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大木実、照明助手から2枚目映画俳優、ドラマの名バイプレーヤー [懐かし映画・ドラマ]

大木実、照明助手から2枚目映画俳優、ドラマの名バイプレーヤー

今日は、大木実さん(1923年12月16日~2009年3月30日)の祥月命日です。照明助手から松竹映画に抜擢されデビュー。東映では任侠物を中心に多数出演し、テレビドラマにうつってからはNHK朝の連続テレビ小説など時代劇、現代劇を問わず多数出演しました。(上の画像は、『関東テキヤ一家』およびYoutubeの『どっきりカメラ』動画より)



大木実とは誰だ



大木実さんは、もともと照明助手でしたが、木暮実千代の推挙で役者へ転身、というのは有名な話です。

1950年代は松竹映画で時代劇、現代劇を問わず重要な役で出演。

1960年代は活躍の場を東映にうつして、任侠物を中心に多数出演しました。

とくに、若山富三郎がひきいる「若山組」の一員として、若山富三郎が出演する作品にはほとんど出ています。

1970年代にテレビドラマにうつってからは、『清水次郎長』(1971年、東映/フジ)などの時代劇のほか、NHK朝の連続テレビ小説『風見鶏』(新井春美⇒新井晴み主演)や、『よーいドン』(藤吉久美子主演)などにも出演しました。

どちらもNHK大阪の制作で、大阪出身の大木実さんにはうってつけの役だったのかもしれません。

関東テキ家一家



以前このブログでも書きましたが、鈴木則文監督の『関東テキヤ一家』(1969年、東映)をご紹介します。

新東宝⇒松竹⇒東映と渡り歩いたた外様の菅原文太にとって、初めての東映主演作品と言われています。

まだ、『仁義なき戦い』のような実録ものではなく、創作任侠モノです。

ただし、鶴田浩二や高倉健の『網走番外地』シリーズのようなヒーローの創作任侠ではなく、絶対的なヒーローがいない群像劇という点で、『仁義なき戦い』のプロトタイプとしての役割を果たしたと思います。

菅原文太は浅草のテキ屋(露天商)。

テキ屋同士の一触即発を仲介する親分を演じていたのが大木実です。

菅原文太の一家の味方です。

テキ屋は賭場を開帳するヤクザとは別とされていて、また「職種」は「コロビ」(ゴザを敷いた金魚すくいなど)と「タカモノ」(小屋など大掛かりな舞台を作る興行)にわかれます。

そして、それぞれ縄張りがあり、その微妙なバランスを巡るメンツや利害関係を賭けた抗争が描かれています。

菅原文太の一家は「タカモノ」を手掛けており、劇中で石井富子率いる女子プロレスの興行を打つことになり、昨日ご紹介したダンプ松本の在籍した全日本女子プロレスが登場します。

試合は、当時の実在する看板選手のコンビによるタッグマッチが劇中で行われたという設定です。

岡田京子
岡田京子と柳みゆき

京愛子
巴ゆき子と京愛子

私としては、このシーンだけでも十分に資料的価値がありました。



どっきりカメラ



これはたぶん、ドッキリカメラの最高傑作だと思いますが、そもそも『どっきりカメラ』をご存じない世代の方もおられるかもしれませんね。

類似企画が多数あるので、正確なタイトルは『元祖どっきりカメラ』といいます。

要するに誰かにイタズラを仕掛けるわけですが、その人が仕掛けを知らない、もしくは虚偽の仕掛けだけ知らされだまされる反応を楽しむという構成です。

悪趣味としか思えないものもあるのですが、正直、この回だけは笑ってしまいました。

騙されたのは安岡力也。


体が大きく、テレビでは強面を売り物にしていたのですが、映画の世界では先輩後輩の格がはっきりしていて、安岡力也が頭が上がらない大先輩が若山富三郎です。

その若山富三郎が、清川虹子と結婚式を行うので、東映の仲間だけが集まってささやかな式を行うことになり、お祝いは1万円とされました。

安岡力也はバカ正直に1万円だけ包んだものの、式では出席者のお祝いの額がいちいち公表され、実は他の人は次々十万円単位で包んでいることが公表され、安岡力也は焦っています。

そして、やはり1万円しか包まなかった高岡健二がボコボコにされ(もちろん芝居)るに至り、安岡力也は顔面蒼白。

「もうこういうのはねえだろうなあ」と若山富三郎が念を押した後、司会者が「安岡力也様。1万円」と発表。

コケた若山富三郎は、「おい、力也」と駆け寄ったところで、当時は山城新伍の妻だった花園ひろみが「どっきり」であることを知らせる展開です。

大木実は、仲人役で出演しています。

202003300424.jpg
Youtube動画より

この企画は、発案者の山城新伍が別の番組で「原案」にあたるエピソードをすでにバラしていました。

「普段着でお越しください」という結婚式があり、若山富三郎が額面通り受け止めてジーパンで出席したところ、他の人は礼服だったのでへそを曲げたそうです。

日本て、そういう建前と本音の二段構えでわかりにくいことがありますよね。

「無礼講」なんて、現実には存在しないインチキな言葉もあるし、なんでそうなんでしょうね。

安岡力也のコワモテが仲間内では通用しないのと、そういうインチキな「常識」を皮肉っている点が痛快だと思いました。

「無礼講」の失敗体験などありますか。

忘れられぬ人々 - 三橋達也, 大木実, 青木富夫, 篠崎誠, 篠崎誠, 定井勇二, 甲斐真樹
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コメント 10

pn

顔は知ってるシリーズだ(笑)
元照明さんだったとは知らなんだ(^_^;)
by pn (2020-03-30 12:04) 

ヤマカゼ

仕事上のミスでかなりドッキリしたことが何度も。老眼が進んでいるせいか書類の見誤り頻発し仕事仲間からひんしゅくを買っています。
by ヤマカゼ (2020-03-30 12:30) 

なかちゃん

高校を出て最初に勤めた先で、当時の常務という人に対して花見の席ででアンポンタンな態度を取っていたということを思い出してしまいました(^^;


by なかちゃん (2020-03-30 12:41) 

Boss365

こんにちは。
大木実さん、お顔は見覚える感じです。
照明助手から役者ですが、ビジュアル良いお顔をしています。
「ドッキリカメラ」面白いですね。
おむすびで気付いていると思いますが・・・
地上波の良い時代ったと感じます。
若山富三郎さんのコケは最高ですね!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2020-03-30 13:54) 

skeptics

ダブスタは、日本のいいところでもあり
悪いとこでもあります。
考えさせられます。
by skeptics (2020-03-30 16:05) 

ヨッシーパパ

この方は、見覚えも聞き覚えもありません。
by ヨッシーパパ (2020-03-30 18:47) 

50oyaji

大木実さん・・・見覚えがないですね!?
どっきりカメラはよく見てました(^^)
コメントご指摘!?ありがとうございました!!
今は写真見れると思います(;´∀`)
by 50oyaji (2020-03-30 21:51) 

mau

何故、照明を役者に推挙しようと思われたんでしょうね
by mau (2020-03-30 23:59) 

ナベちはる

ドッキリ、見ている方は「冗談」だと解っているので面白いのですが、仕掛けられた方はそれが「ドッキリ」だと解っても堪ったものではないのだろうなと思います。
by ナベちはる (2020-03-31 01:10) 

坪井

今日時代劇専門チャンネルで放映された杉良太郎版「遠山の金さん」のゲストでした。個人的には松竹の「あなた買います」のゴールデンルーキーも印象深かったりします。
by 坪井 (2020-03-31 20:30) 

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