ダンプ松本密着ドキュメントで改めて考える、親子のありよう [社会]
ダンプ松本さんの密着ドキュメントが話題です。父親を憎んでいたが、余命幾ばくもなくなった時それが氷解し、亡くなってしまった今はまた会いたいという気持ちでいっぱいだという思いを吐露しています。まだご覧になっていない方もいらっしゃるかもしれないのでシェアします。
ダンプ松本とは誰だ
ダンプ松本さん(1960年11月11日~)は、今年還暦を迎える現役の女子プロレスラーです。
高校時代はアーチェリーでインターハイへ出場した実績がありますが、卒業後は全日本女子プロレスに入門しました。
『極悪同盟』という悪役グループに入ってブレイクします。
今も女子プロレス界に影響力を持つ長与千種と長い間抗争を繰り広げ、敵役の立場から全日本女子プロレスの屋台骨を支えました。
1988年に、人間関係に嫌気が差したそうで全日本女子プロレス引退。
その後は、タレント活動を続けていましたが、古巣の全女に「騙されて」試合を組まれ、2003年に現役復帰。
以後はこんにちまで、タレント活動とともに各団体のリングに上がり続けています。
ツイッターで検索すると、ダンプ松本さんの密着ドキュメントをシェアしている人がぞろぞろいました。
ということで、これがそのツイートです。
ダンプ松本 密着ドキュメントですhttps://t.co/biAKyqyIMx
— 極悪同盟ダンプ松本@極悪ファミリークラブ・極悪事務局 (@gokuaku_family) March 27, 2020
内容は、幼い頃から父親を憎み、強くなって殺してやりたいほどの思いからプロレスラーになったが、年老いた父親の余命を聞いてからはその気持が消え、亡くなった今はもう1度会いたいという思いを強く抱いているという内容です。
ダンプ松本と実父との和解については、すでに東京スポーツの自伝連載で告白しています。
いま東スポでダンプ松本が自伝を連載しているのをご存じだろうか?どの回も本当に面白いが、興味無いという方も今日夕方更新の最新回だけは読んでみて欲しい→ダンプ松本 父の死。そして50年目の和解 | 東スポのプロレスに関するニュースを掲載 https://t.co/CyubSpyzLv
— 位置@ファンタジー馬鹿 (@ichitawake) January 3, 2020
明るい家庭の思い出なんてひとつもない。埼玉・熊谷市の本当に貧乏な家に生まれた。父(五郎さん=享年87)は定職にもつかず、遊び回って家にいなかった。母(里子さん=86)が布団の綿を詰める内職で細々と家計を支えていた。(中略)
父は酒、バクチ、女と遊びの限りを尽くした。トラックの運転手をしていた時期に助手席に乗せてもらった記憶はあるものの、それも長続きしなかった。外に女をつくっていたのか、たまに家に帰ってきた時は酔っ払っては母に当たる。お金は一銭も家に入れない。いなくなればいいのに。幼心で常に父を憎み続けていた。
大好きな母を苦しめるこの男をどうにかしてやりたい。そのためには強くなるしかない。その後にプロレスラーを志す私には、大きな理由があった。 父を殺したかったのだ。
5年前までは埼玉の実家に帰っても、父とはひと言も話さなかった。私と妹と母が食事を始めると、雰囲気に気づいた父は自分のお皿を持って隣室に行ってしまう。妹は普通に話していたが、私は絶対にそんな気持ちにはなれなかった。父が病に倒れるまでは。酷い親だから死んでしまえばいいという思いは額面通りではなかった、ということですね。
2019年4月、父が肺炎で入院した。お医者さんからは「持ってあと1週間です」と告げられた。この言葉を聞いた瞬間に、55年間の憎悪は消えてしまった。そんなもんだよな、人間なんて。結局はたった4人しかいない家族だ。父への態度は優しいものへと一変した。
もともと優しい人であろうと思われるダンプ松本さんらしい心模様です。
ただ、それはそれとして、ダンプ松本さんの少なくともこれまでの人生には、ずっと父親が影、闇と言っていいのかな、作っていたということもいえます。
改めて「親」とはなにかを考える
ですから私がこの告白で、改めて考えさせられたのは、
たとえどんな親だろうが親は親。子は親を選べないんだよなあ、ということです。
親は、自分の意志で子を生みますが、子は好き好んでその親から生まれたわけではないのです。
子にとって、親は自分で変えられない「ほしのもと」なんですね。
親の出来が悪いほど子は親思いだ、などとよくいわれます。
