発揮してみたいという前向きな気持ちになれました。
学びを結果に変えるアウトプット大全 (Sanctuary books) - 樺沢紫苑
いっぷくさん おはようございます。
確かに「どんぐりの背比べ」で満足し、他人と違った行動に出るのを恐がるのが日本人の大半だと思います。それには良い点も悪い点もあるとは思います。
しかし、一度外に出て異端になると(*´∀`*)、案外楽になるということも儘あると思います。
要らぬ気を遣う必要が無いし、自分の主張が正しいと思えば堂々と開陳することも出来ます。当然出る杭は打たれますが、杭の頭が相手の背丈の二倍もあれば打たれることもなくなります(o゚∀゚o)
ところで村社会の日本の悪い点ですが、寛容の精神がなくなったことだと思います。だから自分たちと異なる人を受け入れないだけでなく、時に排斥迄するようになるのだと思います。
保身に走り他人が見えない日本人。そう思います。
by U3 (2020-04-04 10:40)
>異端や異論のそしりなどものともしない「異彩」を、ブログ記事で発揮してみたいという前向きな気持ちになれました。
異端でメッセージを発する事の最大の価値は、同じ様に異端であることに悩まされている同胞に勇気を与えられる事だと思います。“視点”と“支点”のスライドですね。
今回ご紹介のプロジェクトは素晴らしいですね。実行するには明確で揺るぎない信念が無いと出来ない事なので感心します。
by 扶侶夢 (2020-04-04 11:56)
異彩を放つ、良い言葉です(^ー^)
by pn (2020-04-04 12:55)
先般から話題となっている「障碍は個性か」ですが、
「異彩」として商品化するとなれば、立派な個性だと思います。
考えさせられます。
by skeptics (2020-04-04 14:39)
私は凡人ですので、そんなに素敵な作品は作れません。
by ヨッシーパパ (2020-04-04 18:49)
決った時間に作品に没頭できる
ある意味、羨ましいことですね。
NHKでなんの障碍だったか忘れましたが
凄い絵を苦もなく描き続ける若い人を紹介していました。
羨ましいくらいの才能です。
by そらへい (2020-04-04 19:56)
こんにちは。
知的障害のある人の素晴らしい才能を「収入という形できちんと還元できる社会構造」のコンセプトは面白い取り組みですね。アートではなく「身近な製品に反映・デザイン」は可能性ありそうです。「コインには常に裏表がある」成る程です。多面的に分析する能力が必要です。「新しい価値」は、社会的な意義があり、共感を呼べば成立・成功すると感じます。時代もあるかな!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2020-04-04 21:39)
仲がいい兄弟なんだなぁと思いました。
by mau (2020-04-04 23:07)
「普通じゃない」からこそ出来る作品は、「普通」ではなかなか気づかない着眼点などに気づくことが出来るからこそではないかと思いました。
by ナベちはる (2020-04-05 00:59)
アートとかそういうの創れる人、創作物を積極的に世に出す企業、事業があるのはいいんじゃないでしょうか。
by 足立sunny (2020-04-05 05:47)
同じ自閉でも、デザイン・アートの才がある人と
ない人がいます。たぶんそのへんで批判というより
妬みがあると思いますが、せっかく自立できるのなら
良い機会だと思います。
by 犬眉母 (2020-04-06 18:25)