だから、親は少しぐらいデキが悪いほうが子のためにはいい、とうそぶく親もいますが、親に対してなんとか振り向いてもらいたい、心を通わせたいという子の切ない思いこそが「親思い」にさせるのではないのでしょうか。
いずれにしても、死別生別はありますが、親の存在しない子はいません。
その意味で、自分の人生に親はどんな影響を与えているか、自分は親をどんなふうに考えているか、いったい親ってなんだろう、ということは普遍的なテーマかも知れませんね。
「ろくでなし」だけが毒親ではない
親といえば以前、毒親を特集したNHK番組で、キャスターの武田真一さんが、親は子供を思って一生懸命育てており、子供に期待するのは当然なのだから、「私は、毒親という言葉にものすごく抵抗があって、それを耳にするたびにですね、1人の親として本当にズタズタに切り裂かれるような痛みを感じる」と突然大粒の涙を流したことがありました。
⇒毒親特集、武田真一キャスター涙で「よかった」と苦労知らずの声
私はそれを見て、この人はなんて自己愛の強い人だろう、メディアを使ったスタンドプレーで追い詰められるお子さんが気の毒だな、と思いました。
毒親の3要素は
1.過干渉
2.暴力・暴言
3.ネグレクト
などがあるといわれますが、それらすべてを貫くもうひとつの要素が「威圧」だと思います。
親子関係というのは決して対等ではなく、「親孝行」または「親不孝」といわれるように、親を中心とした親を支える概念になっています。
子供は、そもそも親に翻弄される関係にあるのです。
もちろん、家庭をかえりみない、暴力を振るうなんていう絵に描いたようなダメおやじも「毒親」ですが、それだけでなく、たとえ物を買い与えようが教育熱心だろうが、それが親の一方的な価値観に基づくものなら、子にとっては決して幸福なことではないと思います。
女子プロレスの真実も赤裸々に語る
それはともかくとして、上記の東スポの自伝では、全日本女子プロレス時代の人間関係の悪さも暴露。
たとえば、会社では対戦する両方のレスラーに「あいつはお前の悪口を言っていたぞ」とデタラメを吹き込み、セメント(本気)試合をさせるとか。
プロレスなんて八百長だろう、といいますが、善し悪しは別として、全日本女子プロレスではそういう「ガチ」があったのです。
先輩の壮絶なイジメについても回顧。
今テレビに出ている北斗晶は、かつては先輩レスラーから試合で首の骨をおられていますからね。
ダンプ松本さんは、いじめに悩んでいる人たちにもメッセージを発信しています。
女子プロレスの真実のようなものが見えてしまいますが、関心のある方は読まれてはいかがでしょうか。
長女はつらいよ―だけど、元気もりもり - ダンプ松本
死を目前にしちゃうと仏心も出るでしょう普通の人間なら。
ましてや親ならなおさら・・・何て事俺は無かったが(笑)
友達の死は心に残りますが親族の死ってなぜか心に入って来ない(^_^;)
by pn (2020-03-29 11:43)
ダンプ松本は同世代なのでもちろん知ってますが、悪役というイメージだけでほとんど興味がありませんでした。それにしてもあの体型でまだ現役を続けられているとは・・・足はどうされたのでしょう?ちょっと痛々しいです(^^;
by エンジェル (2020-03-29 12:04)
こんにちは。
「親子のありよう」は様々な事象があります。
詳細は分かりませんが、心の葛藤と生き様が入り乱れ複雑です。
ダンプ松本さんのキャラクター等もあると思いますが・・・
文章にして連載する事は良い事と感じます。
背中を押される方は多いと感じます!?(=^・ェ・^=)
by Boss365 (2020-03-29 14:19)
親次第で、人生が変わってしまいますからね。
情もありますが、生き方への干渉はどこまで
許すべきか、親との付き合い方は難しいですね。
by 犬眉母 (2020-03-29 14:43)
結局、少なからず子供は親の影響を受け、何かを引きずって生きていると思います。
過干渉は反省ですかね・・・。
by kou (2020-03-29 15:27)
ダンプ松本さんは、結婚して幸せになった人を見たことないから自分は独身と言ってます。
ご自分の幼少期がトラウマなのかも。
考えさせられます。
by skeptics (2020-03-29 15:36)
懐かしいですね。
まだ、現役なんですか?
by ヨッシーパパ (2020-03-29 18:28)
復帰して現役だとは存じませんでした
by mau (2020-03-29 21:39)
ダンプ松本さん、今年還暦を迎えられるとは驚きです。
by ナベちはる (2020-03-30 00:52)